ポルシェ911 半世紀にわたるスポーツカーの系譜

“ポルシェ”をご存知ない方はきっといないですよね。ドイツを、いえ世界を代表するスポーツカーメーカーです。そんなポルシェを代表するモデルと言えば、生粋のスポーツカーである“911”。頑なに水平対向6気筒エンジン&RRレイアウトを貫き続けるポルシェのこだわりを、生誕から現行モデルまで徹底解剖してみます。2015年12月更新

まずは現行モデルをご紹介

生誕から50年を超えたポルシェ911シリーズですが、時代と共に様々な進化を遂げています。もちろん、一貫して変わらない部分も多いのですが、常にスポーツカーの頂点に君臨すべく切磋琢磨を続けているのです。現代におけるその集大成とも言える現行モデルはコードネーム991。今年の9月にダウンサイジングターボを搭載してリニューアルされました。
そして真打ち登場と言わんばかりに、フラッグシップモデルとなる911ターボも新型が発表されましたね。

スポーツ性能と安全性を高次元で両立した991

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB991
7代目となるコードネーム991型は、2011年9月のフランクフルトモーターショーで世界デビューを飾りました。同年11月10日には日本でも受注を開始します。1年遅れの2012年8月に、カレラ4およびカレラ4Sの日本受注が開始。さらに半年後の2013年5月に、ターボモデルの911ターボの受注受付が開始されました。
最大の特徴は車体の軽量化で、車体への軽量金属の大幅な導入を受け、先代となる997型と比較して60kgの軽量化に成功しています。主にアルミ合金への置き換えで、ドア・フロントからボンネットの外装など広範囲に使用されていて、“スチール・アルミハイブリッドシャシ”の異名を持ちます。センタートンネル近辺には剛性アップを目的にマグネシウム合金が使われているそうです。

安全面では、従来どおりPSM(姿勢安定制御装置)を標準装備。カレラSではPASM(減衰力可変ダンパー)も標準装備です。またアクティブスタビライザー(PDCC)やトルクベクタリング(PTV)、ダイナミックエンジンマウントなどの機能もオプションとして新たに用意されました。PASMでは4つの車高センサーが追加され、制御精度が向上しています。
リヤエンジンフードを開けてもエンジン本体は目視できず、オイル交換や冷却水追加などのメンテナンス用の開口部があるのみ。自慢の可動リヤウイングは、有効面積の拡大、立ち上げ高さの増加により効果的に作用し、スポイラー自体も20kgの軽量化に成功しています。

内装は、センターコンソールの両側にスイッチ類が整然と並べられて、メーター内には中央タコメーター右側にあるVGAディスプレに左右前後方向のGなど様々な情報が表示される仕組みです。
ABCべダルの剛性アップのためにアームの断面積が拡大されていて、踏み応えと剛性感は格段に上がっています。エアコンには、運転席と助手席で温度を独立して調整できるようになりました。日本仕様では、クラリオン製オーディオ統合型カーナビゲーションシステムが搭載され、オプションでボーズ製サウンドシステムに変更することもできます。
911としては初の、電動可倒式サイドミラーも設定(オプション)。サンルーフがアウタースライド式になったので、室内の頭上スペースが広くなりました。

アニバーサリーモデル

出典: http://mikeshouts.com/porsche-911-50th-anniversary-edition/
2013年6月4日には、1963年の初代911から数えて50周年を迎えたことから、911 50thアニバーサリーエディションが発表されました。1963年にちなんで1963台生産されました。ベースになっているのは911カレラSで、50thアニバーサリーのエンブレムが装着されています。

美しいタルガトップの復活

出典: http://www.carmagazine.co.uk/car-reviews/porsche/porsche-911-targa-4s-2014-review/
2014年1月、911タルガ4、911タルガ4Sが発表されました。初代901型、930型、964型に採用されていたクラシカルなタルガをモチーフにしています。993型、996型、997型のタルガモデルは、リアウインドウと内部で重なるかたちでルーフが格納される仕組みでしたが、991型はリアウインドウがせり上がり、布製ルーフが折りたたまれて格納される仕組みになっています。

