【ランボルギーニヴェネーノ】猛毒が与えられた闘牛のモンスター

世界にわずか3台しか生産されなかった超希少モデルの「ランボルギーニ ヴェネーノ」は、ボディデザインがアニメから出てきたようなインパクトがあるものです。中身はのポテンシャルはどれほどのものなのか迫ってみたいと思います。

記念モデル「ランボルギーニ ヴェネーノ(Veneno)」

「ランボルギーニ ヴェネーノ(Veneno)」とは、イタリアの高級スポーツカーブランド「ランボルギーニ社」が製造・販売する「ランボルギーニ アヴェンタドール」をベース車両として製作したスーパースポーツカーです。ランボルギーニ創業50周年を記念して作られ、ジュネーブショーで初めて実車が公開されました。



ベースモデル「アヴェンタドール(Aventador )」

モデル名はスペイン・サラゴサの闘牛場において1993年10月から活躍した闘牛の名が由来で、2011年に市販化され、日本国内でも同年9月から販売されました。
研究開発担当ディレクターのマウリツィオ・レジャーニ氏は「アヴェンタドールは競合他社の2世代先を行くもの。すべての内容を再定義した。過去からのものをすべて否定し、ゼロベースで作った」と、エンジン、トランスミッション、サスペンション、ボディーのすべてが新開発であることをアピールしています。ポテンシャルは、最高出力が700PS/8,250rpm、最高トルクは、69,0kgm/5,500rpmで0-100km/h加速は2.9秒、最高速度は350km/hに達するモデルです。
また専用のパフォーマンスモードとして、一般公道モードのストラーダロードモードとサーキット走行などで使用できるコルサモードの2種類が装備されています。

「アヴェンタドール(Aventador )」主要諸元

エンジン:6,498cc 60度 V型12気筒 電子制御式可変バルブタイミング
最高出力:700PS/8,250rpm
最高トルク:69,0kgm/5,500rpm
トランスミッション:7速ISR
駆動方式:HALDEX Generation 4搭載4輪駆動
サスペンション:プッシュロッドシステム付きフロント/リア ホリゾンタル・モノチューブ式ダンパー
ブレーキ:バキューム・ブレーキ・ブースター付きのデュアル油圧回路ブレーキシステム
全長:4,780mm
全幅(ミラーを除く):2,030mm
全高:1,136mm
ホイールベース:2,700mm
車両重量:1,575kg
0-100km/h加速:2.9秒
最高速度:350km/h

ヴェネーノ(Veneno)=「毒」

「ヴェネーノ」とはイタリア語で「毒」の意味を持っていますが、「ヴェネーノ」とは、ランボルギーニ・ブランドの伝統に基づき、伝説的な闘牛の名前に由来しています。この闘牛は、史上最も強く、そして最も攻撃的な闘牛のうちの一頭で、闘牛の歴史を通じて最も俊足な一頭としても有名です。1914 年、スペインのアンダルシアにあるサンルーカル・デ・バラメーダ闘技場で行われた闘牛で、闘牛士ホセ・サンチェス・ロドリゲスがこの闘牛に突かれて死亡したことによってヴェネーノの名前は知られるようになりました。



超「希少」・超「高額」

わずか世界限定3台のみが生産されました。価格は、驚愕の300万ユーロ(約3億6,000万円)で販売されました。これほどの高価な価格ですが、即完売しました。

「自然界」から得られたエアロダイナミクス

エクステリアのデザインは、レーシングカーの技術がそのまま活かされ、自然界からヒント得ているエンジンカバーは、ボディ中央に備えられ巨大な「シャーク・フィン」と呼ばれ、エアアウトレットが備わるエンジンカバーと一体化されています。この装備によって、高いヨー角にダウンフォースが強まり、ブレーキングとリアエンドの安定性を高めることができています。またハイスピードでのコーナリングのパフォーマンスが向上しています。
そして大型の可動式のリアウイングのデザインは、モータースポーツでの経験が活かされ、リアディフューザーによる空気の流れとの相乗効果が得られるように設計されています。空力シュミレーションによって可動式になっているリアウイングは、3ポジション可動式(スピードとドライブセレクトモードによる)で、常にベストなコーナリングダウンフォースを得るようになっています。
「ヴェネーノ」の空力性能は、最適化とコーナリングの安定性に重点が置かれたデザインは、レーシングカー並みのインパクトがありますが、公道走行できる認証基準を満たしています。

