「ハコスカ」こそが櫻井眞一郎氏理想のスカイライン!ハコスカご紹介します!

2代目スカイラインが1964年の日本グランプリで1周だけですが、ポルシェを抑えて先頭に立ちました。その瞬間からスカイラインは「羊の皮を被った狼」と称され、外観は普通のセダンなのに、走行性能は外国のスポーツカーにもひけをとらない玄人好みの車となります。このコンセプトを具現化したのが3代目スカイライン「ハコスカ」です。

3代目スカイライン、通称「ハコスカ」とは?

出典: http://www2.nissan.co.jp/SKYLINE/HISTORY/car_3rd.html
日本を代表する自動車の1つとして「スカイライン」を挙げても、異を唱える方はそうはいらっしゃらないでしょう。初代モデルから数えて、現在13代目、今年で58年目という長い歴史を誇ります。初代スカイラインはプリンス自動車工業で開発された小型自動車ですが、プリンス自動車工業が日産自動車に吸収合併されても、モデル廃止にはならなかった当時からの人気車です。
スカイラインの生みの親といえば櫻井眞一郎氏であることは有名です。その櫻井氏が一番の傑作と称したスカイラインが3代目C10型、通称「ハコスカ」です。



ハコスカのモデルライフ

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3
C10型スカイライン エステート 【1968年】
8月にハコスカは発売されました。車名に「プリンス」と表記されず「日産スカイライン」となった初のモデルです。発売開始当初はプリンス自動車工業で開発された直列4気筒OHC1,500ccG15型エンジン搭載車のみでした。ボディタイプはセダン、ステーションワゴンボディの「エステート」、商用車の「バン」が用意され、発売当初のハコスカはファミリーカー路線でした。

10月に日産自動車で開発された直列6気筒OHC2,000ccL20型エンジン(シングルキャブ仕様)を搭載した2000GT(GC10型)が登場しました。C10型は2代目スカイライン(S5型)とは異なり、4気筒エンジンをショートノーズボディに、6気筒エンジンをロングノーズボディに搭載するよう配慮された設計とデザインが施されていました。そのため、6気筒エンジン搭載にあたり、S5型のように前部バルクヘッド直前を200mm延長というような荒業を駆使する必要がありませんでした。

【1969年】
8月にプリンス自動車工業で開発され、ローレルに先行搭載され評判を得ていた直列4気筒OHC1,800ccG18型エンジン搭載車(PC10型)が登場します。同時に1,500ccエンジン搭載車がマイナーチェンジを受け、外観の細部が変更となっています。このマイナーチェンジから「愛のスカイライン」のCMキャンペーンがスタートし、C10型スカイラインはファミリーカー路線からデートカー路線へと変更されます。この路線は商業的には大成功で、次世代の4代目「ケンメリ」スカイライン(C110型)に引き継がれます。

10月に2000GTシリーズをマイナーチェンジし、一部内外観の意匠が変更されました。

【1970年】
6月に2000GTにニッサンマチック・3速ATを追加発売しました。

10月に従来車をマイナーチェンジし、2ドアハードトップモデル「1800(KPC10型)」「2000GT(KGC10型)」を追加しました。

【1971年】
9月にマイナーチェンジを行います。内外装の一部の意匠が変更され、直列4気筒エンジンのG15型とG18型が改良を受け、G15型は88PSから95PS、G18型は100PSから105PSへと出力向上を果たしました。直列4気筒搭載4ドアセダンと2ドアハードトップに新グレードが設定されました。
更に2ドアハードトップに豪華仕様の「2000GT-X」を追加設定しました。

【1972年】
3月に4ドアセダンにも「2000GT-X」が追加発売されました。

5月に2000GT系がマイナーチェンジを受け、5MTが標準装備になりました。

9月に4代目スカイライン(C110型)へモデルチェンジを行い、3代目「ハコスカ」スカイライン(C10型)はモデルライフを終えます。

3代目「ハコスカ」ノーマルモデル主要諸元

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3
C10型スカイライン 4ドアセダン 1500デラックス

GC10型4ドアセダン主要諸元

3代目スカイライン 4ドアセダン 2000GT

・車両形式名 GC10

【ボディサイズ】
・全長 4,400mm
・全幅 1,595mm
・全高 1,390mm
・ホイールベース 2,640mm
・トレッド前 1,325mm
・トレッド後 1,320mm
・車両重量 1,095kg
・乗車定員 5人
・駆動方式 FR

