便利なだけでないETC割引!?得する仕組の変化についていくには

同じように高速道路を走っても、ETCを搭載したならば料金所で停車することなくスムースに走り抜けられます。そしてそれだけでなく特別な割引を受けられて得をする仕組みになっています。2014年の4月以降にこの得をする仕組みが大きく変わりました。ETC割引の今を整理してみましょう。

高速道路料金をお得にするETC割引

各地の有料道路を含む高速道路などではETCを搭載して走ることが、料金所での手間を省く以上の意味があります。ETCの普及を進めるために割引制度が設けられているからです。

ETC割引を受けるためには初期投資が必要

ETCを利用するためには初期投資が必要で、そのコストは車載器の費用と機器をセットアップする費用です。車載器の費用は本体と自分で取り付けられられない場合には取り付け費用、セットアップとは車載器本体に車両の情報を登録する費用です。確かに高速道路料金は車種によって違いますから大型トラックなのか乗用車なのか軽自動車なのかなどの情報が必要です。

ちなみにETCというのは無線通信の技術ですから、車載器とシステムは相互通信しています。システム側が車載器を確認しているだけではありません。これによってETCは今後拡張が予定されていてETC割引についても新たな方向性が予定されています。このためにセットアップされる内容は車検証に記載されている諸情報を網羅しておく必要があって、専門業者に任せることになっているのです。

車載器のデータを書きかえる程度のことはいまや、多くの人ができることですし、アプリ化することも難しいことではありません。それでも例えば車を買い替えたならば、車載器を載せ換えるだけでなくて再セットアップが必要になってきます。例え同じ料金帯の車種どうしで料金徴収上の問題がなくてもです。実はETCというのは料金徴収を便利にしたり、割引によって自動車の流れをコントロールしたりする以外にも目的がある仕組みです。

ならば無料でやったり、自分で書き換えられるようにすればいいのにと思いますが、現実は少なからぬ料金を徴収されることになります。セットアップは車載器を載せ換える度に、載せ換えなくても車検証記載の事項が変わるような時にも再セットアップ料が必要な事にもご注意ください。

一番安い車載器を買って取り付けてもらってセットアップするまでで2万円弱程度見込んでおけば入手は可能かと思います。車を買い替えたり、引っ越したり、車載器が壊れたりしなければ最低限の初期投資はこのくらいでしょう。

下手をすれば損をするETC割引

たくさん高速道路などを利用する人でなければ、この費用が掛かり過ぎては本末転倒でかえって損をすることになりかねません。かつてはETC利用を推進するために機器を実質無料で配ったりしていたのですが、いまでは利用者も充分に増えたので、そのような特典は姿を消してしまっています。

かつての民主党政権の誕生に当って高速道路は無料にすべしという民意が示されたのですが、大きな利権となっている高速道路ですから選挙による意思決定はまったく無視されました。高速道路無料化の計画が示されたことで、当時の政権は対抗上、税金から高速道路に補助金を支払って、ETCならどこまで乗っても一回1,000円などというキャンペーンを行ったりしました。高速道路会社の努力で行われた割引ではなく税金から出費されていたこの割引も予算が尽きてもう行われていません。選挙でどんな意思が示されようとも無視すればいいのだろうかという疑問はさておき、皆の協力で作った道路がなかば私物化しているのではないかと疑問もありますが、とりあえず現状は受け入れるしかありません。かつては、すぐに取り返せた初期投資も今では慎重に考えてみる必要があります。もちろんこれからも割引は縮小する可能性があります。

とりあえず、ETC割引のあらましをまとめてみますので、すでに機器をお持ちの方は少しでも得をできるように、まだお持ちでない方は損にならないようにしたいものです。制度をしっかり把握して、楽しいドライブをお楽しみください。