特許素材のシャシーフレーム

「ヴェネーノ」の最大の武器は、エクステリアを含めてすべてのシャシーにおいて、CFRP製のモノコック構造が採用されていることです。この構造については、「アウトモビリ・ランボルギーニ」がカーボンファイバー素材の開発・製作の経験を通して得られたノウハウを活かした特殊な技術です。この技術は、「ヴェネーノ」のインテリアの中でも「フォージドコンポジット(Forged COMPOSITE)」「カーボンスキン(CarbonSkin)」といった、「ランボルギーニ社」の革新的な特許素材が随所に使用されています。

CFRP モノコック構造

「ヴェネーノ」は、CFRPをベースにした軽量デザインにおいても特殊モノコックの技術レベルの高さがうかがえます。カーボンファイバー強化ポリマーで製造されたモノコックがヴェネーノの基盤を形成し、新しいデザインに適合させながらも、フロントとリアのアルミサブフレームを含め、大部分が「ランボルギーニ アヴェンタドール」のモノコックに似た構造となっており安全性において世界基準のレベルを確立しているのです。カーボンファイバーのモノコックは、センタートンネルとサイドシルに見ることができます。そして、エアバッグやESPハンドリングシステムなど、安全システムに関する完全装備しています。また、すべてのエクステリアパーツが、CFRP製で作られ非常に軽量で作られているため動力性能の向上につながっています。

レーシングカー並みの室内

「ヴェネーノ」のインテリアは、レーシングカー並みです。インストルメントパネルは、アグレッシブなグラフィックと、Gメーターのようなさらなる機能を導入し、車体をコントロールするために必要なすべての情報が収集できるようにデザインされています。2つの軽量バケットシートは、ランボルギーニの特許素材である「フォージドコンポジット(ForgedCOMPOSITE)」によって作成されています。
また、コックピット全体、シートの一部分、およびルーフライニングの部分は、織物素材の「カーボンスキン(CarbonSkin)」が使用されています。 この独自の素材は、繊維構造を安定させながら素材の柔軟性を維持する、非常に特殊な樹脂に浸されています。カーボンファイバー製のマットは非常にスタイリッシュで、どのような形状にも完璧にフィットし、なおかつ軽量化に貢献しています。

ベースモデルより100kg以上も軽量

「ヴェネーノ」の軽量化デザインは、乾燥重量はわずか1,450kgの軽さを実現しています。これは軽量化されている「ランボルギーニ アヴェンタドール」と比べても、125kgも軽いのです。
この軽量化に貢献しているのが、ボディに多用されたカーボン素材とアルミニウム素材です。アルミニウム製フロント/リアフレーム付きカーボンファイバー製モノコックに、カーボンファイバー製は、エンジンボンネット、可動式スポイラーとサイド・エアインテークです。
アルミニウムはフロントボンネット、フロントフェンダー、ドア、SMC リアフェンダー、ロッカーカバーに採用されています。
これによってパワーウェイトレシオは、「1.93 kg/hp(4.25 lbs/hp)」という非常に優れた数値を記録しています。「ヴェネーノ」は、軽量化に伴い0-100mk/h加速は、2.8 秒という驚くほどの加速力を実現しています。

モンスターのパワー源

MRで搭載される「ヴェネーノ」のパワーユニットは、「排気量 6,498cc 60度 V型12気筒 電子制御式可変バルブタイミング」です。ドライサンプの潤滑方式、ラムダセンサー付き触媒コンバーター、後部ウォータ&オイル冷却システム、バリアブル・エアインテーク付き冷却システム、ランボルギーニ電子制御燃料噴射装置(LIE)、イオン電流解析機能付きエンジンマネージメントシステムによっては、圧縮比「11.8:1」で最高出力は「750PS/8,400rpm」、最高トルクは「69,0kgm/5,500rpm」を発生します。

