早く新型アルファ・ロメオスパイダーが見たい!

イタリアのスポーツカーメーカーと言えば、真っ先に名前が挙がる“アルファ・ロメオ”。自動車に屋根が付くのが当たり前になってからも、精力的にオープンモデルをつくり続けています。1955年には大ヒットモデル“ジュリエッタ”にスパイダーが追加されました。“スパイダー”が車名になったのは1966年のことで、ジュリアGTVのオープンモデルとしてのデビューです。GTV/スパイダーの歩みはここから始まりました。

現代のスパイダー“4CSpider”

出典: http://www.alfaromeo-jp.com/4cspider/
現代のアルファロメオスパイダーと言えば、この“4CSpider”ですね。2015年11月に日本でも販売が開始されました。
ミドシップクーペである4Cのオープンモデルとして用意されていますから、ここでもクーペ/スパイダーの系譜は変わりません。
オープンボディながら、クーペモデルと比べて+10kgという、とんでもない軽量化に成功していますので、クーペとなんら変わらないパフォーマンスを発揮しています。
ただ、“これってスパイダーなの?”っていう声も少なくありません。ミドシップの屋根を切ってもエンジンフードの高さが下げられませんから、このデザインになるのは仕方がないのかもしれません。強度を確保するためにはBピラーが必要なのも頷けます。なのですが、これは“タルガトップ”なのではないかと思うわけです。



新型スパイダーの噂

出典: http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-3f-13/scuderiaverdy/folder/99846/99/38792399/img_0?1359469432
2011年に最後のスパイダーの生産が終了してから、いくつもの新型スパイダーにまつわる噂が飛び交いました。
こんなかっこいいスパイダーがデビューしてくれたら、胸の鼓動が高まるのですが…。

マツダ・ロードスターと共有?

出典: http://www.autoexpress.co.uk/alfa-romeo/spider/65580/new-alfa-romeo-spider-due-2015
“次期”アルファロメオスパイダーはマツダ・ロードスターがベースになる”という話がありました。これは、アルファロメオとマセラティの2ブランドでトップを務めるハラルド・ウェスター氏も認めていた事実ですが、一転計画は破棄されて現代版フィアット・124スパイダーになることが発表されましたね。

では、新型はどうなるの?

今もっとも有力な情報としては、159の後継モデルとして発表された“ジュリア”のプラットフォームが使われるというものです。
いずれにしても、早く登場してくれることを願います。

最後のアルファ・ロメオスパイダー

出典: https://commons.wikimedia.org/
2011年に生産を終えた、現状最後のスパイダーです。なんとも個性的なデザインですね。フロント周りはジョルジェット・ジウジアーロらしく直線的で大胆なデザインですが、リア周りは丸みを帯びた柔らかなデザインで、思わず振り返ってしまいます。

GTVの後継“ブレラ”をオープン化

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%A9
GTVの後を受け持ったブレラです。
デザインはジョルジェット・ジウジアーロです。とても威圧的で好きなデザインなのですが、やはりフロントがとがりすぎている印象です。
このブレラをオープン化したのがスパイダーなのですが、その作業を受け持ったのは他ならぬピニンファリーナでした。
知人が乗っているので何度も見たことがありますが、ジウジアーロデザインのボディにピニンファリーナのエンブレムが貼られている姿はちょっと不思議な感覚でした。



FFのGTVとスパイダー“916”

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC
日本での発売は1996年1月でした。
アルファロメオがフィアット傘下になってから、怒濤の勢いで車種ラインナップの整理・統合が行われました。145、155、164などは、FRスポーツカーを作り続けてきたアルファロメオがFFに切り替わる、まさにその瞬間を支えたモデル達です。
このGTVとスパイダーも同様でした。基本的にはフィアットTIPOのコンポーネントを使って設計されていますが、さすがはアルファロメオですね。見事に個性を打ち出したデザインに仕上げています。

4気筒2.0Lツインスパークエンジン(5M/T)と、V6 3.0L24バルブエンジン(6M/T)が用意されました。 出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%82%AA%E3%83%BBGTV
こちらがGTVです。素晴らしいデザインですよね。ここまでクーペとスパイダーが同じデザインを共有している車種を見たことがありません。
キックアップするプレスラインで上下を分割していて、GTVはそのままルーフに、スパイダーは幌を格納するパネルになっています。

初代スパイダー“デュエット” “ヴェローチェ” “ジュニア”