ETC割引の種類は時間帯、曜日、区間、走行距離などによります

通勤割引、早朝割引、平日割引などすでに無くなってしまった割引

ETC割引は道路を有効に使うのが目的で設定されています。本来償却が終われば無料開放される約束で始まった高速道路制度ですが、儲かっている道路の収益は全国津々浦々高速道路を作るのに使おうと、いつの間にか話が変わってしまいました。この制度のもとでは、いつまでも道路を作り続ければ、高速道路からいくらでも集金できてしまいます。このような批判が少なからずあったために道路会社を作ったり、あまり使う人がいなくて、「何故必要もない道路が作られるのだろう?」といった疑問の声が上がったこともあって朝夕の通勤時間に高速道路を利用してもらえれば割引をしましょう!! だだし、もともと混んでいる都市部は除きますという趣旨の通勤割引、空いている早朝や深夜を使うと割引になる早朝深夜割引、通勤客がいなくなる休日のレジャー利用を促進する休日割引、平日の通勤時間帯以外の利用に誘導する平日割引などが始まりました。

高速道路無料化への支持が選挙で示されたのち、実際には実現できなかったことなど、社会情勢の変化によって2014年4月に割引制度は大きく姿を変えました。廃止されたり主旨替えがあったりさまざまですが、ユーザー目線でいえばしっかり把握するしかありません。以下まとめてみますのでご参照ください。

割引を見るにあたっての豆知識

ETC割引を見ていくときに整理しておかないと混乱しそうなのが車の区分です。割引について各道路会社は普通車、軽自動車、中型車、大型車、特大車という分け方をして料金を示しています。ところが自動車は登録制度や軽自動車のナンバー交付制度ではこのような分け方をしていません。

それではこの分け方は何なのかといえば、基本は運転免許制度のほうで決められた区分のほうになっています。旅客運送の免許となっているのが第2種免許といいますが、各免許に設定されている第2種含めて普通免許で運転できる車が普通車、中型免許の場合が中型車、大型免許の場合が大型車となっています。特大車についてはちょっと違っていて免許証には大型特殊免許というものがありますが、この免許で運転できる車の他にも路線バス以外で長さが9メートル以上、または乗車定員30人以上の大型バス、けん引しているものなどを含めない状態で4車軸以上あって車両制限令(サイズや重量など道路を走ってよい自動車の上限を定めたもの)を特別な許可によって超えている普通貨物自動車が該当することになります。軽自動車免許というものはありませんので、軽自動車はいわゆる軽自動車が該当します。

このあとご説明する場合はこの規定に沿って呼称しますのでご注意ください。

時間帯割引

ETC割引は空いている時間帯や曜日に割引によって走行車両を誘導しようという意図がありました。詳細が変わったとはいえ現在の割引制度も基本の考えは同じです。現在の制度では深夜割引と休日割引が残されて実施されています。

高速道路上にある料金所、もしくは出口料金所、入口料金所の通過時刻によって該当するかどうかが判断されます。

深夜割引

割引額は縮小しましたが深夜に通行する車両に対しては通行料の割引が継続されています。

深夜とされる時間帯:0時~4時
割引額:約30パーセント

深夜割引の適用パターン:
・対象時間内に高速道路から出た
・対象時間内に走っていた
・対象時間内に高速道路に入った
対象時間前に入って対象時間後にでても対象時間中に高速道路内にいれば割引になります。

あとからご説明する休日割引と重なる場合には、結果として割引率の高いほうの割引のみが適用されます。たとえ連続で走行していても対象道路外の場合にはその部分は割引になりません。

休日割引

休日の割引も割引率を縮小して、さらに休日特別割引も廃止されて継続されています。対象となる道路のうち地方部と呼ばれる大都市近郊区間とされている区間を除いた部分が割引になります。休日割引は軽自動車と普通車のみが対象になります。2輪車も対象です。

休日とされる日:土曜、日曜、祝日
割引額 約30パーセント(地方部の区間のみ)

