【LEXUS・ISF】レクサス初のFシリーズ!公道に潜んだレーシングマシンの正体とは?

トヨタ自動車の高級ブランドといえば「レクサス」です。レクサスは海外のプレミアムブランドに対抗するため、車両も従来の国産車では考えられないほど贅沢であったり、スポーツ性が高かったりと、とにかくハイスペックです。レクサス車のスポーツ性の高さのイメージリーダーは「レクサス・LFA」ですが、世に広めたのは F シリーズです。その F シリーズ第1号が今回ご紹介する「レクサス・IS F」です。

「LEXUS・IS F」とは?

レクサス・IS F “Dynamic-Sport-Tuning”
外装色は「ホワイトノーヴァガラスフレーク」
「レクサス・IS F」は、トヨタ自動車が2007年から2014年にかかて製造・販売していた車両です。トヨタ自動車の高級車ブランド、レクサス店で販売されている中型セダン、2代目「レクサス・IS」をベースに製造されたスポーツセダンです。



「LEXUS・IS F SPORT」とは別物!

レクサス・IS 250C “F-SPORT”
外装色は「レッドマイカクリスタルシャイン」 2代目「レクサス・IS」には2010年8月より、F SPORTが追加されました。どちらも同じFを名称に戴いていますが、中身は全くの別物です。では、どの点が違うのか? 「レクサス・IS F」に装備・搭載されていた「IS F 専用アイテム」をご紹介しながら比較してみましょう。

「IS F」専用メカニズム

F 専用エンジン【2UR-GSE】

トヨタ自動車とヤマハ発動機が共同開発した、F 専用エンジン「2UR-GSE」型V型8気筒DOHC 現在でも改良を受けながら、F シリーズに搭載され続けている専用エンジンが「2UR-GSE」型V型8気筒5,000cc エンジンです。トヨタ自動車にとって、エンジン型名でハイフンの後に「G」が付くのは、スポーツエンジンの証です。さらに長いトヨタ自動車の歴史の中で、「G」が名づけられたはじめてのV型エンジンであり、4,000cc以上の大排気量エンジンでも初です。

「2UR-GSE」型エンジンは、「レクサス・LS」に搭載されている「2UR-FSE」型エンジンをベースに、サーキット走行をこなす能力を備えるため、トヨタ自動車とヤマハ発動機が共同開発しました。両社のコラボエンジンといえば、「トヨタ・2000GT」に搭載されていた「3M」型や、1990年代にソアラ、スープラ、マークII 3兄弟に搭載されていた「1JZ-GTE」型を彷彿とさせます。

サーキット走行対応を考えると、通常の走行シーンではそうないのは高速での旋回です。高速ので旋回時、エンジン内を流れるオイルは旋回G によって逆流し、エンジン各所を動作させる油圧が低下することがあります。それを防ぐために強制的にオイルを回収するスカベンジポンプを採用しています。また高回転を多用するサーキット走行を重視した結果、吸・排気弁をハイリフト化し、吸気バルブをチタン製にしています。さらに高速で動作する吸・排気弁を支える各部品も高剛性化しています。さらに吸気ポートを高流量仕様に変更し、アクセル操作に対する機敏なレスポンス、高回転まで一気に吹け上がり、官能的なエンジンサウンドを奏でるレーシングエンジンに近い仕様となっています。これらのメカニズムが発生する最高出力は423PS、最大トルクは51.5kgf・mとなり、スペックもレーシングエンジンに近いものがあります。

一方、F SPORT に搭載されるエンジンは 2,500ccの「4GR-FSE」型、3,500ccの「2GR-FSE」型でした。エンジン型式のハイフンの次に「実用型エンジン」を意味する「F」、その次には「燃焼効率追及型エンジン」を意味する「S」が付けられ、実用性に優れた燃費重視のエンジンであることを意味します。つまり、スポーツエンジンが搭載されておらず、「レクサス・IS F」との大きな違いとなります。

