【脊柱起立筋】どこにある?働きは?鍛えるメリット、鍛え方、ストレッチ方法までご紹介!

人体で一番長い筋肉。それが脊柱起立筋です。本当は、「脊柱起立筋」という筋肉は存在しません。しかし、「脊柱起立筋」と呼ばれる存在は確かに、我々の身体には存在します。どういうことなのでしょうね? この記事では、脊柱起立筋を解剖学的に簡単にご紹介し、トレーニング方法、ストレッチ方法、脊柱起立筋のこりが原因で引き起こされる腰痛、肩こりなどの対処方法もご紹介します。

脊柱起立筋とは?

脊髄が一番落ち込んでおり、その両側を見事に鍛え上げられた脊柱起立筋の最長筋が、縦に走る様子がわかりますね。 脊柱起立筋とは、背中を走る縦に長い筋肉群の総称です。背中の中央には脊柱(背骨)があります。その左右に脊柱起立筋は存在するので、2つあることになります。

脊柱起立筋を構成する筋肉は3つです。脊柱から近い順に棘筋、最長筋、腸肋筋で構成されます。これら3つの筋肉はそれぞれ別の筋肉ですが、互いに同じ働きをもち、集まってあたかも1つの巨大な筋肉として動いているように見えるので、総称として「脊柱起立筋」と言われます。

脊柱起立筋は先端と後端で、骨に付着しています。その付着場所は仙骨上部や腸骨稜上部といった腰骨の上部と、頭蓋骨が頸とつながっている部分です。脊柱起立筋は、上半身の背面とほぼ同じ長さです。そのため、肩こり、腰の痛みと多くの身体の不調、倦怠感の原因の1つとなり得ます。

脊柱起立筋の作用

脊柱起立筋には大きく分けて2つの働き(作用)があります。

●上半身を起こした状態を維持する。
●上半身を上に伸ばし、後ろにのけ反らせます。

長時間のデスクワークを行うと、背中に痛みや倦怠感を感じるのは、脊柱起立筋が疲れている証拠です。また、朝起き掛けの背伸びで肩甲骨の内側に違和感を覚えるたり、上体を後ろに反らせたときに腰に痛みを感じたりするのは、脊柱がこっていることが1つの原因となります。

脊柱起立筋を鍛えるメリット

脊柱起立筋を鍛えると、こんなに良いことがあります。

●基礎代謝が上がり、太りにくい体質になる
●長時間のデスクワークにも耐えられる
●背筋が伸びる
●姿勢が良くなる
●洋服を格好良く着ることができる。
●第一印象が良くなり、異性の好感度もアップ!…するかもしれません(笑)

鍛えておかない手はありませんね!



脊柱起立筋の鍛え方

脊柱起立筋のこりが、腰・背中の痛み、肩こりの原因の1つとなります。また脊柱起立筋がしっかりと働いていないと、背中が曲がり猫背を誘発します。これらを防ぐためには、脊柱起立筋を筋トレで鍛えることです。そのトレーニング方法をご紹介します。

【筋トレ1】自重で鍛える!

まずは無理をせず、自分の体重を重りにして鍛えましょう。いきなり無理をすると腰を痛め、ヘルニアになる可能性もあります。
トレーニング方法は、バックエクステンションです。 脊柱起立筋を鍛える「バックエクステンション」 バックエクステンションは、脊柱起立筋だけでなく背中の筋肉をすべて鍛えることができます。というのも、上体を反らすという動きそのものが、背中にある筋肉をすべて使用する動きだからです。

バックエクステンションのポイントは、身体を乗せる部分は股関節に当てること、反動を使わないことです。バックエクステンションは、股関節を支点にして上体を起こします。これは股関節の伸展運動となり、大殿筋とハムストリングスが協調して動くことになります。すると、背中全体の筋肉がさらに協調して動くのです。
筋トレの基本ですが、反動をつけて動かしてはいけません。何にもトレーニングになりません。呼吸を整え、反動をつけずに上体を上げ下げすることがポイントです。

【筋トレ2】ダンベルを追加して負荷をアップ!