マイナーチェンジ

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB991
2015年9月、フランクフルトモーターショーでマイナーチェンジモデルの911カレラ、911カレラSが発表されました。従来の自然吸気エンジンに代わり、ライトサイジングターボ(いわゆるダウンサイジングターボ)エンジンが搭載されています。
2015年10月に開催された東京モーターショーでは、カレラ4およびカレラ4Sのマイナーチェンジモデルが発表されました。
2015年12月、フラッグシップであるターボSもマイナーチェンジを受けました。



911の歴史

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB356
ポルシェ356 タイプC 50年を超える911の歴史を、初代モデルの誕生から順に見てみましょう。
911の先代にあたるのは、356です。じつに完成度の高い素晴らしい車なのですが、室内空間が狭く居住性に難がありました。もともとの設計が2シーターだった356は、途中で+2に変更されたものの補助的なものに過ぎず、特にヘッドクリアランスの問題が解決できていませんでした。
この356の後継車プロジェクトは1956年にすでにスタートしていたと言いますから、実に7年を掛けた大作だったのですね。室内スペースを広く取るためにホイールベースを延長し、2+2シートを確保するという骨格のもとで進められ、試作車が3~4台製作されました。一時は大型4人乗りモデルも検討されたようですが、最終的には2+2のコンパクトクーペに落ち着いたのです。

初代モデル901

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB911
初代モデルであるコードネーム901を持つ車輌は、たくさんの種類があります。すべての変更点を挙げるとキリがありませんので、特徴的な違いのみ記述していきます。
1963年、356の後継車としてフランクフルトモーターショーでプロトタイプがデビューし、1964年から本格生産に入りました。一般には“ナロー”と呼ばれています。これは、2代目以降のボディが柔らかく膨らんだデザインになったためですが、この901系でも1968年以降はフェンダーにアーチモールが付くようになり、“これ以降をナローとしない”派もいます。
日本への輸入は、ミツワ自動車により1965年から始まりました。
新たに開発された空冷水平対向6気筒エンジンを搭載しています。ボアφ80mm×ストローク66mmと、なかなかのショートストローク設定のエンジンで、このモデル1番の魅力になっています。低騒音と高出力を兼ね備えていて、将来性を考えて、従来のプッシュロッド式ではなくSOHCが採用されました。
排気量は大きなマージンを残すことと手の届きやすい価格にするために1,991ccになってはいますが、市場の要求次第で2.7L程度まで拡大できる設計になっていました。総アルミニウム合金製のクランクケースで、カムシャフトはチェーン駆動です。ドライサンプ、鉄をアルミフィンで包んだバイラル構造シリンダー、軸流式冷却ファンなどが特徴です。
キャブレターはソレックストリプルチョーク40PIオーバーフロー型をツインキャブで採用しています。大容量のφ215mm単板ダイアフラム式クラッチも採用されました。
暖房はヒートエクスチェンジャー(排気経路の熱を集めて室内に導入する)に加え、補助的にメインタンクのガソリンを利用し電気的に点火するエーバーシュペッヘル製ヒーターも標準採用されています。
全長:4,163mm
全幅:1,610mm
ホイールベース:2,211mm
トレッド:前1,337mm 後1,317mm
ホイールリム:前後4.5J×15インチ
タイヤサイズ:前後165HR15