【エンジン】
・エンジン形式 L20型
・トランスミッション フロア4MT
エンジンの主要諸元については、後述します。

【タイヤ】
・タイヤサイズ 6.45S-14-4PR

【ブレーキ】
・ブレーキ前 ディスク式
・ブレーキ後 ドラム式

【サスペンション】
・サスペンション前 マクファーソンストラット
・サスペンション後 リーフリジッド/セミトレーリングアーム

KGC10型2ドアハードトップ主要諸元

3代目スカイライン 2ドアハードトップ 2000GT-X

・車両形式名 KGC10

【ボディサイズ】
・全長 4,330mm
・全幅 1,595mm
・全高 1,375mm
・ホイールベース 2,570mm
・トレッド前 1,325mm
・トレッド後 1,320mm
・車両重量 1,115kg
・乗車定員 5人
・駆動方式 FR

【エンジン】
・エンジン形式 L20型
エンジンの主要諸元については、後述します。

【タイヤ】
・タイヤサイズ 6.45S-14-4PR

【ブレーキ】
・ブレーキ前 ディスク式
・ブレーキ後 ドラム式

【サスペンション】
・サスペンション前 マクファーソンストラット
・サスペンション後 セミトレーリングアーム



「ハコスカ」搭載エンジン主要諸元

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BBL%E5%9E%8B%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
L20型エンジン 3代目「ハコスカ」スカイライン(C10型)のノーマルモデルに搭載されたエンジンは、以下の通りです。

・G15型
・G18型
・L20型

G15型エンジン

G15型はプリンス自動車工業が開発したエンジンで、生粋のプリンス自動車工業のモデルであった2代目スカイラインにも採用されており、クロスフロー燃焼室、5ベアリング仕様の高速型設計を採用し、当時の日本製エンジンとしては進歩的であり、その完成度の高さに定評があるエンジンでした。

・エンジン種類 OHC
・気筒数 4気筒
・内径 82.0mm
・行程 70.2mm
・総排気量 1,483cc
・最高出力(グロス) 88PS/6,000rpm
・最大トルク(グロス) 12.2kgm/4,000rpm

G18型エンジン

G15型エンジンのメカニズムそのままにボアとストロークを拡張したエンジンです。ローレルの初代モデル(C30型)と2代目モデル(C130型)に搭載されました。

・エンジン種類 OHC
・気筒数 4気筒
・内径 85.0mm
・行程 80.0mm
・総排気量 1,815cc
・最高出力(グロス) 105PS/5,600rpm
・最大トルク(グロス) 15.0kgm/3,600rpm

L20型エンジン

L20型エンジンはスカイライン2000GTシリーズに搭載されました。搭載モデル、発売時期により数種類のL20型エンジンを搭載していました。C10型スカイラインに搭載されたL20型は以下の通りです。

・L20(初期型シングルキャブ仕様)
・L20(改良型シングルキャブレギュラーガソリン仕様)
・L20(改良型シングルキャブハイオクガソリン仕様)
・L20(SUツインキャブレギュラーガソリン仕様)
・L20(SUツインキャブハイオクガソリン仕様)

・エンジン形式 L20型
・エンジン種類 OHC
・気筒数 6気筒
・総排気量 1,998cc

【初期型シングルキャブ仕様】
・最高出力(グロス) 105PS/5,200rpm
・最大トルク(グロス) 16.5kgm/4,400rpm

【改良型シングルキャブレギュラーガソリン仕様】
・最高出力(グロス) 115PS/5,600rpm
・最大トルク(グロス) 16.5kgm/3,600rpm

【改良型シングルキャブハイオクガソリン仕様】
・最高出力(グロス) 120PS/5,600rpm
・最大トルク(グロス) 17.0kgm/3,600rpm

【SUツインキャブレギュラーガソリン仕様】
・最高出力(グロス) 125PS/6,000rpm
・最大トルク(グロス) 17.0kgm/4,400rpm

【SUツインキャブハイオクガソリン仕様】
・最高出力(グロス) 130PS/6,000rpm
・最大トルク(グロス) 17.5kgm/4,400rpm

「ハコスカ」エピソード

大人のためのデートカーだった2000GT-X

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3
スカイライン2000GT-X 2代目スカイラインが第2回日本グランプリでポルシェにも負けない卓越した走行性能を見せました。一方、3代目スカイライン(C10型)にモデルチェンジしてからは、「愛のスカイライン」をキャッチコピーに多くのカップルに支持されました。
走りが良くて、愛する男女のデートにも使用できる快適性と豪華さを高次元で両立、実現したモデルが1972年に追加設定されたスカイライン2000GT-Xです。