F 専用トランスミッション【8-Speed SPDS】

フェラーリ・599GTBフィオラノと同等の変速スピードを持つ「8-Speed SPDS」
画像はレクサス・IS F “Dynamic-Sport-Tuning” の室内 トランスミッションは「レクサス・LS」や「レクサス・GS」に搭載されている8速ATをベースに開発された「8-Speed SPDS」を搭載しています。「レクサス・IS F」用に独自のチューニングが施されています。
通常のATはトルクコンバーターオイルを介してエンジンの回転力を伝えますが、「8-Speed SPDS」ではメカニカルに伝達します。また、シフトダウン時には瞬時にエンジン回転数を同期させるブリッピング・コントロールが採用されており、これによりフェラーリ・599GTBフィオラノと同等の「変速スピード0.1秒」を実現しています。

「レクサス・IS F」の「8-Speed SPDS」に対し、F SPORT ではマニュアル6速ミッションと通常のトルクコンバーターオイルを利用した6速ATが採用されています。フェラーリと対等のミッションとは、言い難いですね。

「Brenbo」「BBS」と共同開発した F 専用ブレーキ&ホイール

レクサス・IS F “Dynamic-Sport-Tuning”
外装色は「ホワイトノーヴァガラスフレーク」 高出力エンジンを擁する「レクサス・IS F」をサーキットで思いっきり、意のままに走らせる。そのためには足廻り、特にブレーキは重要です。サーキットで周回を重ねても、フェードしにくいブレーキシステム。トヨタ自動車はイタリアの名門ブレーキシステムメーカー「Brenbo(ブレンボ)」社と、 F 専用ブレーキシステムを共同開発しました。
放熱効果の高いスパイラルフィン式のドリルドローターは、フロント360φ、リア345φの大径サイズです。フロントに対向6ポッド、リヤに対向2ポッドのアルミモノブロックキャリパーを採用しました。このキャリパーは標準では黒く塗装されていますが、オプションではオレンジに塗装され、これがまた、カッコいいのです! ブレーキパッドには高摩擦対応で、F 専用品です。

ブレーキの性能を生かすためには、ブレーキが収まるホイールにも妥協できません。効率よくブレーキで発生した熱を排出しないと、フェードにつながります。トヨタ自動車はF1でパートナーを組むBBSと専用の19インチ軽量鍛造アルミホイールを共同開発しました。ブレーキの排熱を走行中に効率良く行えるよう、デザインはフィン状になっています。またブレーキの効果的な排熱処理のため、アルミホイールの回転方向が指定されています。また前後で異なるサイズのタイヤを履いていることもあり、前後左右でタイヤのローテーションができないのも特徴です。タイヤの交換費用が大変そうですね。

一方 F SPORT では、アルミホイールのデザイン形状は近いものがあり、タイヤも前後で異なるサイズですが、ブレーキは通常の4輪ベンチレーテッドディスクです。ルックス重視感が否めませんね。



「IS F」専用エクステリアパーツ

「レクサス・IS F」に装着される専用エクステリアパーツは、ダミーではなく機能と性能を追求したデザインとなっています。そのデザインモチーフは F シリーズの頂点である「レクサス・LFA」です。

専用エアロバンパー&大型エアインテーク

レクサス・IS F “Dynamic-Sport-Tuning”
外装色は「ホワイトノーヴァガラスフレーク」 フォグランプがビルトインされた大型エアインテークを備えた専用大型エアロバンパー。エアインテークの形状が「レクサス・LFA」に似ています。

専用エアアウトレット付フェンダーパネル

レクサス・IS F “Dynamic-Sport-Tuning”
外装色は「ホワイトノーヴァガラスフレーク」 フロントフェンダー後部に設置されたエアアウトレットは、大パワーを発生する専用エンジンから発せられる熱を、エンジンルームから排出するためのものです。決してダミーではありません。また、エアアウトレットの切り裂き形状は、「レクサス」の「L」の形状をモチーフにしています。

