キャンピングトレーラーの魅力に迫る

キャピングカーの中でも、乗用車に引っ張られて移動するキャンピングトレーラー、その特長や魅力に迫ります。生産国別の特長や、個性的なモデルも紹介します。

キャンピングトレーラーとは?

クルマの中で寝泊りができるキャンピングカー、その中でも自走機能を持たず、乗用車で引っ張っられて移動するタイプが、キャンピングトレーラーです。ちなみに「キャンピングカー」とは和製英語なのですが、同様に「キャンピングトレーラー」というのも和製英語です。アメリカではトラベルトレーラー、ヨーロッパではキャラバンなどと呼ばれるのが一般的です。



キャンピングトレーラーの基本要素と特長

キャンピングトレーラーは基本的に箱型の車体で、左右のどちらか、車体の前寄りか後ろ寄りに1枚のドアを持ち、また中から外を眺められる窓や、換気用の通気口などが取り付けられている場合が殆どです。
一部の小型なキャンピングトレーラーの場合、天井が低く、室内で過ごす場合に少しポップアップして使うようになっている場合があります。また極めて小型なキャンピングトレーラーの場合、壁や屋根が完全に折りたたみ式になっていて、走行中は平べったいトレーラーに変形するものも見られます。

完全な折りたたみ式を除けば、キャンピングトレーラーの構造としては床下にフレームを持ち、その上にFRPパネルやアルミパネルなどを継いで作られているのが一般的です。ただこのまとめの最後で触れるような、バスタブ構造やモノコックなどの特殊な形状のキャンピングトレーラーも存在します。これらは特に耐久性・耐候性に優れています。
軽量なものを除けば、キャンピングトレーラーにはブレーキが備わっていて、牽引車のブレーキ操作と連動してブレーキがかかり、減速します。ブレーキの有無を問わず、牽引車と連動して点灯するブレーキランプも備わります。

キャンピングトレーラーは一般には独立したバッテリーを積んでいて、室内の冷暖房や照明に電力を供給します。非常に小型なトレーラーなどでバッテリーを積んでいない場合は、外部電力に頼ることになります。牽引している乗用車からの給電は、基本的には生活できるほどの電力を持たなので、あまり現実的ではありません。ただ最近はプリウスやアウトランダーPHEVなど、外部に十分量の電力を供給できる車種も増えています。

車内の装備は車体の大きさによって異なります。小型のキャンピングトレーラーの場合は、大人2人が寝れる程度のソファーベッドのみで室内がいっぱいになっている場合があります。それでも室内の高さがあるので、乗用車の中で車中泊するよりはずっと快適に過ごすことができます。例えば折りたたみ式のテーブルを広げて、道の駅で買ってきたお弁当を広げても良いですし、電熱器でお湯を沸かしてコーヒーを飲んでも良いかもしれません。 ある程度の大きさのキャンピングトレーラーのは、独立したキッチンやトイレ、シャワールームを備えています。ビジネスホテルに泊まるような感覚で、快適に過ごすことができます。車内の水回りは給水タンクの水を利用し、排水は排水用のタンクに貯めることになります。オートキャンプ場などでは、排水タンク用の排水施設を備えている場合もあります。

さらに大きなキャンピングトレーラの場合、車体の前後や中央に、ソファースペースを持っている場合があります。これらをベッドとして全て展開することです、大人5人以上が就寝可能なものもあります。このような大型のトレーラーでは、ドアの位置はやや車体中央に寄ってくる場合が見られます。

ちなみにこのようなレイアウトは、アメリカでは自走式のキャンピングカーでもキャンピングトレーラーでも共通して見られるものです。ヨーロッパの場合は事情が異なり、自走式キャンピングカーの場合はベッドは固定式となっていて、その下部にクルマの内外からアクセスできる大容量の収納スペースを設けている場合が大半です。これは牽引式のキャンピングトレーラーの場合、荷物を牽引者に積めるのに対して、自走式キャンピングカーではそのような収納スペースがないことに配慮されているのです。(アメリカの自走式キャンピングカーの場合は室外に括り付けるような載せ方が多く見られます)

キャンピングトレーラーの長所

自走式のキャンピングカーに比べて、キャンピングトレーラーは普段は駐車場に停めておいて、必要なときにだけ、普段乗っている乗用車で牽引して持ち出すことができるので合理的です。またキャンプする拠点から移動する必要が生じた場合、キャンピングトレーラーを切り離して、牽引する乗用車だけで、そこから出かけることもできるのです。例えばクルマにテントを積んでキャンプに行く代わりに、トレーラーを繋いでいると考えると、分かりやすいかもしれませんね。

またキャンピングトレーラーは室内が基本的に広いのも特長です。自走式にありがちな走行のための駆動装置などがないために、床は低く、見た目通りの室内高が確保されています。