ノーマルの2000GT系と共通の足回りに、既にフェアレディZに採用され実績をあげていたSUツインキャブレターを搭載したスポーツ仕様のL20型直列6気筒OHCエンジンを搭載し、スポーツ性の高さをアピールしていました。

シートはサイドに合成皮革を採用し、中央部にはグレーのクロス張りが施されていました。内装は黒とグレーのツートンとなりスパルタンなスポーツイメージにシックさを加えました。運転席周りには木目パネルが使用され、シックな内装と合わせて大人の雰囲気を醸し出しています。快適装備ではパワーウインドウも装備されました。

フロントフェンダーにはゴールドと白のGTバッジ(通称「金バッジ」)が装着され、ホイールカバー中央部もゴールドになっていました。今までエンブレムバッジは通常の2000GT系の青とGT-Rの赤でした。金は従来モデルとは一線を画す存在であることを控えめにアピールしており、2000GT-Xの豪華さと快適性の象徴でした。

2000GT-Xにはオートマチックトランスミッション車が設定されました。オートマ搭載車のリアには「NISSAN FULLSUTO MATIC」のエンブレムが装着されていました。まだオートマ車が珍しかった時代ならではのエンブレムですね。

3代目が初代!量産型スカイラインクーペ

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3
幻のR21B型スカイライン・スポーツ。初代スカイラインに設定されていました。 量産車としてのスカイラインクーペの歴史は3代目の「ハコスカ」から始まりました。1968年7月にデビューしたハコスカは、最初は1,500ccのセダンのみという展開でした。セダンのデビューから遅れること約2年、「2ドアハードトップ」の名称でクーペモデルが市販されます。
Bピラーを廃止し、後部座席のフットクリアランスを短縮したことで、4ドアセダンと比べて、ホイールベースを70mm短縮し、クーペらしい流麗なフォルムを実現しています。

ちなみに、スカイラインの名を持つ最初のクーペは、1960年のトリノショーに参考出品され、1962年に正式発売された「スカイラインスポーツ(BLRA-3)」です。スカイライン1900をベースにミケロッティがデザインしたボディを架装していました。価格は当時では驚きの185万円。4ドアセダンの1.5倍の価格で、量産車とは言い難いワンオフカーの趣きでした。

プリンスと日産の合作だった「ハコスカ」

「ハコスカ」発売開始の2ヵ月後、1968年10月に直列6気筒のL20型エンジンを搭載した2000GTが登場します。L型エンジンは1985年にRB型が登場するまでのおよそ20年に渡り、日産自動車の高級車に搭載された屋台骨ともいえる純日産製エンジンです。それに対し、1,500ccモデルに搭載されたG15型エンジンと1,800ccモデルに搭載されたG18型エンジンはプリンス自動車工業で開発された純プリンス製エンジンです。
「ハコスカ」の開発自体は、合併前からプリンス自動車工業で行われていましたので、基本エンジニアリングはプリンス自動車工業の技術、2,000ccのL20型エンジンは日産自動車の技術、と日産とプリンスの合併を象徴するモデルとなりました。
現行スカイライン(V37型)の200GT-tでは、提携先のダイムラーより供給される2,000ccターボエンジンを搭載しています。グローバルに部品調達を行う日産自動車の車づくりは、パーツの供給メーカーにその分野のスペシャリティ企業を選定しようとしています。その発想の発端にもなったのでは?と思わせるのが「ハコスカ」のエンジニアリングです。

「ハコスカ」からはじまった「あの」デザイン

「ハコスカ」の外観上の特徴は、今も人気の高いサーフィンラインです。このサーフィンラインは1970年10月に登場した2ドアハードトップにもデザインされました。
サーフィンラインはC110型「ケンメリ」、C210型「ジャパン」にも採用され、丸形4灯リアコンビランプと並ぶ、スカイライン伝統のアイデンティティとなります。

PGC10/KPGC10型GT-Rとは?

