【プジョー2008】ダカールラリーもこなす本格クロスオーバーSUV

ここ数年、クロスオーバーSUVがはやりです。しかも小さめなのが。やはり日産ジュークの成功が大きいのでしょうか。そのジュークはパリでデビューしましたから、欧州の各メーカーは出し抜かれた感が否めず、後発感がついてまわります。まだまだ勢力を拡大しそうな欧州クロスオーバーSUVですが、中でもラインナップが充実しているプジョーの末っ子SUV“2008”にフォーカスしてみます。2016年1月更新

プジョーのクロスオーバーSUVラインナップ

フランスを代表する自動車メーカーのプジョー。よほど悔しかったのか、クロスオーバーSUVを続々リリースしてきました。欧州では“セグメント”という呼び名で車格を呼び分けていて、A~Fまでクラス分けされています。プジョーはハッチバック&セダンの構成で、A~Eセグメントまでを網羅しています。
余談ですが、プジョーは伝統的に“真ん中にゼロを入れた3桁の数字”を車名に使っています。現行ラインナップでは“208”とか“508”という具合です。この手法はプジョーが車作りを始めた頃からの伝統で、すでに80年以上続いている言わば伝統みたいなものです。
そんなプジョー、ハッチバックを含むセダンとは別の車種、SUVとかワンボックスなどには“中央2桁をゼロにした4桁の数字”を当てているのです。

プジョー初のSUV“4007”

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%BB4007
欧州でのクロスオーバーSUVの潮流は激しく、「ポルシェ・カイエン」、「アウディ・Q7」、「フォルクスワーゲン・トゥアレグ」、「BMW・Xシリーズ」、「ボルボ・XCシリーズ」など、続々と登場しています。後に続けと言わんばかりに、2007年のジュネーブショーでプジョー初となるSUV“4007”がデビューしました。
ですが、これは三菱アウトランダーのOEMでしたので、純粋なプジョー車ではありませんでした。

待望の自社製SUV“3008”

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%BB3008
2年後の2009年ジュネーブショーで、“3008”がデビューしました。Cセグメントのハッチバックである308をベースにつくった待望の純粋なプジョー製クロスオーバーSUVです。

これはSUVなの?“5008”

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%BB5008
続いて“5008”もリリースされましたが、“508”がベースかと思いきやそうではありませんでした。308の兄弟車である“シトロエンC4ピカソ”のプジョー版で、SUVと言うよりもミニバンです。

末っ子の“2008”

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%BB2008
2013年のジュネーブショーで2008がデビューしました。2010年の日産ジュークに遅れること3年、やっとBセグメントクロスオーバーSUVの登場です。奇しくもライバルであるルノーキャプチャーと同時にデビューすることになりました。
このルノーキャプチャーは日産ジュークをベースに作られているという、なんとも皮肉な巡り合わせですよね。 世は空前のクロスオーバー流行りで、各社こぞってリリースしています。ですが、クロスオーバーというジャンルに明確な決まりはありません。そんな中、ルノーが出したひとつの答えがキャプチャーです。発売以来、欧州ではベストセラーなのだとか。日本ではまだ中身がよくわからないキャプチャーを、徹底的に解剖してみます。2015年11月更新

ラリー選手権で活躍

出典: http://koriyama.peugeot-dealer.jp/cgi-bin/WebObjects/117ecc84b45.woa/wa/read/pj_14f64e6f217
今年も精力的に活動する予定で、1月6日現在はダカールラリー参戦中! 
なんとセバスチャン・ローブ選手が総合1位のようです。



プジョー2008という車

上述の通りライバル達の後塵を拝したものの、プジョーにとっては今一番売れ筋と目論んでいる“小さめクロスオーバーSUV”なのです。
プラットフォームこそ208を流用していますが、先行したライバル達の反省点を上手に克服するような作り込みはさすがプジョーと言いたいところです。

スペック

出典: http://www.peugeot.co.jp/showroom/2008/crossover/p=technicalinformation/
まずは諸々スペックから見てみましょう。

ボディディメンション
全長:4,160mm
全幅:1,740mm
全高:1,550mm
ホイールベース:2,540mm
トレッド:前 1,480mm 後 1,485mm
最低地上高:150mm
最小回転半径:5.5m
車輌重量:1,140kg/1,160kg(パノラミックグラスルーフ車)
乗車定員:5名

エンジン
形式:直列3気筒DOHC
ボア×ストローク:75.0mm×90.5mm
総排気量:1,199cc
圧縮比:11.0
最高出力:82ps/5,750rpm
最高トルク:12.0kgm/2,750rpm
燃料供給装置:電子制御式燃料噴射
燃料:無鉛プレミアムガソリン
燃料タンク容量:50.0L
燃料消費率:18.5km/L(JCO8モード走行)