休日割引の適用パターン:
・対象日内に高速道路から出た
・対象日に走っていた
・対象日内に高速道路に入った
深夜割引とまったく同じ考えです。

深夜割引と休日割引はどちらか割引率が高くなった方を適用します。つまりどのようなケースかといえば、休日割引は大都市近郊区間適用されませんが深夜割引は適用されます。この場合などは深夜割引が優先して適用となります。両方同時には適用になりません。

首都高、アクアライン、圏央道など特定の高速道路会社や区間の割引

ETC走行に対して特定の道路で割引が設定されています。

首都高速道路

ついに首都高速道路の悲願、距離別料金の導入で大幅値上げが実現しました。ETC走行ならば値上げの痛みが緩和されます。場合によって少し値下げしているのと環状道路利用促進での割引が設定されます。

会社間乗継割引:
対象走行 NEXCOの高速道路との乗り継ぎ
割引額 普通車100円、大型車210円(中央道、アクアラインの場合 普通車210円、大型車410円)
期限 2016年3月31日

放射道路端末区間割引:
対象走行 放射道路の端末区間と都心環状線間
割引額 距離に応じて普通車100円~210円、大型車210円~410円
期限 2016年3月31日

埼玉内々利用割引:
対象走行 戸田出入口または美女木ジャンクションから埼玉新都心線のさいたま見沼出入口間
割引額 普通車100円、大型車210円
期限 2016年3月31日

中央環状線迂回利用割引:
対象走行 都心を迂回した中央環状線利用
割引額 普通車100円、大型車210円
期限 2016年3月31日

環境ロードプライシング割引:
対象走行 大型車のみで横羽線「大師〜浅田」の通行抑制区間を通行せず、湾岸線「川崎浮島JCT〜大黒JCT」または、川崎線「川崎浮島JCT〜大師出入口」を経由
割引額 旧横浜線エリア970円または980円、空港中央~湾岸環八約15パーセント、その他エリア約10パーセント割引

羽田空港アクセス割引:
対象走行 出発地か到着地が空港中央出入口または湾岸環八出入口の場合で、最短経路に対象となる区間が含まれる場合
割引内容 空港中央口、湾岸環八出入口どちらを使っても近いほうの距離計算にします。
期限 2016年3月31日

アクアライン割引

これは有名ですね。アクアラインは大幅な割引になっています。

対象区間 浮島IC~木更津金田IC (海ほたる往復もOK)
割引料金 軽自動車640円、普通車800円、中型車960円、大型車1,320円、特大車2,200円
70パーセント以上の割引です。まさにたたき売り。

圏央道

首都圏の大動脈に成長することを期待されている圏央道によって湘南から東名、中央、関越、東北道と国道4号線バイパスがつながりました。期間限定の予定で利用促進のための割引が設定されています。

圏央道特別割引:
対象区間 八王子JCT~鶴ヶ島JCT間を全線走行
割引額 軽自動車420円、普通車510円、中型車620円、大型車850円、特大車1,420円
この割引に伴って途中区間走行車の料金が少しづつ引き下げられます。
期日 2016年3月

圏央道連続利用割引:
対象区間:圏央道に連絡する東名、中央、関越、東北、常磐の各高速の都心側及び圏央道海老名ICと湘南方面の家農道を連続走行した場合
割引額 150円(中央道は300円)
期日 2016年3月

