【トヨタエスティマ】はミニバン界を支えている大事な一台。そのエスティマを徹底解剖します。

トヨタ自動車が製造・販売している「エスティマ」はミニバンの代表格です。そのエスティマは当初の思惑とはちがったクルマでした。今のエスティマにたどり着くまでの軌跡と現行車種のスペックなどをご紹介します。

エスティマとはどんな車なのか

出典: http://toyota.jp/estima/gallery/
エスティマは、トヨタ自動車が1990年に製造・販売を開始した大型高級ミニバンです。初代はトヨタ自ら「天才タマゴ」と呼んだ”卵型”の丸みを帯びた外観が印象的であり、ホンダ・オデッセイとともにミニバンを代表する車種として、今もミニバン界をけん引しています。

エスティマの社名の由来は、英語で「尊敬すべき」というESTIMABLE(エスティマブル)より名づけられました。他車のお手本となるようなクルマという位置づけが最初からあったようですね。



エスティマの簡単な歴史。誕生から現在までのマイナーチェンジ一覧。

【初代エスティマ】「天才タマゴ」という名前のとおり、タマゴ型のボディは衝撃を与えました。

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1989年、幕張メッセで初開催された第28回東京モーターショーにコンセプトモデルとして出展し、「動くカットモデル」の展示は大きな話題となりました。それから約半年後の1990年5月販売が開始され、その卵をイメージさせる未来的なスタイルが注目を浴びました。
1993年2月、廉価グレードとして「X」を追加。トップグレードの「エスティマ」は発売当初から7人乗りを採用しているのですが、こちらの「X」は8人乗りとなっていました。

【2代目】現行モデルの礎となったエクステリア・インテリアデザインが生まれました。

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2代目は2000年1月に販売が開始されました。なお、これまでのエミーナおよびルシーダといったモデルは、本モデルに統合され、消滅しました。

この2代目から、ハイブリッド仕様が登場しています。
翌年2001年6月に初めて登場したエスティマハイブリッドは、トヨタ自動車内ではプリウスに次いで二番目、ミニバンでは初となる市販のハイブリッドカーとして非常に注目を集めました。

そして、2003年7月に行われたマイナーチェンジではTHS-Cを改良して10・15モード燃費を向上させたほか、エアコン使用時に利用するコンプレッサーをエンジンが作動時にはエンジン出力で稼働させ、エンジンが停止時にはコンプレッサーに内蔵されたモーターで駆動する、世界初の「2Wayコンプレッサー」を採用し、エアコン使用時の燃費を向上させているとともに、技術的にも同社の多車種に応用できる技術が生まれました。

【3代目】現行モデルはこれを繰り返し小規模改良し今に至っています。

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3代目は、2005年の東京モーターショーにてコンセプトモデルが発表され、市販仕様はこのコンセプトモデルに準じたデザインと発表されました。そして、2006年1月に販売が開始され。そのあとを追って、オセアニア向け(現地名:タラゴ)やアジア向け(現地名:プレヴィア)も同時展開をした反面、欧州向け販売は中止となりました。

2008年12月、約3年弱の月日を待ってマイナーチェンジが行われ、外装のデザインを変更してより個性を強めた外観となったほか、「アエラス」とハイブリッドの「G」に本革シートを採用した「レザーパッケージ」を追加設定しています。この辺りから高級路線が入り始めます。

最終マイナーチェンジとなる、2012年5月、2度目のマイナーチェンジを行い、外観では「アエラス」のフロントデザインと前後ランプのレンズ色を変更し、18インチアルミホイールを採用しより安定した走りができるようになりました。