1967年には、スタンダードモデルの911に加えて911Sが追加されました。もちろん“S”はスポーツを意味します。軽合金鍛造ピストンの採用やバルブ大径化とオーバーラップ引き上げなどにより+30PSを実現しました。当時としては最先端技術のベンチレーテッドディスクブレーキを採用しています。
1968年、それまでの911を改称して911Lとします。911Sに続いてブレーキがベンチレーテッド式になりました。
スポルトマチック(クラッチレスのセミオートマチックトランスミッション)もラインナップに追加されています。
911Tを追加。“T”はツーリングを意味します。911の廉価版として登場した912の後継モデルとして発売されました。
エンジンは様々な部品でコストダウンされていますが、このコストダウンはレース車輛への改造を前提に行われています。つまり、レース車輛にする上で高価なパーツに交換しなければならない、もしくは改造されることが多い箇所のみがコストダウンされ、レースでもそのまま使用するシリンダーヘッドや吸排気バルブやキャブレターは、低出力エンジンながら911Sとすべて同一なのです。
言い換えればレース車輛のベース用とも取れる構成です。
911Rを限定販売。レース、ラリー用の特殊モデルです。純レース車輌である906とほぼ同等のチューニングにより210PSを発生しています。
フロントフェンダー、前後リッド、バンパーをFRP、窓はアクリルなど非常に軽量化されて、車重は800kgまでダイエットされました。
1968年8月、ホイールベースが2,271mmに延長され、操縦性が大幅に改善されました。185/70VR15タイヤと6J15inホイールを納めるためにホイールアーチが追加され、“ナローではない”という向きもあります。燃料供給がボッシュ製のメカニカルインジェクションに変更され出力が向上するとともに燃費が改善されました。
1969年8月、ボアφ84mm×ストローク66mmに拡大して排気量が2,195ccになりました。
1971年8月、ボアφ84mm×ストローク70.4mmに変更して排気量が2,341ccに拡大されました。
1973年、911カレラRS2.7が登場します。グループ4のホモロゲーション用に500台が限定販売されたもので、911S/2.4をベースにボディを軽量化し、ボアをφ90mmに拡大して2,687ccで210PSのエンジンを搭載しました。
ツーリング、スポーツ、レーシングの3グレード構成で、スポーツグレードは車重960kg。当初の生産台数はすぐに売り切り1,000台以上が追加生産され、グループ3のホモロゲーションも取得できました。
日本に正規輸入されたのはスポーツグレードの14台のみで、“73カレラ”の呼び名で現在まで語り継がれています。
さらにピストンボアをφ95mmまで拡大したカレラRS3.0やRS2.7をベースにチューンナップしたRSRも少量生産されましたが、正確な生産台数や日本への輸入履歴は定かではありません。

こぼれ話

ポルシェ911の開発コードネームは901です。当初は開発コード名をそのまま“901”と名乗っていたのですが、プジョーが真ん中に0の入った3桁数字のすべてを商標登録していたため“911”に改めたという経緯があります。初代生産型はそのまま901型と呼ばれ、部品番号の冒頭にも901が入っています。同様の理由で、ポルシェ・904は後にポルシェカレラGTSに改名しています。

1967年、911Rがモンツァ・サーキットで906の代役としてスピード世界記録に挑戦しています。トヨタ・2000GTが持っていた記録を大幅に更新して、2,000ccクラス国際新記録を達成しました。

2代目モデル930

出典: http://forums.pelicanparts.com/porsche-cars-sale/682293-1986-930-turbo-coupe-kokeln-modified-500hp.html
スーパーカー世代としては、やはりこの930こそがポルシェですね。この大きく張り出したフェンダーと大きな“ターボウィング”が930型の証です。本来、930型はターボモデルを指す型式名です。NAモデルは1977年モデルまで901型のままで、1978年に930型となりました。
ボディはクーペと脱着式のルーフをもつタルガの2種類です。トランスミッションは当初915型と呼ばれるポルシェ内製トランスミッション(ポルシェシンクロ)を採用していました。
米国の連邦自動車安全基準 (Federal Motor Vehicle Safety Standard, FMVSS) のバンパー強度規定に従って、5マイルバンパーが装着されています(別名:ビッグバンパー)。

