【アルファロメオ147】はアパレル界を巻き込んだお洒落なスポーツハッチバック

147がアルファロメオを知るきっかけになったという方も多いみたいですね。ライバル達に比べても抜群にスタイルが良いですから、街中で見かけて“なんだあの車!”ってなるのも無理はありません。156のデザインもセンセーショナルでしたが、147のデザインも次世代のアルファロメオを感じさせる洗練されたものでした。ジュリエッタの復活の陰でひっそりとその生涯を終えましたが、現代アルファロメオを代表する1台です。

アルファロメオ147という車

出典: https://motogurumag.com/image/eWCGal/
AldaRomeo 147 前期モデル 145/146(145のノッチバックセダン)の後継車種として、2000年のモンディアル・ド・ロトモビルでデビューしました。先にデビューした156と同様に、2001年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。
この美しいスタイリングは、当時アルファロメオ・デザインセンターに在籍していたワルテル・デ・シルヴァ、アンドレアス・ザパティナス、ヴォルフガング・エッガーの共同作業によるものです。
ワルテル・デ・シルヴァは、156のデザインも担当しています。

ハッチバックも美しく

156同様、ワルテル・デ・シルヴァが担当しただけあって、156との整合性もみごとに調和がとれています。
たとえば、リアドアのアウターハンドル。156と同様の手法で、Cピラーの中に上手に隠してあるのがわかりますか?
もちろんフロントドアのハンドルは大ぶりなデザイン+メッキ仕上げで、これでもかといわんばかりに存在感をアピールしています。5ドアハッチバックさえも美しく仕上げたいという心意気がにじみ出ています。
全体的に丸みを帯びたデザインながら高めの位置に配されたプレスラインは、強すぎるほどのストレートラインですがギュッと絞り込むようにエッジを効かせています。
ヘッドライトやテールライトも156とは別のデザインですが、同じテーマでデザインされていることがわかりますね。
各部に156の手法を取り入れつつも、まったく別の車に仕立てているあたりがさすがですね。

※この美しいテールランプは、ASL(AUTOBACS SPORTSCAR LABORATORY)のガライヤに使用されています。

スペックなど

エンジンは全て直列4気筒で、ガソリンが4種類、ディーゼルは6種類が展開されました。
駆動方式はすべてのグレードがFFです。 トランスミッションは5速マニュアルの他にセレスピードと呼ばれるセミオートマチックトランスミッションも用意されました。156で初めて採用されたセレスピードですが、細部の改良が進み格段に故障が少なくなったばかりでなく、変速時のタイムラグも若干改善されていました。
156ではステアリングの表側に設置されていた変速ボタンは、ステアリングホイール裏側にパドルの形で移設されています。
サスペンションも156同様で、フロントにダブルウィッシュボーン、リヤにリンクと組み合わせたマクファーソンストラットを採用し、前後ともにコイルスプリングです。
全長:4,170mm
全幅:1,730mm
全高:1,420mm
ホイールベース:2,545mm

日本仕様

日本では、2001年10月からフィアットオートジャパン株式会社が輸入・販売を開始しました。2002年度インポート・カー・オブ・ザ・イヤー、2002-2003グッドデザイン賞を受賞しています。
6エアバッグ、高級オーディオ、各種の走行安全装置を搭載することで、価格は200万円台後半~と、コンパクトカーとしては高価な部類に入ります。ですが、各社も追随して同様の車種をリリースし、プレミアムコンパクトというカテゴリーを築くきっかけになりました。
日本に導入されたのはガソリンエンジンのみ。
当初は2.0Lのみで、モデル途中で1.6Lが追加されました。
2.0TSは2,000ccの直列4気筒ツインスパークエンジンで、これが標準グレードです。VDC(横滑り防止機構)、MSR(エンジンブレーキ・トルクコントロール)、アンチロック・ブレーキ・システムなどの安全装置に加えBOSE社製のサラウンドシステムも採用されました。トランスミッションはM/Tとセレスピード(ともに5速)の2つが選べました。
ボディは3ドアと5ドアの2種類です。
1.6TSは1,600ccの直列4気筒ツインスパークエンジンで、廉価グレードです。2.0TSから一部の安全装置と、BOSE製のサラウンドシステムを省略した内容です。
トランスミッションはM/Tのみ。

2.0TSにディスチャージヘッドランプと17インチアロイホイール、革製の内装を装備したTIが追加されました。当初は特別仕様でしたが、継続して販売されました。TIは Turismo Internazionale の頭文字を取ったものです。