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3GT-R
KPGC10型GT-R プリンス自動車工業との合併を終えた1969年(昭和44年)2月に「スカイラインGT-R」が4ドアセダンボディを纏って誕生しました。車両形式名は「PGC10型」です。
「スカイラインGT-R」は、日産自動車とプリンス自動車工業の技術を結集したスペシャルな1台でした。エンジンはプリンス自動車工業で開発されたプロトタイプレーシングカー「プリンスR380」に搭載されたGR8型エンジンの設計ノウハウを生かし、市販車に必要な耐久性を持たせて再設計されたS20型が搭載されました。S20型は量産車としては世界初の6気筒24バルブDOHCでした。最先端技術を惜しみもなく投入したS20型エンジンは、当時としては驚異的な性能を叩き出しました。

ツーリングカーレースのために生まれたスカイラインGT-Rは発売から3か月後のJAFグランプリでデビューウインを飾ります。1970年(昭和45年)10月には4ドアセダンから2ドアハードトップへとボディが変更になります。2ドアハードトップの車両形式名は「KPGC10型」です。
ボディを2ドアハードトップとしたことでホイールベースを短縮し、更に戦闘力を向上させたスカイラインGT-Rは1972年(昭和47年)3月には50勝を達成しました。同年10月のワークス活動休止までに、スカイラインGT-Rは通算52勝、うち49勝は連勝という記録を打ち立て、スカイラインGT-Rの人気は不動のものとなりました。

プロトタイプレーシングカー「R380」とは?

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BBR380
プロトタイプレーシングカー「プリンスR380」 1964年(昭和39年)に開催された第2回日本グランプリで、プリンス自動車工業が開発した「スカイライン2000GT」は1周だけポルシェ904の前を走って観客から喝采を浴びたものの、優勝はできませんでした。スカイライン2000GTが市販の4ドアセダンの改造車だったのに対し、ポルシェ904は本格的なレーシングマシンとして作られたモデルだったことが原因の1つとして挙げられます。
ポルシェに負けた悔しさから、櫻井眞一郎氏率いるプリンス自動車工業開発陣はプロトタイプレーシングカー「プリンスR380」を開発しました。最初のR380である「R380-I」が誕生したのは1968年(昭和40年)6月でした。1963年(昭和41年)、「R380-I」は改良を受け、「R380A-I」となり第3回日本グランプリで優勝しました。

同年、プリンス自動車工業は日産自動車に吸収合併されましたが、R380は車名を「日産プリンスR380」に変更して継続使用されました。

1967年(昭和42年)5月にはデザインを変更した「R380A-II」へと発展し、車名からプリンスの名前が取れて「日産R380-II」となりました。同年10月には高速走行時のリフトを抑制するためにフロント先端を尖った形状に変更した「R380A-II改」が登場しました。当時茨城県谷田部町にあった自動車高速試験場で、一定距離での平均速度を競う世界速度記録に挑戦し、50km・50マイル・100km・100マイル・200km・200マイル・1時間の7項目の世界記録を樹立しました。

そして1968年(昭和43年)5月には外観とエンジンを改良した「R380A-III」、10月には「R380A-III改」となり、日産自動車がプロトタイプレーシングカーでのレース活動を休止する1970年(昭和45年)9月まで使用されました。

【日産 R380A-II改 主要諸元】
全長 4,060mm
全幅 1,685mm
全高 980mm
ホイールベース 2,360mm
トレッド前 1,424mm
トレッド後 1,372mm
車両重量 590kg
サスペンション前 ダブルウィッシュボーン
サスペンション後 ラジアスアーム(上:Iアーム、下:逆Aアーム)
ブレーキ ガーリング社製4輪ディスク
タイヤ 550L-15/650L-15
トランスミッション ZF社製5速マニュアルミッション

【エンジン主要諸元】
エンジン名 GR8
エンジン形式 直列6気筒DOHC24バルブ
総排気量 1,996cc
最高出力(グロス) 220PS/8,500rpm
最大トルク(グロス) 20.0kgm/7,200rpm
燃料供給装置 キャブレター(ウェーバー社製40DCOE x 3基)