3代目モデル964

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB964
964型は911にとって歴史的なモデルです。4WDモデルの開発と、それにあわせて足回りの大幅なアップデートが行われました。エンジン排気量は3.6Lに拡大され、ピストンボアはφ100mmに到達しています。当時、“レシプロエンジンのピストンボアはφ100mmを超えると回らない”と言われていたのでとても驚いた記憶があります。
911は人気の高いモデルでしたので、モデルチェンジに際しては911シリーズのイメージを継承する必要があり、外観を大きく変えることは許されませんでした。1989年にデビューした964型は、930型のデザインを踏襲しつつ、80%ものパーツを新製するという手の込んだ開発によって生まれました。
エンジンはボアφ100mm×ストローク76.4mmで3,600cc。
リアスポイラーは電動格納式になり、ボディータイプはクーペ、タルガ、カブリオレの3種類が用意されました。
特筆される変更点は、ボディー構造を一般的なモノコックとしたことと、サスペンションのばねをトーションバースプリングからコイルスプリングに変更したことです。結果、ポルシェ特有のハンドリングは若干薄れ、“最新のポルシェは最良のポルシェ”と言われました。
しかし相変わらずリアヘビー(後輪にかかる加重が極端に多い)から来るトリッキーさと、カレラ4では4WDのデメリットが悪いほうに重なってしまうというさんざんな結果でした。現在でも2WDのカレラ2に較べて評価が低いようです。

4代目モデル993

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB993
993型も911シリーズにとってはとても重要なモデルです。RRという特異なエンジンレイアウトによるリアヘビーのため、どうしてもトリッキーなハンドリングの911。マニアの間では“ポルシェ乗り”と呼ばれるハンドルさばきが必要とされていました。この993型ではリアの足回りを大幅に変更して、トリッキーなハンドリングを扱いやすいものに変えています。
これまで頑なに守ってきたリヤトレーリングアーム式サスペンションを、マルチリンク式サスペンションに変更したのです。同時に、マフラー容量の増大と左右独立等長のエキゾーストを実現し、排気系の改善にも成功しています。
“最後の空冷モデル”であることから愛好家からの人気が高く、中古車市場でも高価格を保っています。

5代目モデル996

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB996
前期型 30年以上に及ぶ改良を繰り返してきましたが、この996モデルでは車体・エンジンとも全面的に新設計となる初めてのフルモデルチェンジになりました。なによりも、それまで最大のトレードマークだった“空冷フラット6エンジン”を水冷化したことでしょう。これは、欧州をはじめとする世界的な環境問題への対処が主な目的です。

外観は、ボクスターで採用された涙目型ヘッドライトとフロントフェンダーが、そのまま流用されています。バンパーもごく一部のデザインが違うのみで、基本的にはボクスターと同じ形状のものです。好き嫌いが分かれるところですが、多くの911ファンからは敬遠されてしまいました。
ボディの大型化・水冷化に伴うエンジンの補機類の設置、さらに衝突安全基準の適合のための安全装備の充実にもかかわらず、重量は993型から約50kgの軽量化に成功しています。
内装でもごく一部のデザインが違うのみで基本的にはボクスターと同じ形状です。

エンジンは大幅に変更されました。クランクケース、シリンダーヘッド周りとも一新され、DOHCになりました。ボアφ96mm×ストローク78mmで3,387ccと小排気量化されたにもかかわらず、圧縮比11.3から300PS/6,800rpm、35.7kgm/4,600rpmを発生しています。
エンジン自体も993型と比較してエンジン全長で70mm、全高で120mm小型化に成功しています。

サスペンションもアップデートを受けて、2000年よりPSM(姿勢安定制御装置)がオプション装備として設定されています。
サスペンション形式自体はフロントはボクスターと共通のストラット式、リアはマルチリンク式と名目は993型と変わっていませんが、流用部品のない完全な新設計によるものです。

996型がデビューしたとき、“993型はサイドブレーキを引いているようだ”と言われるほどの高評価を与えられています。

996後期モデル

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB996
2002年マイナーチェンジが行われました。
とにかく不評だったヘッドライトが911ターボと同形状に変更されました。ただし、レンズカットは911ターボと異なります。前後バンパーも空力特性を改善すべく微細なデザイン変更を受けました。

内装では、ステアリングは前期でオプション設定だった3本スポークのものに変更、メーターも細かい変更が実施されています。前期型では助手席にグローブボックスがなく非難を浴びたため新設されました。

