次期ボクスターとケイマンに引き継がれたポルシェ718とは

ボクスターとケイマンのモデルチェンジが迫ります。次のモデルはもっと明確に同じモデルのオープントップとクーぺという位置づけになるようです。そのモデルに名づけられるのが718という呼び名。かつてポルシェに栄冠をもたらしたネームをまといます。

718の成り立ち

ポルシェのアイデンティティもまたレースにあります。ポルシェの名前で市販車が登場して間もなく1950年にF1が世界選手権として始まっています。
さらに追って1953年に世界スポーツカー選手権が始まります。ここで活躍したレーシング専用モデル、ポルシェ550の後継車としてレースのために開発されたのがポルシェ718です。
さらにF2規定への改造を意識してシングルシーターがつくられたり、この後フォーミュラカー仕様も作られてポルシェの最初のF1マシンとなる記念碑的なレーシングカーなのです。

主戦場となった世界スポーツカー選手権はアメリカ合衆国のフロリダの飛行場跡で現在INDYも行われるセブリング、今に続く世界3大レースのルマン、今では当時の公道は使いませんが、FIAのF1や耐久レースが行われるスパ、ニュルブルクリンク、伝説の公道レース、タルガ・フローリオなどを転戦する大人気のレースでした。シリーズに組込まれていたミッレミニアは1957年、カレラ・パナメリカナ・メヒコは1954年に危険性を問われて中止になっています。大規模な公道レースの終焉も予感されてきた頃のことです。

まさしく、掛け値なしに死と隣り合わせ、それでもスピードを追求する熱い時代、再び決して戻ることのない雰囲気のなか駆け抜けたレーシングカーがポルシェ718なのです。



718のバージョン紹介

ポルシェ718はさまざまなレースを戦い、そのレギュレーションに合わせて改造されています。

F1

718F1
1960年のF1世界選手権に1.5リットルエンジンで参戦を開始しました。翌年の1961年からはポルシェ787とともに参戦、1964年まで走っています。残念ながら勝利はなかったのですが、この期間ポルシェはコンストラクターズとしての唯一の勝利を804で挙げています。1962年史上初の赤旗中止のグランプリとなったフランスグランプリでの出来事です。この年で787、804は参戦を取りやめましたが718だけが走り続けたのです。

F2

718F2
スポーツカー選手権用の718は、シングルシーターにすればF2規定に適合できそうだったためポルシェのレースディレクター、ハンスタインが1958年にシングルシーターに改造したF2プロトタイプを試作しました。この車はフォーミュラーカーではありませんでした。
さらにオープンホイールの718F2が作られて1959年のモナコグランプリに出場、翌年からF1が1.5リットルエンジン規定となるためF1と同時開催のモナコでテストをしようという意図がありました。こうしてできあがった718F2は1960年のF2でコンストラクターズチャンピオンを獲得しています。

スポーツカー選手権

718RSK
世界スポーツカー選手権で活躍した550の後継として大きく手を入れて登場したのがツーリングカー仕様の718RSKとなります。1957年の登場から1959年まで使われることになります。148馬力をミッドシップに搭載、1958年にはルマンのレースでクラス優勝(総合3位)となります。この年には160馬力に達しています。59年のタルガ・フローリオでの勝利が燦然と輝きます。

RS60
1960年にはサスペンションを大きく改造したRS60型となります。セブリングとタルガ・フローリオで優勝しました。

RS61
1961年からはRS61 となります。RS61は目立った成績を残すことなく1964年にポルシェ904が登場するまでスポーツカー選手権を戦いました。ポルシェ718RS61は14台製造されたということで、スポーツカー選手権以外のヒルクライムレースなどでも活躍があったといわれています。

718スパイダーのオークション落札価格は?

この伝説のレーシングカー、ポルシェ718スパイダーにはどのくらいの価値があるのでしょうか。これだけのクラッシックカーには買い手が存在して、オークションが成り立っています。
同じようなクラッシクレーシングカーがオークションに出品されることがあれば、多くは3億円程度の値段で落札されています。
クラッシックレーシングカーのオークションではフェラーリが圧倒的に強く、場合によっては10億円などということがありうる世界です。他社の記念碑的な自動車が3億円前後で見られますのでポルシェ718もこのあたりのはずです。うまくいけば5億弱くらいまで期待できる車です。



718の名前が次期ボクスターとケイマンへ

そして、この718の称号を冠したボクスターとケイマンのリリースが2015年12月に発表されました。なんとエンジンは今ポルシェがレースで勝利を重ねているのと同じ水平対向4気筒を搭載します。
2015年ル・マンでワントゥフィニッシュしたポルシェ919ハイブリッドも2リッター4気筒ターボに回生システムを載せて走っています。市販車だけをみればやや意外に感じるフラット4の採用もレースをみれば当然の流れと思われます。
これは、これからのポルシェの潮流で、日本向け911もいよいよ、S系が来年3月にエンジンをダウンサイジングしてデリバリーが始まります。
新たな718シリーズとして展開されるボクスター、ケイマンはより外観が似てくると発表されましたが、ロードスターモデル、つまりボクスターが価格も高くなり、より高いステイタスの演出となるとされています。 ボクスターおよびケイマンを718モデルシリーズとして販売