名古屋高速

環状道路が完備した名古屋の都市高速での割引が充実しました。

日曜祝日割引:普通車 名古屋線770円を700円、尾北線 360円を330円 大型車10パーセント

夜間割引:0時~6時20パーセント、22時~24時10パーセント割引

ETC端末特定区間割引:
対象区間 環状部分以外のみの走行
割引額 普通車200円 大型車 400円

ETC迂回乗り継ぎ:
都心環状の渋滞区間を迂回するため、吹上東出口で出て、吹上東入口に15分以内で乗り継いだ場合
割引内容 料金を新たに発生させない

伊勢湾岸道路

連続利用割引:
名古屋市の南側の伊勢湾沿いをいくつかの壮大な橋で抜ける伊勢湾岸道を全線利用して接続する高速道路を連続して利用する場合

割引額:軽自動車等100円、普通車150円、中型車150円、大型車250円、特大車350円

割引額からさらに深夜割引、休日割引、平日朝夕割引(下のマイレージ割引で説明)いずれかも適用されます。

阪神高速道路

阪神高速道路でも距離別料金が導入されました

会社間乗継割引:
対象走行 NEXCOの高速道路との乗り継ぎ
割引額 普通車410円、大型車820円
期限 2017年3月31日

端末区間割引:
対象走行 西大阪端末区間、東大阪端末区間、池田線端末区間
割引額 距離に応じて普通車100円~210円、大型車210円~620円
期限 2017年3月31日

西線内々利用割引:
対象走行 北神戸線、神戸山手線、新神戸トンネル、神戸線(西宮IC以西)、湾岸線(甲子園浜以西)のみを6kmを超えて利用
割引額 普通車510円~820円、大型車1,030円~1,650円
期限 2017年3月31日

京都線時間帯割引:
対象走行 平日(月~金)6時~9時/17時~20時及び土曜・休日0時~24時に京都線を利用
割引額 普通車310円、大型車620円(稲荷山トンネルのみ普通車260円、大型車510円
期限 2017年3月31日

環境ロードプライシング割引:
対象走行 大型車のみで5号湾岸線六甲アイランド北~天保山または2号淀川左岸線を利用
割引額 10~15パーセント割引

南阪奈道路

南阪奈道路は廃止された割引制度が継続されています

平日深夜割引:
対象時間 土曜、日曜、祝日を除く0~4時
割引率 50%

休日深夜割引:
対象時間 土曜、日曜、祝日0~4時
割引率 30%

通勤割引:
対象時間 6~9時、17~20時
割引率 50% 午前・午後それぞれ最初の1回のみ

平日夜間割引:
対象時間 土曜、日曜、祝日を除く22~24時
割引率 30%

休日昼間割引:
対象時間 土曜、日曜、祝日 9~17時
割引率 50% 普通車のみ

広島高速

独自の時間帯割引を行っています。

対象時間帯 6時~9時の間、17時~20時の間
割引額 最大10パーセント割引

また広島高速の路線間を乗り継いだ場合には
普通車410円、大型車670円割引です

福岡北九州高速

細かい割引設定がされています

曜日別時間帯別割引
土曜 7時〜22時の間
割引額 福岡高速道路580円、北九州高速道路500円

日曜、祝日
割引額 福岡高速道路550円、北九州高速道路470円

月曜〜土曜 22時〜翌7時の間
割引額 福岡高速道路550円、北九州高速道路480円

ETC特定区間割引:
対象区間 貝塚~松島、多の津、粕屋、福岡IC区間
割引適用後料金
普通車 日、祝日440円、土曜460円、夜間早朝 440円
大型車 日・祝日880円、土曜930円、夜間早朝 880円

ETC乗り継ぎサービス:
走行条件 北九州高速道路2号線「戸畑出入口」と5号線「枝光出入口」を90分以内で乗り継いだ場合
割引内容 料金を新たに発生させない

番外編:新東名や東九州自動車道など新開通に伴う割引

ETCならば受けられる割引でちょっと面白いのは周遊パス。これまでに新東名や東九州自動車道路などの開通の際に例があったのですが、新しい高速道路を周知させるために、いわば乗り放題となる周遊パスを企画することがあります。区間内ならいくらでも乗ったり、降りたり、新路線の魅力を存分に楽しめる訳です。
お得なだけでなく、エンジョイできる企画はこれからも随時企画されるようです。