サスペンションスペック
ホイールサイズに変更はありませんが、デザインの変更により4輪で3.6kg軽量化しています。サスペンションのセッティングも変更を受け、フロントの伸び側が硬くされました。PSM(姿勢安定制御装置)が標準装備になりました。

6代目モデル997

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB997
996をベースに大幅な改良が施された997モデルは2004年の夏にリリースされました。シャシなどは同一ながら外観は大きく変更されました。996型から80%以上を刷新したとも言われていますが、ボディの基本骨格や一部のボディパネル、ボアφ96mm×ストローク82.8mmの3,596ccエンジンや5速ティプトロニックなどはすべて踏襲されています。
996型で不評だったヘッドライトは、往年の丸型に変更されました。スモールランプ、ウインカーも空冷時代を彷彿とさせる別体型、さらに後部コンビネーションランプと前後バンパー部分のデザインも変更されました。
内装のデザインも変更され、質感の向上と可変ギヤレシオのパワーステアリングが採用されています。911初のステアリングチルト機構も採用。スペアタイヤは省略されて、パンク修理キットを装備しています。
ボンネットのアルミ化により6kg、リヤサブフレームで1kg、スペアタイヤと車載ジャッキ廃止で10kg、エンジン本体で2kgと地道な軽量化により、カレラでは996型と比較してトータル25kg軽量化されました。

ポルシェ911の使い方

さて、初代から現行モデルまで一通りご紹介しましたが、どのモデルがお好みでしょうか。スマートなデザインの初代モデルは構えずに乗ることができる素直さが魅力ですし、911をスーパーカーとして知らしめた2代目のインパクトも堪りません。リアサスペンションが改善れてからのモデルは、ハンドリングが素直で安心してアクセルを踏み込めますし、水冷DOHCからのエンジンのパワフルさも捨てがたいですね。もちろん、空冷時代の“パタパタ”した感じも素敵ですので、どれをとっても惹かれる存在なのですけれども。お財布と相談しなくてもよければ、最新モデルを体感してみたいと思いますよね。

いずれのモデルも2+2としての居住性を持っていますので、ファミリーユースのすべてをこなすのは難しいとしても趣味車~セカンドカーとしてなら十分使いこなせるはずです。
お洒落なパパがポルシェでお迎えに来てくれたら、お子さんは飛び上がって喜ぶでしょうね。そうでなくとも、ご夫婦+お子さん2人まででしたらすんなり乗れる広さですから、2人でデートだけでなく家族で日帰りドライブにも素敵です。
ただし荷物はほとんど載りませんので、基本的に日帰りが前提ですよ。連泊する場合は宅配便の併用をオススメします。

すでにクラシックカーの域にある初代モデル

出典: http://www.6speedonline.com/articles/73-carrera-2-7-rs-old-school-racers-take-heart/
なにぶん50周年を迎えた車ですから、初代モデルはすでにクラシックカーの分類です。正直、スペック的には非力に見えますが、そこは軽量ボディがモノを言います。あわせてボアアップ前提でマージンをしっかりとってあるエンジンは思いの外タフですから、まだまだ現役で十分通用してくれますので、RR独特のハンドリングさえ身につければライトウェイトスポーツドライビングを堪能できます。

見つけることはとても難しいですが、個人的には73年の2.7Lカレラがベストバイだと思っています。

このインパクトが堪らない2代目

出典: http://www.netcarshow.com/porsche/1980-930_turbo/
上にも書きましたが、歴代ポルシェの中でスーパーカーと言えばこの930ターボなんです。大きく張り出したリアフェンダーにこれまた大型のターボウィング。反してカエルのようなファニーな顔つきも、当時のライバル達とは一線を画した不思議な魅力があるのです。

930デザインを継承した3代目~ワイド&ローに変身した4代目

出典: http://www.thehairpincompany.co.uk/view-Porsche-993_Carrera_4-1996-1.html
空冷エンジンとしては熟成期に入った3代目と4代目は、リアサスペンションが進化したことも合わせてずいぶん乗りやすくなったという記憶があります。私のように2代目のインパクトが強く残っている者としては3代目の方が好みなのですが、そこにこだわりがなければデザインもハンドリングも垢抜けた4代目をオススメします。