初心者でも3ヵ月も続けると、バックエクステンションがラクに行えるようになります。そうしたら、上体の重さを増して脊柱起立筋に負荷をかけましょう。

やり方は、両手にダンベルを持ってバックエクステンションを行います。後頭部にダンベルを乗せなくても大丈夫です。最初は1kg、2kgの軽いダンベルを両手に持って行います。手の位置が普段と違うこと、負荷が上がったことでフォームも崩れがちなので、慣れないうちは毎回フォームを確認しながら行うと良いでしょう。

【筋トレ3】バーベルを使って鍛え上げる!【難易度高】

ダンベルを持ってのバックエクステンションもラクにできるようになってきたら、バックエクステンション卒業です。ステップアップします。次に待っているのはデッドリフトです。 さらに脊椎起立筋を鍛える「デッドリフト」 デッドリフトは大胸筋以外の全身の筋肉を鍛えることができる、忙しい方には非常に有効なトレーニング方法です。
やり方は、バーベルを床に置きます。体はスクワットと同じように動かします。足を肩幅に広げて立ち、腰をまっすぐ落としバーベルをつかみ、そのままバーベルを垂直に持ち上げます。この時、大腿四頭筋と大殿筋の力で持ち上げるので、腕は伸ばしたままです。膝は最後まで伸ばすやり方と、膝を伸ばし切らないやり方がありますが、より高い負荷をかけることができるのは膝を伸ばす方法です。

フォームが正しくないと中腰状態で重量物を持ち上げることになり、ギックリ腰になりかねません。必ず、初めてトレーニングする前にはトレーナーの指導を受けてください。その後、デッドリフトに慣れるまでは、フォームチェックも依頼したら良いですね。

【注意!】バーベルは常に危険と隣り合わせ!

バーベルは、左右のプレートと持ち手のシャフトから構成されています。左右のプレートを交換することで重量を増やし、負荷を上げることができます。一方、バーベルの重量は重いため、正しいフォームで行わないとギックリ腰や肩の脱臼など、思わぬ怪我につながりやすいトレーニング器具でもあります。
ご利用時には必ずインストラクターの指導を受けてください。できることなら何度かデッドリフトを見てもらって、正しいフォームで出来ているか確認してもらうと良いでしょう。

筋トレ後のアフターケア

まずはたんぱく質の補給

たんぱく質の補給は、トレーニング後30分以内が効果大! とされています。 筋トレ終了後、やるべきことはたくさんあります。筋トレはアフターケアが大切です。その中でも、たんぱく質の補給とストレッチはすぐに行うべき優先事項です。筋肉はたんぱく質から出来ており、筋トレは筋肉を破壊し、修復してさらに強固なものにしていくものです。ここで修復材料のたんぱく質が足りないと、筋肉は上手く修復できず、筋力アップにはつながりません。トレーニング前にあらかじめプロテインドリンクなどを用意して、トレーニング後にすぐに飲めるようにしておくのが良いでしょう。

ストレッチで緩める!

トレーニングで強張った脊柱起立筋を緩めましょう。そうしないと、トレーニングで生産された乳酸が蓄積し、疲れが抜けにくくなります。乳酸を筋肉から運び出すには、体内の循環を良くすることです。ジャグジーにゆっくり浸かるのも良いですし、マッサージを受けるのもおすすめです。しかし、もっとおすすめなのはストレッチです。無料ですから(笑)
脊柱起立筋を緩めるストレッチは、キャットポーズです。 猫のように背中を丸める「キャットポーズ」 これはピラティスの手法なのですが、四つん這いからうずくまり、背中を丸めます。その丸みの頂点を保持したままで、長く体を伸ばします。動作は呼吸を確認しながらゆっくりと行います。脊椎が1つずつ離れ、そこから脊柱起立筋も離れるというイメージを膨らませながら、背中を丸めたり伸ばしたりを繰り返します。
気が付いたらリラックスし、脊柱起立筋もすっかり緩んでいることでしょう。 バランスボールを利用したストレッチも有効です。 他にもバランスボールを利用したストレッチも良いですね。脱力して背中を乗せます。もしできるのなら、背中全体でバランスボールを回すようにしても良いですね。脊柱起立筋は常に上体を支えているので、こうやって体の重みから解放してあげます。

ただし、バランスボールは体幹の筋肉やインナーマッスルが出来ていないと、乗り続けることができません。バランスを崩して床に落ちて怪我などしないように、お気を付けください。