マイナーチェンジ

出典: https://motogurumag.com/image/XGgUWt/
AlfaRomeo 147 後期モデル 2004年にフェイスリフトを受けます。156同様、ブレラのデザインに端を発するアルファロメオの次世代アイデンティティであるジョルジェット・ジウジアーロデザインの“吊り目”に統一されました。
ヘッドライトだけでなく、テールライト、フロントグリルの意匠も大きく変更されました。他にも、内装のアップグレードやサスペンション改良なども行なわれました。
2007年に輸入元の社名変更に伴いフィアットグループオートモービルズジャパン株式会社となりました。
全長:4,225mm
全幅:1,730mm
全高:1,450mm
ホイールベースは変更無しで2,545mm

モンスターマシン“GTA”の登場

出典: https://motogurumag.com/image/CmXIui/
AlfaRomeo 147GTA ボディサイズを横に拡大して、3,200ccのV型6気筒エンジンを搭載した最上級グレードです。アルファロメオ伝統のV6エンジン最後の搭載車となりました。
フロントグリル脇にエアインテークを追加した専用バンバーは、ターンシグナルの位置を変更したGTA専用デザインになっています。
車幅は他のグレードよりワイド化して1,765mmに。全長4.2mのコンパクトカーには不釣り合いな大排気量、高出力エンジンを搭載したことで、運転する者の理性と技術を問う車に仕上がっています。
トランスミッションは、左ハンドル車にはマニュアル、右ハンドル車には6速セレスピードの設定です。ボディは3ドアハッチバックのみ。
内装に配されたGTAのロゴマークと、インストルメントパネルを濃い灰色が基調の専用デザインに変更されていて、他のグレードとはしっかり差別化が図られています。
ホイールはスピードライン製17インチGTA専用アロイホイール。フロントブレーキキャリパーはブレンボ製で、ブレーキローター径が大型化されています。
147カップでは、チューンナップした2.0TSをもってしてもノーマルGTAにかなわないという、まさに現代のスーパーホットハッチモデルです。
ライバル車は、フォルクスワーゲン・ゴルフR32、BMW130iM-Sportなど。



兄弟車“GT”

出典: https://motogurumag.com/image/AJxQmN/
AlfaRomeo GT 2003年3月のジュネーブ・モーターショーで発表されたアルファロメオGTです。2ドア+ハッチゲートを持つ車体はベルトーネによるデザインです。一般には“アルファGT”と呼ばれています。フィアット・オート・ジャパンの公式ウェブサイトなどでもアルファGTと呼称されていました。
当時のアルファロメオラインナップには、ミドルクラスの2ドアクーペとして、“GTV”がすでにありましたので、新規設計ではなく既存のモデルをべースにする方法を採用しました。主要部分は147と156の部品を流用してあります。
プラットフォームを含めた主要コンポーネンツは156の発展系ですが、フロントサスペンションは147GTA、リアサスペンションは156スポーツワゴン用をベースにリセッティングしてあります。
内外装はほぼ147用がベースで、フロントフェンダーは147GTA用、ドアやダッシュボード、シート等は147のデザインを採用しています。特にダッシュボードは147がそのまま使われていますが、センターコンソールとメーター周囲のリングは147GTA仕様を使い、シフトノブ周辺のデザインもGT専用にアレンジすることで、上手に高級感を演出してあります。
2ドアクーペのように見えますが、トランクは独立ではなくハッチバックを採用しています。スペース効率に優れたリアサスペンションと合わせて、156スポーツワゴンに匹敵するほど大きな荷室容量を実現しています。
後部座席も比較的広く、長距離の移動でなければ大人2人が普通に過ごせる空間です(乗車定員は5人)。スポーツカーというよりはグランツーリスモとしての性格が強い仕様です。
147のボディを前後にストレッチして、156のシャシに載せたというイメージでしょうか。

限定車もちらほら

147は限定仕様車がたくさん用意されたモデルです。代表的なモデルをご紹介します。

DUCATI CORSE(ドゥカティ コルセ)

出典: http://www.caradvice.com.au/14245/alfa-romeo-147-ducati-corse/
個人的には一番気になる存在です。
イタリアを代表するスポーツカーメーカーAlfaRomeoと、イタリアを代表するスポーツバイクメーカーDucatiのダブルネームですからね。
ドゥカティオーナーとしては興味津々です。200台のみの限定販売でしたから、迷う暇もなく完売となってしまいました。
各所に配されたドゥカティエンブレムが憎いですね。特にヘッドレストに刺繍するのはヨーロッパでは常套手段なのですが、落ち着いた色目の本革シートは赤色のステッチで仕上げられていて、色使いも含めて抜群のセンスだと思います。