【初代】当時はあまりの大きさにあまり受け入れられなかった車種でした。

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 初代は1990年5月に製造・販売が開始され、その卵をイメージさせる未来的なスタイルで注目を集め、従来のワンボックスカーでは前輪前・運転席下に位置しているエンジンを、横に75度寝かせることにより平床化に成功しました。
じつはもともとのコンセプトでは、当時トヨタが開発中だった2ストロークエンジンを搭載する予定で、このことでエンジンルームをコンパクトにまとめることが出来る目算でした。しかし、エンジン開発に失敗し、卵形のボディーが宙に浮く結果となり、急遽一般的な直4/2.4Lエンジンを傾斜搭載することで、何とか日の目を見た企画となりました。
 驚きを持って迎えられたエスティマでしたが、日本国内ではその大柄なボディサイズが扱いにくいとされ、また北米では2.4Lエンジンが非力、欧州では高価だと言う理由で支持を得ることが出来ませんでした。また競合他車がV6エンジンを搭載する中で、直列4気筒と気筒数で劣るエスティマは価格に比して、静粛性そして高級感に劣ると評されました。それでもエスティマは、独創的なスタイルとメカニズムをものにした、ある意味トヨタらしい車でもありました。 出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%9E
また、1994年8月の改良では、かねてからの動力不足の解消のため、「エスティマ」のエンジンにスーパーチャージャーが装着されたのですが、今度は燃費に関しての不満の声がユーザーから上がり、ずいぶんと悩まされたそうです。1996年8月には、それまでの2グレード体系から、上から「G」「V」「X」となる体系へと変更されました。「V」は「X」のスーパーチャージャー付きモデルとして設定され、「G」は「エスティマ」と同様のものとして設定されました。
そして、1998年1月、マイナーチェンジを行い外装デザインを一新。また、新たにエアロパーツを装着したグレード「アエラス」を設定。全てのグレードでスーパーチャージャー付きとなったのですが、4年前の1994年10月に登場し大ヒットを記録していたホンダ・オデッセイの存在により、低下した売り上げの回復には至らなかったことが、2代目のハイブリッドへとつながっていきます。



【2代目】FFレイアウトの採用や居住性を重視したモデルで再出発。ハイブリッド設定も追加。

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2代目のエスティマは、前面衝突時などの安全性と広い室内を確保するためにFFレイアウトを採用しました。またエンジンもいままでの2.4Lの直4に加えて、3LのV6エンジンが追加されました。外観は初代のワンモーションフォルムを踏襲しながらも、吊り目ヘッドライトやボディサイドの大胆なキャラクター変更をおこない、より精悍なイメージを演出しています。また40mm拡大されたホイールベースによって、居住空間の拡大も実現しました。7人乗りと8人乗りが設定されるのは初代同様ですが、リアドアがイージークローザー付き両側スライドドアに変更され、オプションにてパワーアシスト自動開閉ドアも用意されました。
2001年のマーナーチェンジでは、盗難防止に役立つイモビライザーシステムを全車標準装備したほか、チャイルドシート固定用バーの追加、ドアミラーのブルーミラー化などが実施されました。またアエラスに7人乗りを追加といった小規模マイナーチェンジとなっています。
2003年のマイナーチェンジでは、フロントバンパー、ヘッドライト、リアランプなど外装を変更するとともに、新デザインのオプティトロンメーターなどが採用され、7人乗りのみの設定ですがローダウンサスやステアシフトマチックなどを装備したアエラス-Sが追加設定されました。

2代目で登場したハイブリッドは低燃費を実現し、初代からの燃費問題を解決。

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重量およそ1.85tで排気量2.4リットルのガソリンエンジンを搭載する車両ながら10・15モードで18.0km/Lの低燃費を達成するという、当時としては売れ筋の車で低燃費というプラス材料が非常に評価されました。これにより初代からの”燃費問題”は解消されています。
しかし、ハイブリッド化の欠点として、バッテリーを三列目シート下部に設置する為、通常のエスティマと比べ荷室が狭くなる他、三列目シートのシートアレンジが制限されるようになりました。この問題に関しては3代目の登場とともに解決をするようになります。

【3代目】現行エスティマは3代目を改良しながら好調に販売を継続しています。

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3代目はAピラーの三角窓を継続して採用したほか、全てのピラーをブラックアウトし、ルーフが浮いているようなイメージの「フローティングルーフ」となっていることが大きな特徴です。また、リアランプユニットはLEDが採用され、ドアミラーにもLED式のドアミラーウインカーが装備されました。
インテリアデザインはセンターメーターこそ継承したものの、2代目とはうって変わって直線基調で広がり感のあるデザインとなっています。 また、シーケンシャルシフトマチックも搭載されました。