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC
登場は1966年、ジュリア系のオープンモデルとしてデビューしました。先代にあたるのは“ジュリエッタ・スパイダー”ですが、これはあくまでもジュリエッタのオープンモデルという扱いでした。
ジュリアをベースにした本格オープン2シーターという意味で、アルファロメオから“スパイダー”の車名を授かった初めての車なのです。
以降、マイナーチェンジに合わせてテールデザインが変更されたため、この初期型を“ボートテール”と呼びます。

ジュリア・スプリントGTVの1,570cc109馬力エンジンを搭載してデビューした“デュエット”、1967年にはベースが1750GTVに変わり、1,779cc118馬力エンジンを搭載して“ヴェローチェ”に改称されました。
さらに1968年には、GT1300ジュニアと同じ1,290cc89馬力の“ジュニア”も追加されました。

ビッグマイナーチェンジで“カムテール”に

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1970年に大幅なマイナーチェンジを受けました。一番大きな変化は、従来の“ボートテール”から直線的な“カムテール”になったことです。これにより“広大なトランクスペースを得た代わりに優雅さを失った”と酷評されました。
フロント周りもデザインが変更され、直立した大型のウィンドースクリーンや吊り下げ式のペダル、クラッシュパッドが入った新しいダッシュボードなど、安全製の向上も行われました。
1971年に1750GTVが1,962ccの2000に発展したのに合わせて、“2000スパイダー・ヴェローチェ”に発展します。
翌1972年には1300と2000の中間モデルとして、1,600cc版の“スパイダー1600ジュニア”が再登場しあました。
1974年に小さなリアシートが追加されて2+2になりましたが、日本では保安基準に適合せず2人乗りのままでした。
1974年以降の対米輸出車には、大きなゴム製の衝撃吸収バンパー(いわゆる5マイルバンパー)が装備されるようになりました。
また当時の技術水準では有効な排気ガス対策がなく、パワーダウンによるクリアしか方法がありませんでした。結果、性能が大幅に低下していました。

ビッグバンパー

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1983年、13年ぶりの大きなマイナーチェンジが施されました。フロントグリルと一体化した大型バンパー、リアスポイラーと一体化した大型リアバンパー、大きなテールランプ、一新されたダッシュボードなどが装備されました。
車名は呼び分けが無くなり、“アルファロメオ・スパイダー”に単純化されています。エンジンは1,570cc104馬力と1,962cc128馬力の二種類がありました。
1986年には流行のエアロパーツを装備して、1,962cc132馬力に強化された“クワドリフォリオ・ヴェルデ(Quadrifoglio Verde )”と、シンプルな“グラジュエイト(映画からの命名)”にグレード分けされました。
本革シートの採用やエアコンの装備が可能になりましたが、エンジン・シャシともにスポーツカーとしてはすでに時流遅れで、雰囲気とスタイルを楽しむパーソナルカーとしての性格が強まっていくのでした。

FRスパイダー最終型

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1990年に最後の大変更を受けました。従来の対米輸出車に加え、本国向けにインジェクション仕様のエンジンが搭載されました。ノーズとテールを中心にモダンなスタイリングに改められ、特にテールデザインはヒット作となっていた中型サルーンの164と共通イメージになりました。
ダッシュボードは豪華になり、パワーステアリングが標準装備、運転席エアバッグも装備されました。
3速オートマチックの選択が可能になり、特に日本では“おしゃれな高級オープンカー”として人気車種になりました。
エンジンは1,962cc126馬力のみで、基本モデルの“スパイダー”と、軽合金ホイールや本革シート・エアコンが与えられた上級版“スパイダー・ヴェローチェ”の2種類。
1993年をもって、27年間も続いた初代モデルが生産終了になりました。

オーナーになれるか否か

初代から数えてちょうど50年になるんですね。愛車にするならどのモデルでしょうか。

乗り味は3車3様

初代モデルは、FRの魅力満載の車です。アルファロメオ製の4気筒DOエンジンは素晴らしいサウンドを聴かせてくれますし、特に初期モデルは軽量なボディと相まって実に楽しいドライブフィールを堪能できます。
中期からは排気ガス規制の影響でパワーダウンしている上に安全装備が増えて重量が増していますから、スポーツ走行よりも雰囲気を楽しむ車になりました。

2代目916スパイダーはとてもバランスのよいモデルです。FFとはいえアルファロメオの足回りの味付けは秀逸ですから、わずかなアンダーステアはあるものの良く曲がる仕上がりを見せています。
なによりもパワートレーンが進化していますので、パワーに余裕があります。