主要燃料消費向上対策
可変バルブタイミングコントロール
アイドリングストップ
ETG
電動パワーステアリング

動力伝達装置
クラッチ形式:乾式単板ダイヤフラム式
変速比
1速:3.416
2速:1.809
3速:1.281
4速:0.975
5速:0.767
後退:3.583
最終減速比:4.692
駆動方式:前輪駆動

ブレーキ形式
前倫:ベンチレーテッドディスク
後倫:ディスク
ABS標準搭載

サスペンション
前輪:マクファーソンストラット式
後輪:トーションビーム式
タイヤサイズ:205/55R16

凝ったデザイン

出典: http://www.peugeot.co.jp/showroom/2008/crossover/
ボディサイズを切り詰めながらその中で最大の容量を求めると、どうしても寸胴なデザインになりがちなのですが、ルーフへ上るピラーのラインを絞ることで直線的な四角にならないようにまとめています。小さいながらもどっしりとした印象を実現しています。
サイドからバックドアに流れるプレスラインが秀逸で、そのまま繋がるバックドアの造形はライバル達と一線を画していますよね。大きな面構成でも間延びしないように、実に上手くまとめられています。このクラスでも一切妥協しないプジョーの姿勢の現れではないでしょうか。
ルーフレールを含めての全高を1,550mmにしたのは、日本からのリクエストでしょうか。機械式の立体駐車場をクリアするためとしか思えません。
最近のプジョーで統一されている小さめのグリルとつり上がった眼は、猫科の動物を思い浮かべてしまいますね。そういえば、プジョーのエンブレムに採用されているライオンこそ猫科の頂点でした。

上質なインテリア

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いわゆる“小型車”に属するこのクラスの車とは思えないほど質感の高いダッシュボードや、アルカンタラとテップレザーのコンビネーションシートなど上質な素材がふんだんに使われた室内は、2クラス上のレベルを実現しています。
加えて、小径ステアリングやヘッドアップインストルメントパネル、タッチスクリーンマルチインフォメーションディスプレイなど208譲りのドライビングプレジャーが、高めのドライビングポジションと相まって、さらに軽快で新感覚のドライブフィールを実現しています。 出典: http://www.peugeot.co.jp/showroom/2008/crossover/p=interior/
中でも面白いのは、このアンビエンスランプです。直線で構成された何本ものLEDランプが夜の室内をエレガントに演出してくれそうです。
上級グレードのCiero(シエロ)にはパノラミックグラスルーフが装備されているので、アンビエンスランプは付かないのかと思いきや、ガラスルーフの両脇に装備されるそうです。 出典: http://www.peugeot.co.jp/showroom/2008/crossover/p=interior/

積載性能

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スクエアに大きく開くリヤハッチドアは、積み込み口の高さがわずか60cmで荷物の積み卸しに苦労は要らないでしょう。2/3-1/3でサイズ変更できる“ユニットパネル”を使えば、下に3.50~1.94立方メートルでスペースの大きさを変えることができます。
床面には荷物を積み込みやすいように、積み込み口から座席背もたれまで5本のガイド・レールが取り付けられています。こう言うのが地味ですがありがたいですよね。フロアカーペットの上では荷物が移動してくれませんから。もちろん走行中に荷物が暴れないように6箇所もフックが用意されていますので、安全に固定ができます。
トランクの両サイドには止めベルトと仕分けネットを備えた収納スペースもありまので、まとめにくい小さな荷物はそのまま放り込んでしまいましょう。
もちろん、リヤシートは6:4の分割可倒式ですので、荷物の量と乗員数に応じて切替ながら使えます。5人乗って5人分の荷物は…となりますが、2~4人でのお出かけでしたら快適な室内です。

乗ってみましょう

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我が家から一番近いプジョーディーラーさんには、マカハ・ブラウンのプレミアムが展示してありました。しげしげと眺めていると“よかったら試乗してみませんか?”とのお言葉が! そりゃそうでしょう。2年落ちのルノールーテシアに乗ってきたこの客、取り込める可能性は極めて高いですぞ。こちらにその気は無いのですが(申し訳無い)“実はその言葉を待っていたのですよ”と言わんばかりにお願いしてしまいました。
しかも試乗車は上級グレードのシエロです! 

いざ発進!さすがの足回り

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ではではスタートしてみましょう。やはり長年フランス車と付き合っているからでしょうね。プジョーに乗るととても落ち着きます。もちろん、我が家のルノー2台もそうなのですが、プジョーの足回り設定は安心できますね。
よく“ネコ足”と称されますが、決して広くない街中で、しかも石畳の道を走るために鍛えられたからなのでしょう。
国産車になれている方には硬すぎる印象だと思いますが、決して衝撃をはねのけることなくしっかりと吸収しながら路面の情報をドライバーに伝えてくれます。おかげで突然荒れた路面に遭遇しても、あわてることなく対処できます。
それでいてのび側は十分すぎるほどストロークしますので、どんなにロールしても後ろ足が路面を放してしまうことがありません。いつまでも路面を掴まえていてくれるのです。
コーナーの進入後に停車車輌などの障害物を見つけても、躊躇することなくステアリングを切り足すことができます。
今回も“プジョーのネコ足は健在”を実感させてくれました。