PGC10/KPGC10型GT-Rモデルライフ

【1969年】
2月に初代GT-R(PGC10型)が発売されます。いわゆる「前期型」で4ドアセダン2000GTをベースに、プリンス自動車工業で開発された直列6気筒DOHC24バルブ2,000ccのS20型エンジンが搭載されました。

10月にマイナーチェンジを行い、一部内外観の意匠が変更されました。

【1970年】
10月にGT-Rの4ドアセダンが廃止され、2ドアハードトップにボディタイプが変更されます。いわゆる「後期型(KPGC10型)」です。S20型エンジンにブローバイガス還元装置が装着され、同時にレギュラーガソリン仕様も設定されました。
KPGC10型GT-Rより、第1期GT-Rシリーズのアイデンティティとなるオーバーフェンダーが採用されます。リアにリベット止めされ、レース用の幅広タイヤを履くために、スカイラインのデザインの特徴であるサーフィンラインを断ち切る形で装着され、2000GT系とは異なるGT-Rならではの迫力を感じさせました。

【1972年】
9月に4代目スカイライン(C110型)へモデルチェンジを行い、3代目「ハコスカ」スカイライン(C10型)の生産終了に伴い、KPGC10型GT-Rの生産が終了します。生産台数は4ドアセダン(PGC10型)が832台、2ドアハードトップ(KPGC10型)が1,197台でした。

PGC10/KPGC10型GT-R主要諸元

PGC10型GT-R主要諸元

初代スカイラインGT-R 4ドアセダン

・車両形式名 PGC10

【ボディサイズ】
・全長 4,395mm
・全幅 1,610mm
・全高 1,385mm
・ホイールベース 2,640mm
・トレッド前 1,370mm
・トレッド後 1,365mm
・車両重量 1,120kg
・乗車定員 5人
・駆動方式 FR

【エンジン】
・エンジン形式 S20型
エンジンの主要諸元については、後述します。

【タイヤ】
・タイヤサイズ 6.45S-14-4PR

【ブレーキ】
・ブレーキ前 ディスク式
・ブレーキ後 ドラム式

【サスペンション】
・サスペンション前 マクファーソンストラット
・サスペンション後 セミトレーリングアーム

【走行性能】
・最高時速 200km
。0→400m 16.1秒

KPGC10型GT-R主要諸元

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3GT-R
KPGC10型GT-R 初代スカイラインGT-R 2ドアハードトップ

・車両形式名 KPGC10

【ボディサイズ】
・全長 4,330mm
・全幅 1,655mm
・全高 1,370mm
・ホイールベース 2,570mm
・トレッド前 1,370mm
・トレッド後 1,365mm
・車両重量 1,100kg
・乗車定員 5人
・駆動方式 FR

【エンジン】
・エンジン形式 S20型
エンジンの主要諸元については、後述します。

【タイヤ】
・タイヤサイズ 165SR14

【ブレーキ】
・ブレーキ前 ディスク式
・ブレーキ後 ドラム式

【サスペンション】
・サスペンション前 マクファーソンストラット
・サスペンション後 セミトレーリングアーム

S20型エンジン主要諸元

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%94%A3%E3%83%BBS20%E5%9E%8B%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
S20型エンジン(KPGC10型GT-R搭載時) ・エンジン種類 DOHC
・気筒数 6気筒
・内径 82.0mm
・行程 62.8mm
・総排気量 1,989cc

【ハイオクガソリン仕様】
・最高出力(グロス) 160PS/7,000rpm
・最大トルク(グロス) 18.0kgm/5,600rpm

【レギュラーガソリン仕様】
・最高出力(グロス) 155PS/7,000rpm
・最大トルク(グロス) 17.6kgm/5,600rpm

PGC10/KPGC10型GT-Rエピソード

S20型エンジンの排気系に高出力の理由が!