専用アンダーパネル

レクサス・IS F “Dynamic-Sport-Tuning”
外装色は「ホワイトノーヴァガラスフレーク」 高速走行で、リヤが揚力によって持ち上げられないように、車体底面をアンダーパネルで保護しています。これにより空気の流れを整え、ダウンフォースを発生させやすくします。FR車である「レクサス・IS F」の後輪を高速走行でも路面に密着させ、効率よく駆動力を伝達します。もちろん、アンダーパネルの素材は F ならではのカーボンです。

専用エキゾーストディフューザー&4連マフラー

レクサス・IS F “Dynamic-Sport-Tuning”
外装色は「ホワイトノーヴァガラスフレーク」 「レクサス・LFA」のマフラーはエキゾーストディフューザーに包まれ、センター出しの3連でした。これをモチーフとし、「レクサス・IS F」ではエキゾーストディフューザーに包まれた2本出しマフラーを左右に設置し、合計4連マフラーとしています。

「IS F」専用インテリアパーツ

レクサス・IS F “Dynamic-Sport-Tuning” の室内
「レクサス・IS F」ではサーキット走行にも耐えられるよう、サイドサポートが大きく張り出した「IS F 専用シート」を全席に装備しています。そのため、「レクサス・IS」では5名だった乗車定員が4名へと変更になっています。

センターコンソールやダッシュボードにはカーボン調素材を使用し、ステアリングホールやシートのヘッドレストに F エンブレムを刻印し、「レクサス・IS」との差別化を図っています。

スピードメーターは300km/hまで表示されるフルスケールメーターを装備していますが、「レクサス・LFA」に見られる大径タコメーターを中心としたレイアウトではありませんでした。

結論!FとF SPORTの違い

「レクサス・IS F」はサーキット走行を前提として開発されています。そのため、通常の市販車では採用されないようなメカニズムを搭載し、さながらレースマシンに近い内容となっています。外装のエアロパーツも気流を整え、高速走行時の安定性を確保するためのものとなっています。

それに対し、F SPORT は、インテリア、エクステリアには「レクサス・IS F」のデザインを取り込んでいますが、エンジンやブレーキなどのメカニズムはノーマルの「レクサス・IS」と変わりありません。

本格的にサーキット走行を楽しみたい方は「レクサス・IS F」が良いですね。ただし、燃費を含め維持費が相当かかります。普段は家族で使用、でも雰囲気だけでもスポーティーに、という方は「レクサス・IS F SPORT 」ですね。エンジンは燃費重視の実用型エンジンなので、市街地で乗りやすくお財布にも優しいですね。

「LEXUS・IS F」カタログスペック・燃費・価格

レクサス・IS F
外装色はエクシードブルーメタリック ※カッコ()内は「レクサス・IS350」との比較です。

車両型式 DBA-USE20
駆動方式 FR
乗車定員 4名(-1名)
車両重量 1,690kg(+90kg)

【車両寸法】
全長 4,660mm(+75mm)
全幅 1,815mm(+20mm)
全高 1,415mm(-15mm)
ホイールベース 2,730mm
トレッド(前) 1,560mm(+25mm)
トレッド(後) 1,515mm(-20mm)
最小回転半径 5.1m

【室内寸法】
全長 1,855mm
全幅 1,475mm
全高 1,165mm

【走行メカニズム】
変速機 8-Speed SPDS(電子制御式8速AT)
ステアリング パワーアシスト付ラック&ピニオン
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン(スタビライザー付)
サスペンション(後) マルチリンク(スタビライザー付)
ブレーキ(前) ベンチレーテッドディスク・対向6ポッドキャリパー
ブレーキ(後) ベンチレーテッドディスク・対向4ポッドキャリパー
タイヤサイズ(前) 225/40R19 89Y
タイヤサイズ(後) 255/35R19 92Y

【エンジン】
型式 2UR-GSE
種類 V型8気筒DOHC
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン
内径 94.0mm
行程 89.5mm
総排気量 4,968cc
圧縮比 11.8
最高出力 423ps / 6,600rpm
最大トルク 51.5kgf・m / 5,200rpm
燃料タンク容量 64L
燃料消費率 8.2km / L ※JC08モードによる国土交通省審査値

【車両価格】
ベースグレード 7,660,000円
※2007年12月発売モデルの価格です。

「LEXUS・IS F」の中古車事情は?