マイレージによる割引も忘れずに

航空会社が言い出したマイレージサービスというものがありますが、ひんぱんに利用する顧客に対していろいろな優遇処置をする囲い込み戦略のサービスを指しています。ですから海外ではフリークエントフライヤープログラムといって、訳すと本来の主旨どおりの意味になりますが、マイレージサービスの方は一種の和製英語で今ではポイントサービスの代名詞になっています。

通勤割引がなくなり、がぜん意味を持ちだしたマイレージサービス

マイレージサービスの高速道路版がETCマイレージサービスと呼ばれるものでNEXCO3社(東日本、中日本、西日本)と阪神高速、本四高速各社が共同で運営してたくさんの有料道路が参加しています。高速道路利用には選択肢はない訳ですから(使わない自由はありますが)どうしてこんな制度があるのかよく意味が分からなかった制度でした。ところが、2014年4月にいろいろな割引制度の見直しがされたときに通勤割引が無くなった代わりに平日朝夕割引が導入されてがぜん意味を持ちだしました。

マイレージサービスはクレジットカード会社が発行するETCカード、クレジットカードを利用したくない人のためのETCパーソナルカードの利用者の方が利用できるものです。ETCマイレージサービス運用事務局に登録すると走行することでポイントが貯まって、ポイントは後に還元額に変換して利用料金に充当することができます。

かつての通勤割引に代わる平日朝夕割引はこのマイレージサービスを通じてポイントでなく直接還元額が発生します。

この平日朝夕割をはじめ勤務する会社などが支給するETCコーポレートカードを利用の方は仕組みが違ってきます。そもそも多頻度利用者のためのカードでマイレージサービスへの登録はできませんから詳細は会社に問い合わせてください。

運用は複雑です

平日朝夕割を除いても、制度はかなり複雑で注意点も多くあります。まず注目すべきなのは首都高速道路が対象外のところでしょう。対象道路が運営している5社以外にも沢山あるのですが、ETCマイレージサービスのサイトをリンクしますのでそちらから確認ください。

対象道路でポイント率が違います。またポイントには有効期限があります。利用に際してはポイント還元の手続きをして還元を有効にするか、一定額を設定しておいて到達したら割引に当てるか、どちらかを選択します。たくさん貯まってから使ったほうが、還元率が増えて割引額が多くなって得をするためにこのような仕組みになっています。この複雑な手続きはインターネットで行うのが簡単かと思いますが、自動音声ダイヤルや事務局に電話をして申し込むことも可能です。

それからマイレージサービスはETCカードごとのサービスです。例えば友達の車載器に差し込んでお金を払ってあげた場合には友達の車載器ではなくて、お金を支払うことになる自分のポイントになります。このような場合でも損はしませんからご安心ください。

対象道路にもふたつの種類があって、ポイントを使えてかつポイントを獲得できる道路とポイントは使えるけれど走行してもポイントは貰えない道路に分かれています。

平日朝夕割引はさらに利用が限定されます

平日朝夕割はポイントが貯まるのではなく、割引分が後日料金に充当ができる還元額として加算されるもので、ちょっと違う運用になります。それだけではなく対象がさらに限定されます。対象となる道路はNEXCO3社と宮城県道路公社の道路(仙台松島道路)だけです。通勤割引に対して最大の変更点は1ヵ月の利用回数が5回なければそれまでの対象時間の走行が無効になるところです。

祝日を除く月曜から金曜日までのいわゆる平日の朝6時~9時、夕方の17時~20時に対象となる道路会社の東京・大阪近郊にある大都市近郊区間として設定される以外の道路が対象になります。

もともと通勤割引は地方部の高速道路の利用促進策ですから、朝夕の時間帯に混雑する大都市近郊は除外されるわけですし、月単位で少ない回数しか走らなかった場合も除外することで、たまたまその時間、その区間を走っていた車両も対象外にしようという制度なのかなと思います。ただそう考えてもよく分からないところがある制度なので、もうちょっと詳細を見てみましょう。