3代目は1度しか乗ったことが無いのですが、豪華&快適な上に直噴などの新技術が採用されたパワフルなエンジンと進化した足回りで現代風の乗り味に仕上がっています。

メンテナンス・故障・維持

ジウジアーロデザインの最終型は、なんの問題もないでしょう。特別な儀式は必要ありませんし、現代の技術でつくられていますから、ごく普通に乗って大丈夫です。

2代目のFFモデルも、フィアットの技術力と経済力、流通システムの恩恵を十分に受け取っていますので、よく言われる“すぐに壊れる”車ではありません。
ただし、メンテナンスフリーかと言えばそうでもありません。
これはイタリア車に限ったことではありませんが、日本と欧州では根本的に環境が違いますし文化も違います。これを無視していると痛い目に遭いますよ。
たとえば、欧州に比べて日本の夏は暑すぎます。当然エアコン(クーラー)はフル稼働ですから、ラジエターの電動ファンは悲鳴を上げながら回り続けています。
本国で想定しているよりも遙かに早く寿命を迎えることになるでしょう。これは、アルファロメオが悪いのではなく、事情が違う国へ輸入する人たちが気を遣うべきだと考えています。
“ドイツ車は壊れない”という言葉は、ヤナセが作り上げたのです。「欧州車が日本で走るとこんなトラブルが起きるから、日本向けの車輌はこういう対策をしておいて欲しい」というやりとりをいくつも重ねた結果なのです。
“ローマは一日にして成らず”です。インポーター各社にはがんばってもらいたいですね。

話が脱線してしまいましたが、「日本ではこんなトラブルが起きる」という情報を持っていれば、対策を講じておけば怖くありませんね。

初代モデルは、雰囲気は良いのですがあまりお勧めはできません。
上述したとおり、末期の1980年代後半モデルでも、基本的にはエンジンもシャシも60年代の設計です。信頼できるショップとそれなりのお財布事情が揃わなければ難しいと思います。

中古車を探してみよう

まずは某中古車サイトを覗いてみましょう。

アルファスパイダー(アルファロメオ)の中古車情報・見積り(1〜30件) | Goo-net中古車検索
全国のアルファスパイダーの中古車情報(1〜30件)はGoo-net(グーネット)。価格・年式・走行距離からご希望の車を検索・見積りできます。中古車物件情報が30万台!全国のアルファロメオ(アルファスパイダー)の 中古車検索・見積りなら日本最大級の中古車情報サイトGoo-net! FRスパイダーが結構ありますね。ボートテールの1750デュエットが568万円! いい車なのはわかりますが、ちょっと手が出ません。ビッグバンパーの後期モデルでしたら、100万円以下でも出てきますね。最終モデルのスパイダーベローチェA/Tが77万円とか、意外と球数が豊富で驚きました。
私のお薦めは2代目の916スパイダーなのですが、過走行(100,000kmオーバー)の車でしたら20万円台からあります。走行距離が50,000km以下だと100万円前後ですね。
そう思うと3代目のジウジアーロスパイダーの方がお買い得かもしれません。2.2LのJTSエンジン車でしたら110万円から出ていますね。200万円以下でも十分程度の良い車が見つけられそうです。
3.2LのJTSエンジン車でも260万円程度ですから、916スパイダーよりもコスパがよさそうです。
ただ、このモデルにはマニュアルトランスミッションの設定はあるもののあまり売れませんでした。市場にあるのはほとんどがセレスピードなのですが、A/Tとはちょっと違う乗り味ですので慣れが必要なんです。

車種は違いますが、シトロエンDS3のETG5というミッションと同じ制御ですので、以下の記事の“乗ってみました”を参考にしてみて下さい。 シトロエンに詳しい方でしたら、“DS”という名前にピンとくるのではないでしょうか。私はとても違和感を感じました。1955年~1975年までの20年、シトロエンは“DS”という名前の車を販売していましたから。シトロエンのプレスリリースでは、DS3の名前はこの60年前に誕生した“DS”に由来するというから聞き捨てなりません。名前の由来から諸々含めて、新生DSの中身を覗いてみましょう。2016年1月更新

最後に

新型スパイダーも待ち遠しいのですが、初代スパイダーも趣のある良い車です。これだけ長く続く車ですから、時代ごとに味付けが違って面白いですね。