【映画スピード・レーサーの魅力まとめ】CGで描き出される世界を突っ走れ!

モータースポーツ映画の中でもひときわ異彩を放っている作品、「スピード・レーサー」。この映画は全編を通して鮮やかな色彩感覚のCGが中心となっており、そんなCGで描き出される迫力満点のレースシーンが大変魅力的な作品になっています。マッハで駆け抜ける高速のレーシングムービー「スピード・レーサー」の魅力を、今回は余すところなく紹介していきたいと思います。

「マトリックス」シリーズの監督が放つ、衝撃と興奮のレースワールド!

古今東西、モータースポーツを題材にした映画は数多くありますね。「グラン・プリ」「栄光のル・マン」「キャノンボール」など、モータースポーツ映画はいずれ劣らぬ名作揃いだと言えるでしょう。

そんなモータースポーツ映画の中でもひときわ異彩を放っているのが、今回紹介する「スピード・レーサー」です。「スピード・レーサー」は日本のアニメ作品「マッハGoGoGo」をハリウッドがリメイクしたものであり、原作の世界観を再現したうえで新しい解釈も付加された、大変意欲的なモータースポーツ映画となっています。

本作の監督を務めたのは、あの「マトリックス」シリーズの生みの親でもあるウォシャウスキー姉弟。「マトリックス」でも炸裂したCG技術を今回もいかんなく発揮し、原作の世界観をよりスタイリッシュかつ色彩豊かに再現した映像美は、ただ映像を追っているだけでも十分に楽しめる迫力と興奮に満ちています。

車好きな方、モータースポーツ好きな方はもちろん、大人から子供までどんな人でも楽しめる極上のエンターテインメント作品となっている「スピード・レーサー」。今回は、この作品の魅力について余すところなく解説していこうと思います。



「スピード・レーサー」の原作アニメ、「マッハGoGoGo」とは?

本作「スピード・レーサー」の原作となった日本のアニメ「マッハGoGoGo」は、「ヤッターマン」「タイムボカン」「科学忍者隊ガッチャマン」など数々の名作アニメを手掛けた制作会社、タツノコプロによって1967年に生み出された作品です。

当時モータースポーツを題材にしたアニメ自体がほとんどなく、また近未来の世界観と主人公、三船剛とその家族やガールフレンドを中心とした時にコミカル、また時にシリアスなストーリー展開が、当時の子どもたちを釘付けにしました。

放送終了後も「マッハGoGoGo」は根強い人気を保ち続けており、その人気は海外にも波及。アメリカでもアニメが放送されることになり、アメリカ放映の際にはタイトルが「Speed Racer」と変更され、主人公の名前もスピード・レーサーとして放映がなされました。

タツノコプロが描く熟練の近未来世界とキャラクターの魅力は半世紀近くが経過しても衰えることなく、2008年には「スピード・レーサー」として待望の実写映画化がなされる運びとなったのです。

主演俳優はハリウッドきっての若手実力派、エミール・ハーシュ!

この映画で主役を務める若き天才ドライバー、スピード・レーサー役を演じるのは、「イントゥ・ザ・ワイルド」「ミルク」「ローン・サバイバー」など王道ハリウッドアクションからアート系作品まで幅広く出演し、若手実力派俳優の座をほしいままにしているエミール・ハーシュです。

原作の「マッハGoGoGo」では三船剛にあたる役となるこのスピード・レーサー。原作のイメージそのままに、どこかタツノコプロの雰囲気漂うメイクとたたずまいになっているのもポイントです。

また、日本語吹き替え版では赤西仁が声を担当していることも当時大変な話題となりました。



ガールフレンド役をはじめ、脇を固める俳優陣もアニメの世界観を踏襲!