脊柱起立筋と痛み・こり

脊柱起立筋に痛みや違和感、こりを感じたら、まずは上記の方法でストレッチしてみましょう。できることなら毎日です。脊柱起立筋のこりは、意外な症状を引き起こします。

【腰痛】脊柱起立筋のこりが原因の1つ

脊柱起立筋は、頭蓋骨から腰骨まで続く長い筋肉群です。デスクワークで長時間座っている、トレーニングでがんばりすぎて腰に違和感をおぼえる、といった場合、骨盤に付着している部位で脊柱起立筋がこっていることが考えられますので、ストレッチで緩めましょう。やり方は、

●背筋をピンっと伸ばし、おへその下の筋肉に力をいれ胸を張る
●脱力して、下腹部と胸を緩める

これを繰り返し行ってみてください。骨盤が前後に動くと思います。これを何度も行い、こり固まっている脊柱起立筋の緊張をときほぐしてあげましょう。骨盤はインナーマッスルが鍛えられ、かつ使い方をわかっていないとなかなか動きません。カンタンにできないこともあると思いますが、何度も練習してみてください。
次に、仙骨の上をマッサージしてあげます。お尻の割れ目(殿裂(でんれつ)といいます)から背骨の間の平たい部分です。そこにも薄くなってはいますが、脊柱起立筋が付着しています。親指以外の4本指を揃え、指の腹ですこし圧力をかけてさすってあげましょう。ポイントは圧力をかけ続けることです。変に圧力を抜くと、肌が傷んでヒリヒリします。

さらに、ここまでの記事で何度かご紹介しましたが、脊柱起立筋は大腿四頭筋、大殿筋と一緒に動き、上体の姿勢を保持しています。腰痛の原因は脊柱起立筋だけでなく、大殿筋がこり固まっていることも考えられます。体を横にして、おしりのほっぺから骨盤までの間をマッサージしてあげましょう。パートナーがいない方は、テニスボールや孫の手についている硬質ゴムのボールを少し強めにお尻に密着させて、転がしてあげましょう。

【肩のこり】脊柱起立筋のこりが関係してる場合も…

脊柱起立筋の経路上には、肩甲骨があります。肩甲骨には16もの筋肉が付着し、肩と背中を支えています。これだけの筋肉密集地ですから、こらないはずがありません。肩がこる、という症状の原因の1つは肩甲骨の可動域が失われていることが挙げられます。肩甲骨の可動域を失わせているのは、こり固まった筋肉で、脊柱起立筋も不名誉ながら、その一員です。脊柱起立筋のストレッチに関しては、ここまでご紹介した方法を試してみてください。
そして肩甲骨回りの筋肉のストレッチ方法は、

●背中をまるめ、両腕を胸の前で交差させます。肩甲骨が横に開きます。
●胸を張り、両腕を後方に引いて、肩甲骨を脊椎に近づけます。
●腕を横にあげ、肩よりも高い位置に上げて脇の下(腋下(えきか)といいます)をひらきます。左右とも行います。
●肩を回します。最初は小さく、だんだん大きく回してください。回転方向も逆転させながら行います。

以上のストレッチで、肩甲骨回りの筋肉のストレッチができます。また、ラスト2つは四十肩・五十肩の予防にもなりますので、おすすめです。

上半身をあげていられないときは…

腰から背中が痛くて、上半身を上げられないときってありますよね。これは、脊柱起立筋、大殿筋に加えて腰方形筋も疲れている可能性大です。対処法として、まずはベッドやソファーなどで横になって、脊柱起立筋を上半身の重さから解放してあげましょう。
楽になってきたら脊柱起立筋や大殿筋はセルフマッサージできますので、鞄にテニスボールやゴルフボールを1つ忍ばせておくと良いですね。腰方形筋はセルフマッサージが難しい筋肉です。整体やリラクゼーションではなく、柔整師さんや按摩師さんが常駐する治療院にいき、症状を伝え、処置をお願いしましょう。

【まとめ】脊柱起立筋を鍛えましょう!

脊柱起立筋のトレーニング方法とストレッチ方法、こりの対処法を中心にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
脊柱起立筋は上半身を支える重要な筋肉です。鍛えておけば背筋がピンっとして、洋服もシャキッと着ることができ、見た目がシュッとして第一印象が良くなること請け合いです。逆に鍛えておかないと、高齢になってから背中が起きなくて腰が曲がるとか、側彎(そくわん)と言って背中が左右どちらかの方向に極端に反り返ってしまうなどの症状に陥ることもあります。
異性から注目されて恋愛年齢を伸ばし、老後は健康寿命も伸ばす脊柱起立筋。若いうちから地道にコツコツと、ケアしてあげたいですね。