シートタイプはこれまでどおり、7人乗りと8人乗りが設定されてはいますが、3列目シートは2代目のチップアップ式とは異なり、床下収納式となっていることから、7人乗りならスーパーリラックスモードが使えるというめりっとがあります。この、”スーパーリラックスモード”は3列目のシートを収納した状態で2列目のシートを最後尾までスライドさせれば、まるでリムジンのような広大なスペースが生まれるというもの。一方の8人乗りには2列目シートにチップアップ機能を備え、床下に収納できる3列目シートを活用して広大な積載スペースを確保することができるので、多くの荷物を積んで移動する人にもピッタリの一台となりました。

トランスミッションは3.5リットルV型6気筒車がシーケンシャルシフト機能付き6速ATと2.4リットル直列4気筒車が7速シーケンシャルシフト機能付きSuper CVT-iが採用されました。シフトレバーは初代・2代目ではコラムシフトとなっていたが、3代目からはゲートタイプのインパネシフトの設定となっています。

エンジンや燃費性能も格段にアップし、あの問題もいよいよ解決へ。

エンジンは新開発の2GR-FE型3,456ccV型6気筒DOHCの280PSと国産ミニバン、および前輪駆動車で初の280PSを達成するなど、革新的なエンジンとなっています。 また2,362cc直列4気筒はモデルチェンジを機に170PS・22.8kgmとパワーアップし、走りにも自信を持てる一台となりました。ハイブリッド車は燃費が20.0km/Lに向上し、より低燃費で走れる車となっています。

また、ハイブリッドシステムは前モデルのTHS-Cから、2代目プリウスなどにも採用されているTHS-IIに変更され、エンジンとモーターの合計出力が190馬力となり、先代で不満が噴出していた動力性能を今回のモデルチェンジにより解消しています。また、燃費にも優れており、JC08モード走行で18.0km/Lと、同排気量クラスでは世界トップレベルの低燃費を達成しています。これで動力・燃費の不満はすべて解決し、満足のいく一台に仕上がりました。

現行モデルの中でも注目の2モデルのスペックを比較してみましょう。

エスティマ2.4L:アエラスの基本情報

出典: http://toyota.jp/estima/grade/special2/
■スペック(全長・全幅・全高):4,815×1,827×1,745(mm)
■最小回転半径:5.9m
■燃費(JOC08モード):11.4km/L
■排気量:2,362cc
■燃料:無鉛プレミアムガソリン
■定員:7or8
■最高出力(ネット):125kW(170PS)/6,000r.p.m

エスティマ3.5L:アエラスの基本情報

出典: http://toyota.jp/estima/gallery/
■スペック(全長・全幅・全高):4,815×1,827×1,745(mm)
■最小回転半径:5.9m
■燃費(JOC08モード):9.7km/L
■排気量:3,456cc
■燃料:無鉛プレミアムガソリン
■定員:7or8
■最高出力(ネット):206kW(280PS)/6,200r.p.m

まとめ

※イメージ画像 トヨタのミニバンを代表する「エスティマ」の歴史や特徴、現行モデルのスペックなどをご紹介しました。こうやって見ると、最初から順風満帆といったわけでもなかったようですね。やはり、ハイブリッドの登場が転機をもたらしたといったところでしょうか。今やエスティマといえばミニバンの代表格みたいなものです。
そのエスティマは実は2009年のフルモデルチェンジ以来大規模なモデルチェンジを行っていないのです。そろそろではないかとの憶測も飛んでいますが、変わるならどのように変わるのでしょうか。初代のインパクトが激しかった分期待も大きくなってしまいますが、きっと何かやってくれるという期待が持てるのもトヨタならではといったところでしょうか。そんな期待が現実のものとなるよう期待して待っていましょう。