スピード・レーサーの家族やガールフレンドも、原作の世界観をうまく踏襲したうえで、世界観を壊さないようにしながらもウォシャウスキー姉弟によるオリジナリティもしっかりと付与されているのが特徴だと言えます。

スピードのガールフレンド、トリクシー役には、映画「アダムス・ファミリー」で子役としても大変人気のあった若手女優、クリスティーナ・リッチ。原色を印象的に使った衣装が印象的で、時にセクシーに、また時にワイルドにスクリーンに彩りを添えています。

またスピードのママにはスーザン・サランドン、スピードのパパにはジョン・グッドマンと、いずれもハリウッドの大御所クラスの俳優陣が並び、コメディにシリアスに、硬軟自在の演技で映画を盛り立ててくれています。

「スピード・レーサー」は脇役にアジア系の俳優が二人キャスティングされたことでも話題となりました。まずはレースの利権をめぐってうごめく日系企業の重役、ミスター・武者役に、今やハリウッドを主戦場として活躍する日本を代表する俳優、真田広之がキャスティングされました。登場シーン自体はそれほど多くないものの、クールな魅力で確かな存在感を放っています。

そして、劇中でスピードと時に衝突しながらも協力関係を築いていくレーサー、テジョ・トゴカーンには、韓国で俳優としても歌手としてもトップスターとして君臨しており、日本でも人気を誇っているRain(ピ)がキャスティングされています。気性が荒くスピードや他の登場人物と度々衝突していますが、後述するレースシーンでは重要な役割を果たします。

「スピード・レーサー」のあらすじは?

「スピード・レーサー」のストーリーは、娯楽作品とはいえなかなか骨太なものとなっています。

幼いころからレーサーとしての類まれな才能を発揮していたスピード・レーサーは、すでにプロのレーサーとして活躍していた兄から車の運転に関する手ほどきを受け、将来は兄のように世界有数のトップレーサーになることを夢見ていました。

そんなスピードの兄はしかし、ある日のレースで不慮の事故によって命を落としてしまいます。失意のどん底にいたスピードでしたが、レーサーになりたいという思いは消えず、大人になると夢だったレーサーとして活躍を始めます。

若手レーサーとして数々のレースで優勝を果たし、注目され始めていたある日、スピードの才能に目をつけた大企業、ロイヤルトン・インダストリーズ社の社長が高額な契約金を用意して、スピードとの契約を迫ります。しかし、ロイヤルトン社はレースで八百長を働くことによって、自分たちの富と権力をより強固なものにすることをもくろむ悪徳企業でした。

スピードは契約を断りますが、その瞬間からロイヤルトン社からの苛烈な妨害工作が始まり、「お前は次のレースでは勝てず、兄と同じような運命をたどってもらう」という予言をされてしまうのです。スピードはロイヤルトン社からの妨害を振り切り、仲間となったレーサーX、テジョ・トゴカーン、そしてトリクシーの力を借りてまずは「ラリーレイド」で優勝しようと奮闘するのですが……。

スピード・レーサーのマシンは洗練されたデザインがカッコいい!

「スピード・レーサー」の魅力は、ストーリーや映像美だけではありません。なんといってもレースで使用するマシン、特にスピードのパパが設計した「マッハファイヴ」「マッハシックス」のカッコよさは、スーパーカー好きであればハマッてしまうことうけあいです。

「マッハファイヴ」は中盤のラリー「ラリーレイド」で、砂漠や氷などの悪路を走りきるための工夫が随所にみられるものになっています。運転席に置かれたコントロールパネルのボタンを押すと、ロイヤルトン社からの妨害を始めとしたレース中の困難を乗り切るための装備が飛び出す仕組みになっているのです。

例えばAボタンを押すと車体がジャンプする、Bボタンを押すと銃弾の攻撃を防御することが出来る特殊ポリマーディフレクターが作動する、Cボタンを押すとタイヤをめがけた攻撃からタイヤを守るタイヤシールドが作動する、などのワクワクするような装備が多数備えられているのです。スピードと仲間たちは、この車を駆使して「ラリーレイド」を勝ち抜くために悪戦苦闘します。

「マッハシックス」は、ラストシーンのトラックレースで活躍するレースカーです。「マッハファイヴ」と同じような機能はもちろんついているのですが、それ以上にレースを圧倒的なスピードで勝ち抜くための流線型のボディが印象的な、スタイリッシュさ満点のデザインになっているのが特徴です。

亡き兄の姿を思い出しながらトラックを颯爽と走り抜けるスピードと「マッハシックス」の姿は、カッコよさと同時にはかなさも感じさせるものになっており、スピードの様々な思いを乗せて走る姿には涙してしまう方も居るかもしれませんね。

映画の最大の見どころは高速レースシーン!