好印象のエンジン

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エンジンもよくできていますね。実はこのエンジンはシトロエンDS3を試乗したときに体験済みなのですが、1.2Lとは思えないほどパワーもトルクも十分です。3気筒にしたことで、2気筒の太いトルクと4気筒のスムーズさをいいとこ取りできている印象ですね。
ノンターボで82ps・12.0kgmは立派ですし、1.160kgととても軽量なボディですのでグイグイと引っ張ってくれる印象です。 【シトロエンDS3】“DS”は50年代に端を発するプレミアムラインの称号|GOIN[ゴーイン]
シトロエンに詳しい方でしたら、“DS”という名前にピンとくるのではないでしょうか。私はとても違和感を感じました。1955年~1975年までの20年、シトロエンは“DS”という名前の車を販売していましたから。シトロエンのプレスリリースでは、DS3の名前はこの60年前に誕生した“DS”に由来するというから聞き捨てなりません。名前の由来から諸々含めて、新生DSの中身を覗いてみましょう。2016年1月更新

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やはりいまひとつのトランスミッション

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ETG5は、マニュアルトランスミッションのクラッチ操作とギヤチェンジ操作を車が行う機構ですので、車がクラッチ操作を行うタイミングを感じ取る必要があります。
私は以前1007に乗っていましたので耐性がありますが、一般的なオートマチックトランスミッションに慣れている方には受け入れがたいかもしれません。
特に走りだしは意外と引っ張るのでシフトアップがスムーズにできませんでした。
これは1速3.416に対して2速1.809と、ギヤ比が大きく離れているからでしょう。2速をもう少し1速寄りにできなかったのでしょうか。よく見てみると、4速で0.975とすでにオーバードライブ設定なんですね。5速に至っては0.767と“超”がつくオーバードライブです。
高速走行を快適にしたいのと、燃料消費率を抑えるための工夫なのでしょうが、少なくとも日本で乗るにはそぐわない設定と言えますね。
慣れが必要ではあるものの、そのあとはハンドルから手を離すことなく操作できるパドルシフトのおかげで、意外に気持ちよく走ることができます。
シフトレバーでもパドルでも操作できますので好みが分かれるところですが、個人的にはパドル操作の方がレーサーライクで楽しめます。
慣れてきたら、“そろそろクラッチが切れるな”っていうタイミングがわかるようになりますので、それに合わせて右足を僅かに緩めてやると“カッコン”とシフトチェンジしてくれます。
排気量にゆとりのあるエンジンではありませんので、積極的に高回転域を使うと喜びます。
基本的にマニュアルトランスミッションですので、2ペダルで扱うための工夫がいくつかあります。ひとつは発進時にクラッチをはやめにつなぐクリープ機構で、ブレーキペダルを離せばゆっくりと進みます。もうひとつは、坂道での発進をスムーズにおこなうたものヒルスタートアシスタンスです。坂道で停車した場合、ブレーキペダルを離してもブレーキ作動がキープされます。



手に入れるには

トランスミッションのクセさえ掴んでしまえば実に乗りやすく、普段の買い物の足からロングドライブまで付き合ってくれる素敵な相棒2008。
手に入れるにはいくら必要なのでしょうか。 PRICE | Peugeot 2008 Urban CROSSOVER
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www.peugeot.co.jp
プジョーの公式サイトによれば、新車価格は以下の通りです。
べースグレードのプレミアム:2,591,000円(税込)
300台限定のレザーエディション:2,650,000円(税込)
上級グレードのシエロ:2,846,000円(税込)

プレミアムでも十分な装備なのですが、シエロのパノラミックグラスルーフは魅力です。
いまなら実質30万円値引きのクーポンが使えます(2016年3月末まで)。

中古車では

某中古車サイトを覗いてみましょう。日本中に33台あるようです。
2014年12月登録、走行6000kmのシエロが208万円ですね。年が明けましたから表面上は2年落ちですが、12月登録車なら実質1年落ちじゃないですか。なかなかのお買い得感です。
モデルチェンジはおろかマイナーチェンジもしていませんし、メーカー保証も引き継げますので、中古車の購入の方がお得な選択かもしれません。
グレードも色もいろいろ出ていますので、お好みの1台を探してみて下さい。

今年中、遅くとも来年にはシトロエンで先行した1.2Lターボエンジン+6速A/Tバージョンが出てくると思われますので、新車の購入をお考えでしたら少し待ちの方が良いかもしれませんよ。

まとめ

大流行のコンパクトクロスオーバーSUVですが、いろいろなシーンで使えるSUVの欠点だった“大きすぎ”をうまく解消していますから、とても使い勝手がよいですよね。視点が高くて運転しやすいのも人気の秘密なのでしょう。
折角でしたら、本場欧州のクロスオーバーSUVに挑戦されてはいかがでしょうか。