ハコスカGT‐Rのエキゾーストパイプは、前3気筒、後ろ3気筒ずつの3 IN 1が2系統ありました。それぞれが独立したまま、互いに干渉することなくデュアルマフラーで車外に排気ガスを排出していました。

エキゾーストパイプを3気筒ずつまとめた理由は、排気効率の追求です。S20型は4サイクルエンジンで、クランクシャフトが2回転することでようやく、1つのオットーサイクルをこなします。このため、3気筒の排気は常に行われるわけではなく、最低どこか1つずつ行われます。次々と排気するシリンダーを3 in 1のエキゾーストパイプでまとめることで、基本的には停滞しやすい排気を、常に後から排気ガスを排出することにより安定した流速を確保し効果的に排気を行いました。これにより、燃焼室内での高効率な燃焼を得られ、S20型エンジンは当時の市販車としては驚異的な高出力を生み出しました。

デュアルマフラーの採用理由は、低速から高速までフラットなトルクカーブを得ることでした。マフラーの直径や長さは、エンジンの出力特性や回転数に影響します。低中速中心の日常用途から週末の高速ドライビング、サーキット走行と幅広い用途を想定されたS20型エンジンは、すべての用途に満足できるマフラー形状を模索した結果、デュアルマフラーとなりました。

レースに不要な装備はすべてオプション

ハコスカGT-RはPGC10型、KPGC10型ともにレースに不必要な装備は、すべてオプションでした。
快適装備ではラジオ、ヒーター、時計、シガーライターがオプションでした。オプションでラジオはアンテナとセットオプションでした。そのため、ラジオレス車両にはラジオアンテナすら装着されておらず、購入後、アフターパーツでラジオを装着する際、アンテナの設置が必要でした。
安全装備では助手席ヘッドレスト、助手席3点式シートベルトがオプションでした。現在なら市販化認証が得られないほど、安全装備が簡略化されています。

GT-Rマニアは「ハコスカ」とは呼ばない!

ハコスカの車両型式にはルールがあります。
ベースグレードの4ドアセダン1,500ccが「C10」。
ミドルグレードの4ドアセダン1,800ccが「PC10」。
2000GT系の4ドアセダンが「GC10」。
GT-Rが「PGC10」。
2ドアハードトップはそれぞれの車両形式の頭に「K」がつきます。

よって、GT-R後期型は2ドアハードトップなので「KPGC10」となります。
もし、GT-Rマニアの方とお話しすることがあれば、

「ハコスカGT-Rのクーペ、最高ですよね!」

ではなく、

「KPGC10、最高ですよね!」

と言ってみましょう。
更にマニアックな話題に引きずり込まれること、請け合いです。

GT-R人気の証!GT-R仕様にドレスアップ!

C10型スカイラインで初登場し大人気となった「サーフィンライン」ですが、KPGC10型GT-Rでは幅広のレーシングタイヤを履かせるため、後輪タイヤアーチに装着されたリアフェンダーにより寸断されています。このカットされたサーフィンラインがGT-Rの高性能と迫力を大胆にアピールし、マニア垂涎の的となりました。
しかし、大卒初任給の月額平均が1万5,000円だった時代に、GT-Rは税込み年収8年分に相当する150万円の高額車です。現代なら大卒初任給月額20万とすれば、2,000万円です!ポルシェ911ぐらいの価値になります。
あまりの高額車のため、ノーマルの2000GT系にリア大型フェンダーをとりつけるドレスアップが流行し、いわゆる「R仕様」が多くのユーザーにより制作されました。

ホイールベースが2,570mmに決まった理由

C10型スカイラインの2ドアハードトップのホイールベースは2,570mmで、4ドアセダンに対して70mm短縮されています。これは設計の際に、当時最新のコンピューターを使ってホイールベースやギヤ比を設定し、当時の富士スピードウェイのバンク付き6kmフルコースのラップタイムで2分を切るために導き出した数値であると言われています。
事実、レース車両をPGC10型GT-RからKPGC10型GT-Rに変更したことにより、当時参戦していたツーリングカーレースでの戦闘力が向上し、49連勝+1勝の合計50連勝を達成しました。コンピューターの計算通り、ホイールベースの短縮がサーキットでの運動性能を高めたのです。
KPGC10型GT-Rがレースで勝つためだけに生まれてきた、ということが良くわかるエピソードですね。

【まとめ】今なお人気が衰えない「ハコスカ」

「ハコスカ」のご紹介記事、いかがでしたでしょうか。
車両形式名が「V」型に変更された11代目以降、新型車が登場するたび、往年のファンからは肯定的でない感想が聞かれます。
彼らにとっては一見ファミリーカー、でも走ったらスポーツカー顔負けな「ハコスカ」こそがスカイラインなのです。打倒ポルシェを目指し、当時の最先端技術を投入して開発されたC10型「ハコスカ」スカイラインが、未だに根強く人気なのも納得ですね。