平日朝夕割引の詳細、適用は100km以内などに注意

具体的に詳細をみてみると対象道路を対象時間に、毎月の1日から末日までに10回走れば50パーセント、5回から9回走った場合は30パーセントを還元額とするというものです。

通勤割引の時と同様に朝、夕の走行おのおの一回だけ適用になります。もちろん1日のうち朝、夕走れば2回のカウントです。また適用されるのは対象区間で最大100キロメートル走行分だけです。時間の判定は出口か入口のどちらかが対象区間の料金所で時間内ならば適用になります。休日、深夜、アクアラインの他の種類の割引を受ける場合には併用されず、平日朝夕割引は適用されません。

実は本州四国連絡橋公団にも同様の朝夕割引がありますが対象車が軽、普通車となります。累計回数の計算も他と合算しません。割引額は10回以上利用の場合で定められたETC利用者の料金がETC利用以外の料金の50パーセントを上回った場合にだけ差額、累計回数5回から9回の場合は10回以上の額の60パーセント相当を還元額とすることになっています。

違う仕組みを取っているこの本州四国連絡橋公団の道路を除いて、こうして条件を見ると大都市近郊以外の利用はどこの利用でも累計できますから本来の通勤だけに絞ろうという意図ではないような、そこまではチェックできないという判断なのかよく分かりません。
そもそも平日のあまり利用されていない高速道路の有効活用策だとすれば、一定の通勤利用も見込むにしても従来の通勤割引で、たとえたまたまの人が利用したとしても有効利用にはなっているのでないかとも思います。

横領罪?もしかして確定申告?

それよりも翌月の20日に還元になる金額は高速道路の利用代金に当てられますので航空券のフリークエンシ-プログラムでも問題になることがある会社のお金で獲得したサービスは誰のものなのかという話が気になってしまいます。

この平日朝夕割引をマイレージサービスでの還元で受けられるのはクレジットカードのETCカードかETCパーソナルカードとなっていて、あくまで個人に付加している航空券のサービスと似ているところがあります。このような場合にはクレジットカードが個人のもので会社には精算を求めていたり通勤手当となっていたりしても会社がポイント還元には関与しないとしていれば個人で使うことに問題はないとされます。横領ではないかなどという心配は無用です。

ただこうなってくると会社からの給与以外の所得となる可能性はないでしょうか。つまり、もしこの還元額が年間の非課税の雑所得に当る金額の上限20万円を上回った場合に申告しなければならないのでしょうか。実はこの件に関しては税務当局からの明確な指針はないのです。ですからいいとも悪いともここに書くことはできません。気になる方は税務署にお問い合わせ頂くとよいと思います。

もちろん個人の費用で個人で還元を受ける場合にはなんの問題もありません。割引を受けたら、そこに税金がかかるということはさすがにありません。いまのところはですが。

ETCマイレージサービス
ETCマイレージサービスはETCによる高速国道等の通行料金のお支払額に応じてポイントが貯まり、そのポイントを還元額(無料通行分)と交換いただける年会費無料のサービスです。 制度の詳細と対象道路が運営事務局のサイトで分かります。

未来のETC割引

ETC2.0が始まっています

新しいETC車載器をよく見てみるとETC2.0などと表記されたものがあります。ETCは電波ビーコン5.8GHz帯を利用していてVICSの渋滞情報などに利用されていますが、そこでの通信方式DSRCに新機能を加えてきているのです。

その機能はITSスポットと呼ばれる道路側のアンテナとの高速、大容量の双方向通信システムです。この仕組みの導入で何ができるのかといえば運転に役に立つ支援情報を送ってもらえて、それをナビゲ―ションシステムと協調させたりできるのです。世界初の路車協調システムだといっていますが、このようなビッグデータの利用はすでにグーグルによってなされているように思います。
ですから世界で初めて計画されただけなんじゃあないかと思うのですが、まだまだ実際の利用は進んでいませんし、車載器の買い替えが必要です。やっぱりグーグルに負けてしまいそうです。