大改革を受けた5代目以降

出典: http://rennlist.com/forums/vehicle-marketplace/747067-2005-997-carrera-s-launch-car-033-low-miles-blk-blk.html
エンジンの水冷化にともないリアサスペンションがさらに改善された5代目以降は、電子制御の進化が進んでいます。より安全に、より快適にドライビングを楽しめる車に仕上がっています。
もちろんポルシェ911の血筋はなにひとつ捨てていませんので、軽量なボディとパワフルなエンジンからなるピュアスポーツカーの走りも十分に堪能できます。



維持はできる?

半世紀も過ごしている車の維持は大変そうですよね。実際、メンテナンスフリーっていうわけにはいきません。定期的に油を差さなければならない所がありますし、定期的に交換しなければならない部品もあります。ですがこの定期的なメンテナンスをしっかりと守ってあげれば、十分に普段使いにも耐えてくれます。基本設計がしっかりしていますし、良くも悪くも“限界ギリギリ”まで攻めていない造りのおかげでマージンも十分あるのです。
必要なのは、“車の声を聞く耳”を持つことくらいです。これを怠ると、悲鳴になるまで気がつかないかもしれません。“なんだかいつもとちょっと違う?”とか、“初めて効く音だな”とか、ちょっとでも気になることがあったら見過ごさずに専門医に相談することです。
ただそれだけのことで、きっと貴方の気持ちに応えてくれるはずです。

今でも手に入れられる?

お好みのモデルが手に入るかどうかはわかりませんが、とりあえず某サイトを覗いてみましょう。
初代モデルが4台見つかりました。さすがに少ないですね。しかも、すべて価格欄には“ASK”と書いてありますよ。うーん、一体おいくらするのでしょうね。

2台目モデルは27台ありました。300万円台後半から1,000万円弱まで多種多様です。ターボモデルはすべて“ASK”ですので、手が届きそうにありませんが。
911の魅力でもありますが、どの世代もたくさんのグレード設定がありますので、それによって価格の幅もとても広いのが比較を難しくしていますね。

3代目モデルはティプトロニック搭載車が人気のようですね。マニュアルシフトモードを持つオートマチックトランスミッションですので、入門モデルとしては最適かもしれません。
400万円台から1,000万円を超える車もありますが、ティプトロニック車は“ASK”が多くて…。

4代目モデルでは、ベースグレードでしたら500万円前後でも手に入りそうです。カレラSやターボモデルは1,000万円を超えちゃってますね。

流石にこれ以降は…と思いきや5代目となる996モデルは少々勝手が違いますよ。コレはやはり水冷化によるところが大きいのでしょう。
4代目が“最後の空冷”ですので、ここまでが人気が高いようですね。
5代目モデル996は、200万円からありますよ。ターボモデルでも500万円前後で見つけられますね。ボクスターと共通の顔まわりが不人気だった996ですが、ターボモデルは専用デザインです。そのターボでもこのお値段なのは、やはり空冷ではないからでしょうか。

6代目の997モデルも400万円台からのスタートですので、新車価格と年式から考慮すればかなりのお買い得車と言えるでしょう。
ターボモデルはやはりお高いですね。1,000万円前後のものが多いです。

現行モデルはと言うと、やはり1,000万円スタートといった感じです。まぁ、これは新車価格から考えても致し方ないでしょう。ちなみにターボモデルは2,000万円以上しますので、私にはしばらく手が届かない代物のようです。

最後にまとめ

デビューから50年以上、スポーツカーのトップモデルとして走り続けているポルシェ911。それぞれのモデルに歴史があり、それぞれに楽しさがあります。ナローと呼ばれる初期型は、非力ながらも軽量でスマートなボディーと合わせて軽快なハンドリングが楽しめます。4代目以降は、独特のハンドリングからモダンな乗り味に変更され、さらなるスポーツ性能を手に入れています。
現在911は海外でも人気が高く、中古相場が高騰してます。手に入れられる時に動くのが得策かもしれませんね。