キャンピングトレーラーの短所

キャンピングトレーラーには、自走式キャンピングカーに比べて劣る点もあります。

コンパクトなキャンピングトレーラーでも、乗用車と繋いでしまえば、それなりの長さになります。内輪差やバックなどもあり、運転の力量はそれなりに求められます。高速走行も苦手で、空気抵抗の少ない最新の自走式キャンピングカーが、高速道路での追い越しも楽にこなせるのに対して、キャンピングトレーラーの場合は高速域ではトレーラーが左右にゆらゆらと振れる、スネーキングと呼ばれる現象を起こすことがあるので、運転には注意と自制心が求められます。

キャンピングトレーラーの牽引のためには、牽引する乗用車側に改造が必要です。牽引時は車体にはかなりの負担がかかるので、寿命を縮める場合があります。

国によって制度が異なりますが、日本の場合は、牽引には一定条件を超えると、牽引免許を新たに取得する必要があります。高速道路の料金も、自走式キャンピングカー単体で走るのに対して、割高になってしまいます。

世界のキャンピングトレーラーの特徴

ここからは世界中のキャンピングトレーラーの特徴について、まとめてみます。

アメリカのキャンピングトレーラー

広大な国土を反映するように、非常に大型のキャンピングトレーラーが作られています。また、停車中に車体の側面が外側に迫り出す仕掛けがついたトレーラーもあります。このようなトレーラーは、目的地に到着したら、非常に広々とした空間で寛ぐことができるのが特長です。車体の広さを活かして、キャンピングトレーラーをキャンプのための道具としてではなく、電気や水道、ガスを引いて生活の拠点として家代わりに使っている場合もあります。一方で日本の道路には不向きな大きさのトレーラーも多く、法的に走ることが難しいようなサイズの場合もあります。

それほど大きなものではなくとも、アメリカのキャンピングトレーラーは牽引する乗用車側に相応の負担をかけます。これはアメリカのキャンピングトレーラーの多くが、車体の後ろ寄りにタイヤを配置することで、走行中の重量の一部を、牽引車の後輪側に負担させるような設計となっているからです。そのためアメリカのキャンピングトレーラーの多くは、SUVなど、車体が丈夫な乗用車での牽引が推奨されています。特に車体全体が応力を受け持つ一般的なモノコック構造ではなく、床下に丈夫なフレームを配置したラダーフレーム構造の車体が理想的だとされています。極めて巨大なキャンピングトレーラーの場合、ピックアップトラックの荷台上の部分に、車体が乗りかかるような構造になっているものもあります。

温暖な地域も多いこと、燃料代が安く自家発電などを行っても暖房費がかかりづらいことなどの事情を反映して、断熱性は他国のキャンピングトレーラーに比べて甘いことが指摘される場合があります。

ヨーロッパのキャンピングトレーラー

ヨーロッパのキャンピングトレーラーは、アメリカほど巨大なものはあまり見かけません。とはいえ大型のものは、やはり日本で使うにはかなり大きくなります。一方で、日本で使うにもちょうど良い小型のものも見られます。ヨーロッパの場合、各国の国土は日本よりも広いものの、山道などに入ると意外と狭い道も多く、そのため小型のキャンピングトレーラーも比較的好まれます。

タイヤ配置もヨーロッパとアメリカでは異なります。ヨーロッパのキャンピングトレーラーは、トレーラー中央部にタイヤを配していて、トレーラー全体の重量を、トレーラー自身のタイヤで十分に担うような設計となっています。そのため牽引している側には、それほど大きな重量はかからず、負担も遥かに少なくなっています。ですからヨーロッパでは、コンパクトカーや、ときにはポルシェのようなスポーツカーでキャンピングトレーラーを引っ張っている姿を見かけられます。とはいえ後ろ向きに力はかかるので、車体に相応の負荷がかかることには変わりません。また、このような設計のために、ヨーロッパのキャンピングトレーラーの装備品は、アメリカに比べて相対的に簡素になりがちです。

断熱性はアメリカのキャンピングトレーラーに比べて優れている場合が多く、例えばアメリカのキャンピングカーが窓にガラスを採用するのに対し、ヨーロッパではアクリルを使っています。

日本のキャンピングトレーラー

日本のキャンピングトレーラーは、小型のものが大半です。これは狭い国土事情や道路事情を反映しており、また大きなトレーラーが欲しければアメリカやヨーロッパから輸入すれば良いという、すみ分けができているということもあります。

軽量な日本製のキャンピングトレーラーは、断熱性に優れ、牽引車への負担も少なく、居住性をある程度妥協できるならば、理想的なトレーラーです。ただ近年は、トヨタ・ハイエースなどをベースにした自走式キャンピングカーが、ほどほどの居住性を保ちながらも、取り回しの良さや高速性能などを両立させており、キャンピングトレーラーの長所である居住性の良さをどこまで妥協するかは悩ましい問題です。



