車庫から出せる?車高を落とす時に気をつけること

「ローダウン」「車高調」などの言葉を見かけたことがおありだろうか? 街で地べたを這うように走る車を見かけたことがおありだろうか? 車高の低い車がなぜかカッコよく見える、そんなあなたに車高を下げる前に知っておいて欲しい、いろは。教えます!

車高を落とすのはなぜ?

車の重心を落として、コーナリング時のロールを抑える!

そもそもスポーツカーの車高が低いのは、ハイスピードでコーナーを曲がった時、車が大きく傾かないように、重心を下げる狙いがあるからです。他にもいろいろ車高を下げることには利点がありますが、それは車を速く走らせるための理由が多いでしょう。

対して車高を下げると失われてしまうものも多くあります。例えば、乗り心地や走破性がそれに含まれます。ではなぜ皆さん車高を落とすのでしょうか? 理由は一つ、カッコイイからです!

やっぱり低車高は見た目重視!

スーパーカーのそれのように、大きなホイールに低い車高というのは車をドレスアップするのに必要不可欠と言っても過言ではありません。これをするだけで平々凡々だった車がちょっとイケた車に早変わりするのです。昨今は純正でもかなり大きなホイールを履いた車や、車高が低い車も多いのではないでしょうか。

有名な話ですが、その昔あのホンダがファミリー向けにある車を作りました。ターゲットは言うまでもなく家庭を持ったパパでしたが、一工夫して年配者でも乗りやすいように床を低く設計し、それを売りにして宣伝しました。「低床低重心」これがなんと若者に大ヒット! 車高が低いその見た目が若者に人気を得たのです。その車とは、ご存知ホンダ、オデッセイであります。

そう、車はやはり見た目が重要! 中にはこの車高を下げることに絶対的な美学を見出す方々もいます。



どうやって車高を落とすの?

車高調整機能付きサスペンションのススメ

やはり車高を落とすなら、車高調整機能付きサスペンションを選択するのが良いでしょう。これなら任意の車高に調整することができますので、自分の好みの高さに車高を設定できます。これは純正のものでは到底できない芸当です。

安価に済ませたいなら、スプリングのみ交換して車高を落とすこともできますが、戻すのが大変ですし、乗り心地がことのほか悪くなりかねません。スプリングのバネレートとアブソーバーの減衰力が合っていないと非常に気持ち悪い乗り心地になってしまうのです。

逆に予算に余裕があるなら、減衰力調整機能付きの車高調を選択するのも良いでしょう。これなら車高を下げて、さらに乗り心地もある程度変えることができます。
もっと言うとエアサスペンションなんて手もあります。非常に高価ですが、空気の力で車高を自由自在に変更できます。

ただ突き詰めて車高を下げる人には、これでは足りず、車の構造自体に手を入れる必要があるため、地面を擦るか擦らないか、そんな車にしたい人は専門的な知識を持っている方の助けが必要です。

低車高車オーナーの苦悩

その一、駐車場と低車高

昨今、大型デパートや総合病院などは立体駐車場が多いですが、これは車高を下げた車には大敵なのであります。なぜなら、螺旋の坂を上り下りする時、車のバンパーや腹下をヒットすること請合いだからです。最悪、愛車を破損する可能性もあります。

「あーここは行けそうにない!」と思っても、すでに時遅し。後ろには後続車が何台も連なって、ダメとわかっているのに進まざるを得ない状況に陥れば、車高を下げたことを後悔する瞬間でしょう。
皆さんの目の前で「ガガガー!」とか「ギギー」とか鈍い音を立てて注目を集めるのは決して快感ではないはずです。

もっと言えば、なんてことない駐車場の車止めに車を前から突っ込めば、バンパーはバキバキになってしまいます。だから車高を下げた車のオーナーは、必ずバックで駐車するか、車止めに当たらないよう寸止めする技術を会得するしかないのです。
この場合、駐車枠から自分の車がはみ出してしまうでしょうから、他の車がぶつかってもチョット分が悪いのでご用心です。

その二、法令と低車高

日本の道路運送車両法の保安基準では、車の最低地上高(車体の地面からの距離)は9cmという規定があります。つまりこれ以下は違法になり検挙対象になります。ただ、その条項にはこんな文言が含まれています。

地上高は、次の方法により求めるものとする。
(1) 測定する自動車は、空車状態とする。
(2) 測定する自動車のタイヤの空気圧は、規定された値とする。
(3) 車高調整装置が装着されている自動車にあっては、標準(中立)の位置とする。ただし、車高を任意の位置に保持することができる車高調整装置にあっては、車高が最低となる位置と車高が最高となる位置の中間の位置とする。なお、地上高を測定する際は、次に掲げる自動車の部分を除くものとする。
(a) タイヤと連動して上下するブレーキ・ドラムの下端、緩衝装置のうちのロア・アーム等の下端
(b) 自由度を有するゴム製の部品
(c) マッド・ガード、エアダム・スカート、エア・カット・フラップ等であって樹脂製のもの

つまり、車高を下げていて検挙対象の車がいても、その車が車高調整機能付きのサスペンションを装着しているなら、車高調整幅の中間位置にして測定しなくてはならないため、一時的に9cmを下回っていても検挙理由には該当しないことになります。
ただ、困るのはこの9cmが基準になっているため、例外がなければ9cm以下ではもちろん車検は通らないし、車止めなどもこれが前提で作られている物が多いでしょうから、検挙されることはあまりないとしても、やはり苦戦を強いられるのは目に見えています。

その三、乗り心地と低車高

車の乗り心地を良くするには、地面の凹凸を素早く吸収してくれる機構が不可欠です。それでサスペンションには、素早く縮み、かつバウンドを最小限にとどめることが求められます。つまりスプリングとショックアブソーバーの設定が良くできている車ほど乗り心地が良いと言えるのです。

もちろん他にもいろんな要素に乗り心地は左右されますが、市販車は車重や用途に応じてスプリングやアブソーバの設定を決めているので、ノーマルの状態は非常にバランスのとれた、乗り心地の良い状態が作り出されているのです。その設定を崩せば、乗り心地は良くなるということはまずないでしょう。

車高調整機能付き、減衰力調整機能付きのサスペンションであってもそうです。ノーマルより良い乗り心地はほとんど存在しないと言っても過言ではありません。見た目はカッコよくなっても、実際乗っている人は不快感を味わうことになるかもしれません。 参考になりましたか? 車高を落とす前に、いつも行くデパート、病院、職場、などなど駐車場事情を確認しても良いかもしれません。ちなみに車高を下げた車は、段差や坂の始まりを上手く切り抜けるドライビングテクニックがあります。身の回りにそういう人がいるなら、聞いてみて下さい。