レクサス車の中古車ならば、レクサスCPOプログラムで探すのが一番安心できます。というのも、

●レクサス品質を維持するため、納車前に12ヵ所をぶひんこうかんし、90カ所以上を点検整備します
●中古車を購入してから最初の車検の前日まで2年間、CPOメンテナンスプログラムが受けられます
●G-Linkも2年間無料で利用できます。もちろん、レクサスオーナーズデスクも、です。

ハード面では、大抵の中古車屋さんでも問題はありませんが、ソフト面のサービスがレクサス店ならではです。
そんなレクサスCPOで、「レクサス・IS F」の中古車を検索してみたら、2016年2月現在、2車登録されていました。
7年落ちで走行距離22,000kmと52,000kmです。どちらも過走行というほどではありません。また、実車を見てみないと確かなことはいえませんが、メカニズム的にはまだアタリがついていないかもしれません。これから乗り込んでいくことで、さらに部品の精度も上がり、気持ち良く走れるクルマになると思われます。 F 専用エンジン「2UR-GSE」に乗ってみたいのなら、価格的にも買いです! お買い得感が高いです! 出典: http://cpo.lexus.jp/cposearch/detail.aspx?StoreCode=08501&CarNo=02%2095084&RefererListFlag=1&SearchFlg=2&Model=&LexusCarName=IS+F&Grade=&PriceRange=0&MYearMin=&MYearMax=&MileageRange=&BodyColor=&Engine=&DriveSystem=&MopCode=&LeatherSeat=&MoonRoof=&HvGuaDiv=&ManyModels=&PriceRangeL=&PriceRangeH=&RlStoreCode=&ShopCode=&SortRow=2&SortAD=2&PriceSortAD=2&PageNo=1&FairTargetFlg=0
レクサス・IS F
年式 2009(H21)
走行距離 52,000km
本体価格 418.0万円(消費税込み)
出典: http://cpo.lexus.jp/cposearch/detail.aspx?StoreCode=14801&CarNo=20%2020465&RefererListFlag=1&SearchFlg=2&Model=&LexusCarName=IS+F&Grade=&PriceRange=0&MYearMin=&MYearMax=&MileageRange=&BodyColor=&Engine=&DriveSystem=&MopCode=&LeatherSeat=&MoonRoof=&HvGuaDiv=&ManyModels=&PriceRangeL=&PriceRangeH=&RlStoreCode=&ShopCode=&SortRow=2&SortAD=2&PriceSortAD=2&PageNo=1&FairTargetFlg=0
レクサス・IS F
年式 2009(H21)
走行距離 22,000km
本体価格 450.0万円(消費税込み)

【まとめ】現在の F シリーズの礎となった【LEXUS・IS F】

レクサス・IS F “Dynamic-Sport-Tuning”
外装色はスターライトブラックガラスフレーク 「レクサス・IS F」のまとめ、いかがでしたでしょうか。外観はノーマルの「レクサス・IS」と余り変わらないものの、中身は「レクサス・LFA」からフィードバックされたメカニズム満載で、まさに現代版「羊の皮を被った狼」ですね。

レクサス史上、はじめて市販された F シリーズが「レクサス・IS F」です。エンジンの最高出力が現在のものより1割以上低かったり、外観に「レクサス・LFA」を想起させるデザインが少ないのは、まだ F シリーズとして試行錯誤の段階だったからかもしれません。「レクサス・IS F」と「レクサス・LFA」の成功があったからこそ、次の「レクサス・RC F」、「レクサス・GS F」、「F SPORT」と F シリーズが展開されているのです。「レクサス・IS F」は F シリーズのまさに礎を築きました。