注目のキャンピングトレーラー

膨大な車種があるキャンピングトレーラーですが、個性的で注目度が高い車種をピックアップしてみました。

エアストリーム

エアストリームはアメリカを代表するキャンピングトレーラーで、1930年代にまで遡る古い歴史を持ちます。特長的なのはアルミニウム(ジュラルミン)をベースとした一体成型された車体構造で、これは非常に強度に優れ、また耐候性・耐久性にも勝り、非常に長い寿命を持ちます。エアストリームの車体はモノコックだと紹介されることもありますが、車体全体が応力を担うわけではないので、乗用車のモノコック構造とはニュアンスが異なります。ただ内装部材はエアストリームの強度には依存していないので、古いエアストリームの内装を全て取り払い、全く新しい内装でリノベーションされることもあります。独特の銀色の車体は強い存在感を持ち、キャンピングトレーラーのあがりの1台として挙げられることもあります。新車は非常に高価ですが、リノベーション前提の中古の場合は比較的安く手にはいる場合があるのもポイントです。

T.Globe

出典: http://blog.livedoor.jp/mmhoshi/archives/2004-12.html
T.Globeはアメリカ製のキャンピングトレーラーであるカシータをベースに、日本のトランキルグローブが日本の気候風土に合わせて最適化して発注し、販売しているものです。FRP製の車体は上部と下部がそれぞれバスタブ状に一体成型され、それを中央で貼り合わせてあります。そのため継ぎ目が非常に少なく、経年劣化での雨漏りなどのリスクも非常に低いのが特長です。また最低地上高の高さや車高の低さは、アウトドア志向のオーナーに歓迎されています。

CORO

出典: http://catalog.vs-mikami.com/index.php?%E3%82%B3%E3%83%AD
「テントむし」など軽自動車のキャンピングカーを手がける日本のバンショップミカミが、そのノウハウを使って製造する小型軽量のキャピングトレーラーがCOROです。小型軽量の車体はわずか450kgで、牽引免許は不要です。キャンピングトレーラーの入門車種として注目度の高いモデルです。

ERIBA-Touring

出典: http://www.automotiveleisure.co.uk/page28.html
ドイツのキャンピングカーの老舗、ハイマーが手がける、最もクラシカルなキャンピングトレーラーが、ERIBA Touringです。流線型の低い車体は、速度域の高い欧州の道路事情を反映させたもので、独特な魅力を持ちます。ルーフはわずかにポップアップするようになっていて、使用時は居住性を高めることができます。

キャンピングトレーラーを楽しむのに必要なのは?

750kg以上のトレーラーを牽引するには、牽引免許が必要です。また重量を問わず、牽引する乗用車側に、牽引のための改造が必要です。牽引するための接続部の規格はメーカーによって異なるので確認が必要です。ETCを使う場合、再セッティングなども必要になります。

また重量のあるトレーラーを牽引するには、パワフルで丈夫な乗用車が理想的です。例えばランドクルーザーやパジェロのようなラダーフレームの4WDは、キャンピングトレーラーを牽くのに理想的なモデルでしょう。

キャンピングトレーラーの維持費は?

まずは気になるのが税金です。キャンピングトレーラーも車両なので自動車税がかかります。とはいえエンジンを持たない、つまり自動車ではないことから、被牽引車に分類され、その税金はかなり安いです。もっとも自動車ではないのに自動車税というのも、ちょっと不思議な感じですね。

大きさは一般的な自動車と同じように、軽、小型、普通の3タイプに分けられていますが、自治体によって異なるものの、軽は2,000円台、小型は 5,000円台、普通は10,000円台と非常に安くなっています。上で紹介した中なら、エアストリームでも年間10,000円と少しというのは、エンジンのついた自動車の感覚で考えると、驚いてしまいます。

ほかに2年に1回の車検や自賠責などがありますが、年間維持費はボディタイプによるものの、15,000円から25,000円程度で済むので、これは自走式キャンピングカーを所有するのに対して大きなアドバンテージです。但し駐車場を借りる場合は、駐車場台をお忘れなく。

キャンピングトレーラーを中古で買うならば?

キャンピングトレーラーは中古で販売されることも多く、新車に比べてお買い得です。ただし経年劣化などは金属で作られている乗用車よりも早く進む傾向があり、雨漏りなどには注意が必要です。

まとめ

キャンピングカーに憧れているものの、大型の自走式キャンピングカーは敷居が高いと感じられている方は、ぜひキャンピングトレーラーを一度チェックされてみてはいかがでしょうか。キャンプに出かけていないときも、自分専用の隠れ家や書斎などとして使うことができるなど、生活の幅が広がることでしょう。