やはりこの映画の最大の見どころは、CGを駆使して描かれるスピード感と臨場感あふれるレースシーンに凝縮されていると言えるでしょう。レースシーンはカメラワークや画作りの巧みさも相まって、自分がレースカーに乗っているかのような臨場感と、乗り物に弱い方は酔ってしまうほどの圧倒的なスピード感に満ち溢れています。

特に冒頭の、兄との思い出を回想しながらのレースシーンでは、フラッシュバックする兄との思い出の映像に差し込まれるように高速展開するレースシーンが描かれ、見る者の興味を一気に引き込むような巧みな演出がなされています。

中盤の「ラリーレイド」でのシーンも、砂漠のステージや氷の洞窟のステージなど、悪路を凄まじいスピードで進んでいくレースシーンに、ロイヤルトン社からの生命の危険もあるような悪質な妨害をスピードがいかにしてよけていくのか、そして窮地に追い込まれた際にスピードたちがどのようにそこから脱していくのかといったことから目が離せなくなり、ハラハラドキドキの展開が続きます。

CGの使い方がお見事! レースシーン以外も迫力満点!

レースシーン以外でのCGの使い方も見事です。中盤、テジョ・トゴカーンを救い出すためにレーサーXとロイヤルトン社のごろつき達がカーチェイスするシーンでは、右に左に視点が揺らぎ、さらにトラックとレースカーとの迫力のチェイスが続き、大変見ごたえのあるものとなっています。

また中盤の忍者とレーサー一家の格闘シーンでは、背景がマンガチックに変化して、登場人物だけが実写の中マンガの世界でアクションが繰り広げられるなど、アニメ・CG・実写が境目なくクロスオーバーして新感覚の映像美が楽しめます。

これらのシーンで使われるCGに共通する魅力は、最新鋭のCGグラフィックを多用しながらも、どこか昔見たような懐かしい雰囲気で映像が展開されるというところに尽きるでしょう。全体を通して「いい意味のレトロ感」が作品を覆っているのは、この映画の見逃せない魅力のひとつです。

それは、原作である「マッハGoGoGo」への深いリスペクトを製作陣が抱いていることに起因するものなのではないかと思います。最新の技術を惜しみなく使いながらもレトロで昔懐かしい雰囲気を忘れずに、しかし挑戦するところは挑戦するという、製作陣の巧みな足し算・引き算が満載された映画だと言えますね。

この映画だけの世界観を、ぜひ一度自分の目で確かめてみよう!

CGを多用しながらも昔懐かしい風合いを忘れずに、しかしレースシーンなどスピード感満載のシーンでは迫力と興奮を確かに届けてくれる「スピード・レーサー」。長尺ながらも随所に魅力あるシーンがあり、あっという間に見終わってしまうことが出来るかと思います。

また見逃せないのは、全編を通して物語をけん引する、「スピードの兄の死の謎」です。不慮の事故で亡くなってしまったスピードの兄。しかし、兄の死には謎の部分も多く、スピードは本当に兄が亡くなってしまったのか疑い続けています。そしてロイヤルトン社の大いなる陰謀を暴いていく過程の中で、兄の死の謎も少しずつ解き明かされていくのです。最終的にこの謎がどうなるのかは、ぜひご自身で見て確かめてみてくださいね。

映画の最後には、エンドロールのバックにかかっているED楽曲「Go Speed Racer Go」にも注目です。実はこの「Go Speed Racer Go」、原作アニメの主題歌のカバー曲となっており、大変ノリノリのアレンジで映画を爽やかかつ楽しく終わらせているのです。エンドロールで流れる極彩色の映像美も合わせ、エンディングが終わるまでまで席を立たずに最後まで「スピード・レーサー」の世界観に浸れるのがうれしいですね。

カラフルな映像美とCGで作り上げられた世界観、そしてカッコいいマシンが繰り広げる迫力のレースシーン。「スピード・レーサー」は、車好きなにぜひともオススメの珠玉のエンタメ作品だと言えますね。ぜひ一度、ご自身の目でめくるめく大興奮のレースの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。