パワートレイン

パワートレインは、「HALDEX Generation 4搭載4輪駆動」を装備しフルタイム4WDで「7速ISR(インディペンデント・シフティング・ロッド)」トランスミッション搭載されており、ドライブセレクトモードによってシフト特性が異なるギアボックスが備わっています。また235mmの乾式ダブルプレートクラッチによって強力なエンジンパワーを伝達します。

卓越したサスペンションシステム

プッシュロッドシステム付きフロント/リア ホリゾンタル・モノチューブ式ダンパーを備えたサスペンションシステムが装備されレーシングカー同様にスプリングとショックアブソーバーを水平に配置しています。
ブレーキシステムは、バキューム・ブレーキ・ブースター付きのデュアル油圧回路ブレーキシステムが装備され、フロントに6シリンダー・ブレーキ・キャリパー、リアに4シリンダー・ブレーキ・キャリパー が取り付けられ、CCRブレーキローターは、フロントに400mm x 38mm、リアに380mm x 38mmが装着されています。
そして、独自の合金ホイールは、フロントが20インチ、リアが21インチで、センターロック式が採用されています。ホイールのデザインも空力学的な機能性により採用され、ホイールリム周辺のカーボンファイバーリングは、カーボンセラミックのブレーキディスクを冷却するために追加の空気を供給するタービンのような働きをしています。

「ヴェネーノ」主要諸元

エンジン:6,498cc 60度 V型12気筒 電子制御式可変バルブタイミング
最高出力:750PS/8,400rpm
最高トルク:69.0kgm/5,500rpm
トランスミッション:7速ISR
駆動方式:HALDEX Generation 4搭載4輪駆動
サスペンション:プッシュロッドシステム付きフロント/リア ホリゾンタル・モノチューブ式ダンパー
ブレーキ:バキューム・ブレーキ・ブースター付きのデュアル油圧回路ブレーキシステム
車両重量:1,450kg
0-100km/h加速:2.8秒
最高速度:355km/h

「ヴェネーノ ロードスター」モデル

「ヴェネーノ ロードスター」は、2014年中に9台が製造され、約4億4,200万円という価格で販売(即完売)されました。

クローズドボディとの違い

内外装のデザインや仕様は、ほとんどクローズドボディの「ヴェネーノ」と共通ですが、ルーフとサイド・ウインドウの上部が切り取られ、コクピット背後のエンジン・フードの形状が変更されています。2つのシートのヘッドレスト後方には、横転時に乗員の頭部を守るロールオーバー・バーが備えられています。これによってオープンになったボディを補強し安全性を保っています。
「ヴェネーノ」のルーフに装備されていたエア・インテークは、航空機の垂直尾翼を思わせる「シャークフィン」に移動しています。そして、フルオープンボディで開閉式もしくは着脱式のルーフ等は装備されていません。しかしフロント・ウインド・スクリーンは残されています。オープンボディとなり、ボディ剛性強化するための補強によって乾燥重量が40kgほど増加して1,490kgとなっています。

ポテンシャル

搭載される縦置きミドシップ・マウントエンジンも、「ヴェネーノ」と共通で「6,498cc 60度 V型12気筒 電子制御式可変バルブタイミング」エンジンが搭載されています。
最高出力750PS/8,400rpm、最高トルクは69.0kgm/5,500rpmを発生します。
ルーフがなくてもエアフローは、パーフェクトに設計されセッティングされており、最高速度はクローズドボディの「ヴェネーノ」と同じ355km/hまで加速させます。
0-100km/h加速は0.1秒だけクローズドボディより遅く2.9秒となっています。

まとめ

「ランボルギーニ ヴェネーノ」は、生産台数が世界限定3台、オープンボディの「ヴェネーノ ロードスター」でさえ世界限定9台と超希少モデルです。しかし、その動力性能、特殊技術、アニバーサリーモデルとしての価値は非常に高くまさに珠玉のクルマといえるでしょう。