LINEA ROSSA(リネアロッサ)

出典: http://www.goo-net.com/catalog/ALFA_ROMEO/ALFA_147/10022111/
ブラックボディにレッドインテリアという派手な演出も、アルファロメオなら綺麗にまとめてくれています。ボディサイドに入る赤色のピンストライプが憎い演出ですね。
ホイールデザインも特徴があって、スポーツ感の強い147を大人の雰囲気に変えてくれています。
400台限定の中にM/TとA/T(セレスピード)が混在していました。

BlackLine(ブラックライン)

出典: http://www.automania.be/fr/auto/alfa-romeo-italie/alfa-romeo-actualites/document-4016.html
大胆にもルーフをブラックカラーに仕上げたブラックラインです。ドアミラーとルーフスポイラー、リアハッチモールも黒色に仕上げられています。
ボディカラーはアルファレッドと、ナヴォーナブレーの2色。
専用の17インチアルミホイール、スポーツサスペンション、エグゾーストパイプフィニッシャーも用意されました。
当時としては最先のiPod専用コンソールがついていて、そこに搭載する専用iPod nanoまで用意されました。2GBモデルで、ブラックラインのロゴ入りiPod nanoでした。
さすがにドックコネクターですが、アダプターを用意すれば現代のiPod・iPhoneでも使えます。FMトランスミッターで飛ばすより、かなりいい音で聴けますね。
台数は300台限定で、5ドア右ハンドル仕様のみです。

MURPHY&NYE(マーフィー&ナイ)

出典: http://www.jiron-auto.co.jp/97455.html
カジュアルアパレルブランド“マーフィー&ナイ(Murphy&Nye)”とのコラボレーションで誕生した、その名も“アルファ147 2.0 ツインスパーク セレスピード マーフィー&ナイ(Alfa 147 2.0 TWIN SPARK Selespeed Murphy&Nye)”です。なんと50台限定のレアモデルです。
マーフィー&ナイは、マリンスポーツやアウトドアスポーツウェア分野のブランド。ヨットレースの最高峰“アメリカズカップ”オフィシャルウェアとして有名ですね。
さわやかなマリンスポーツイメージのクリスタルライトブルーのボディで、日本独自の5ドア右ハンドル仕様です。
リアエンドとBピラーにマーフィー&ナイのロゴバッジ、17インチの専用アロイホイール、リアルーフスポイラー、エキゾーストパイプフィニッシャーなどスポーティーな装備も充実しています。インテリアはブルーとクリームのツートーンでオシャレにまとまり、アルファロメオのエンブレムが入った専用スポーツレザーシート、オリジナルパーキングブレーキカバー、シートポケット、マーフィー&ナイのロゴ入りキックプレートなど、高級感あふれるデザインが散りばめられています。電動サンルーフも忘れてはいけませんね。
オリジナルアクセサリーとして、アルファロメオとマーフィー&ナイデザインのトラベルバッグ、マリンロープイメージのキーリング、スペシャルドキュメントホルダーが用意されました。

C'N'C(シー・エヌ・シー)

出典: http://www.alfaromeopress.jp/old/alfaromeo/pressrelease/2008/0130_02/index.html
イタリアのデザイナー、エンニョ カパサ (Ennio Capasa) 氏が立ち上げたファッションブランド『コスチューム ナショナル (CoSTUME NATIONAL)』のセカンドライン“C'N'C”とのコラボモデルです。
C'N'Cの専用仕様としては、電動ガラスサンルーフ、C'N'C専用バッジ、スモーク仕上げリアコンビネーションランプ、エキゾーストパイプフィニッシャー、C'N'C専用ブラックステッチフロアマット、C'N'C専用17インチ・アロイホイール、シャインブラック仕上げヒーテッド電動ドアミラー、リアルーフスポイラー、C'N'C専用アルカンターラ仕上げインテリアトリム(シート/ドア内張)です。
オリジナルアクセサリーとしてC'N'Cロゴ入りオリジナルバッグ (シリアルナンバー入り)も用意されました。
限定100台のみ。

最後に

156同様、シルヴァデザインの美しいスタイリングとアルファロメオ直伝の楽しい乗り味のマッチングは、あなたのカーライフを格別楽しくしてくれるはずです。
デビューから15年経ちますが、古くささはみじんもありませんね。
中古市場での球数も多く、限定モデルもちらほら見受けられます。アフターパーツも多く用意されていますので、貴方好みの1台に仕上げて下さい。