DSRCについてはすでに使われている部分もあり高速道路上で料金所でなくても車載器が反応することがあります。ETCゲートはかなりスピードを落とさないと誤作動しますが、本線上ではしっかり反応しますよね。こちらは180kmでの走行でもしっかり機能するようになっているようです。この通信を使った新たな割引制度が未来には待っているというのです。

ITSスポットがキーワード

いま、ETCを利用したVICSサービスが提供しているのはVICSセンターに集められた情報を処理して渋滞や交通規制などの道路交通情報をカーナビゲーションに表示させたり、インターネットで閲覧させたりするものです。渋滞情報収集は日本道路交通情報センターが行ってこの団体のサイトに行けば確認できますが、渋滞情報、所要時間、交通障害情報、交通規制情報、駐車場情報、エリア別情報表示内容、情報データ数、安全運転支援システムを提供しているとのことです。この中には必要なのかどうかよく分からないデータもあります、例えばエリア別情報表示というのはなんの情報なのかよく分かりません。ですので確かにはっきりとはいえないのですが、グーグルなどが無料で提供しているナビゲーションの情報になくて欲しいものはとりあえず見当たらないような気もします。

新しいITSスポットの独自機能といわれるのは広域の渋滞情報、安全運転支援情報、ETCサービスだということです。例えば広域の情報というのは首都圏全域になったり、近畿圏と中部圏がまるまるカバーされたりということらしく、このような宣伝がされるということはこれまでは、このくらいのエリアを一括して処理できていなかったということなのでしょう。

確かにいままで素朴な疑問として渋滞情報でも今提供されている遠隔地の情報はきちんと反映されて計算されているのだろうかと思うことはあります。ナビの挙動をみていると、とりあえず周辺のエリアの計算をして、徐々に範囲を広げて随時修正が入っているような印象があります。

ETC割引を受ける場合で迂回ルートの特典などの場合、それによって大きく迂回して距離がかかっても時間的なメリットやスムースに走ったがための燃費向上の効果も期待して選択することは当然考えられます。それがいざ行って見たら予想外の渋滞にハマったりしたのではがっかりしてしまいます。

広域の渋滞情報

新しく企画されているETC割引も興味ありますが、現在の特に迂回ルート割引を活用するための情報としてITSスポットサービスが提供する広域情報の中味をもっと知りたいものです。

どうやら、ITSスポットによる情報収集によって1000km先までの渋滞情報を確認して、このデータを反映させた混雑の少ない道を計算してくれるようです。従来の場合は200km程度だったそうですから、どのくらい精度が上がるのか楽しみですね。
ところで渋滞情報の従来技術についてはビーコンなどというものがあります。これは一般道の主要幹線道路に設置されていて、情報提供の範囲は概ね自車の前方30km以内と後方1km以内らしいのです。やっぱりその程度のものだったのですね。

新しいETC割引はITSスポットと連携

さて、新しいITSスポットと連携した未来のETC割引というのはどんなものなのでしょうか。これは広域で収集した情報をもとにドライバーを誘導して、誘導に従ってくれるドライバーにインセンティブとして割引を提供するというものらしいです。

なかなか画期的だとは思いますが、誘導に従ってみたら大渋滞にハマったなどという結果になったら、みなたぶんとても怒りますよね。ですから随分自信が持てなければとてもできないとは思いますが、思わぬ事故が発生して計算が狂うなんてことはよくありそうですからなんともいえないのですが、是非柔軟な対応で有効活用してもらいたいものです。

それではETC割引、有効活用を

自動車は快適につかえてこそ買ってよかったと思えます。特に長距離移動で電車のほうがよかったというのではいろいろな負担に耐えて車を維持するドライバーにとっては泣き面にハチというか、悲しすぎますよね。ETC割引をぞんぶんに活用するとともに未来に向けてどんどん快適なドライブが実現するように願いたいと思います。