【ダイナモ】ひたむきに働き続けるけなげなヤツ

“ダイナモ”って聞いてピンと来る人、どれくらいいますか。“聞いた事もない”という人や“名前は知ってるけどよくはわからない”という人が大半なのではないでしょうか。自動車とオートバイには必ず付いていますし、ほとんどの自転車にも付いています。最近は携帯型のものも多く見受けられます。構造や働きが理解できれば、正しい使い方や効率よい使い方がみえてきますよね。なんだかよくわからないシリーズ“ダイナモ”です。

ダイナモって何?

さて今回のお題、ダイナモについて考えてみましょう。そもそも“ダイナモ”ってなんでしょうね。実は私も名前の由来は知りませんが、“発電機”の総称です。貴方の車が電気自動車じゃなくても発電しているんですよ。ヘッドライトを点灯したりエアコンを動かしたりする電力は、ダイナモが作り出しています。
“バッテリーの電気で動いてるんじゃないの?”と思うかもしれませんが、そのバッテリーに貯める電気はダイナモが作っています。これはオートバイでも同じ事です。最近は、自転車に電池式のライトを付けている人もいますが、一昔前はフロントタイヤの横にくっついていましたよね。とたんに漕ぐのが重くなるあれです。あれもダイナモなんです。
いかがですか? ちょっと興味が出てきましたか。作動原理とか応用とか、少々小難しい話も出てきますが、概要が理解できると使うのも楽しくなりますよ。

ファラデーの電磁誘導の法則

いきなり難しい言葉の登場です。すみません。でも、これを覚える必要はありません。あくまでも、ダイナモの原理をお話しする中で出しておいた方が良い名前であって、これが理解できなければダイナモが理解できないなんてことはありません。
“ファラデー”は発見した人の名前です。“電磁誘導”なんて言うと難しく聞こえますが、平たく言えば“電磁石”のことです。中学校で理科の時間に習ったハズですよ。そんな昔のことは憶えていないなんて言わないで下さいね。
導線をぐるぐる巻いたもの(コイルと言います)に電気を流すと磁石になるっていうアレです。これを言い換えると、コイルが磁石(磁界)の影響を受けると電気を発生するということなんですね。この原理を利用して発電するのがダイナモです。

発電の仕組み

出典: https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/4516.html
これが発電機の原理です。世の中にあるほぼすべての発電機は、どれもこの原理を応用したものなんです。コイルの導線の巻き数を増やすと発電量が増えますので、コイルの巻き数で電力を調節できます。さらにこれをいくつも束ねれば、たくさんの電気がつくれます。

原子力発電所でも

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%A9%9F
極端な例ですが、こんなに大型の発電機でも基本的な原理はさきほどの豆電球を光らせる回路と同じなんです。写真はアメリカの原子力発電所にある発電機です。核分裂反応で発生する熱を使って水を沸騰させて、その蒸気で蒸気タービンを回すことで発電機を回して発電しています。
この仕組みは火力発電でも同じで、石油や石炭、液化天然ガスなどの化石燃料を燃やして熱を作り出し、その熱をりようしてボイラーで蒸気を発生させて発電機を回しています。

交流と直流

出典: http://www.ne.jp/asahi/sound.system/pract/Nagas_HP/kokoro5.htm
これまた難しい話ですよね。でも大切ですので少しだけ触れておきます。ダイナモの一番のウィークポイントと言える問題です。磁石にはS極とN極がありますよね。S極がコイルの横を通過するときと、N極が通過するときとで逆向きの電気が発生してしまうのです。これを交流電気と呼びます。
例えば電球の場合、極性がありませんのでどちら向きに電気が流れても点灯します。ですから、自転車のライトに着いているダイナモはこのままで問題がありません。一瞬に電気の向きが変わりますので厳密に言えばその瞬間に点滅していますが、人の目には見えませんので点灯しているように見えます。
ところが、モーターだったらどうでしょう。極性が入れ替わるたびに反転してしまいますよね。これは大問題です。発電機としては不合格と言わざるをえませんよね。 出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%88%E6%B5%81
そこで、整流装置が考案されました。現代では“ダイオード”と呼ばれる半導体を使って整流するのですが、発電機が考案された初期の整流装置は磁石の回転に合わせて入り切りする接点式でした。いずれにしても、これで一方極性の電気が取り出せるようになった訳です。これを交流電気に対して直流電気と呼びます。

3相のアイデア

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%A2
いよいよ飛躍的な進化の時がやってきます。先ほどの整流装置で交流電源を直流電源に変更することに成功しました。でも波形をよく見ると、電力に谷間が出来ていますよね。発電できている区間と発電していない(逆向きなのでカットされておる)区間があります。このままだと、電球は明滅(明るくなったり暗くなったり)しますし、モーターだったら回転速度にムラができてしまいます。
そこで考案されたのが上の図の形式です。コイルを3セット用意して回転する磁石の周りに3回路、120度ずらして配置するのです(上の図は2個1セットにして3系統6個のコイルを使っています)。こうすることで発電の波がすこしずつずれて生まれるので、発電しない区間を無くすことができます。それどころか、ゼロにはなっていませんが山の上と谷底の落差を随分小さくできましたね。

さらなる進化

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC
これは、一般的な車に使われている発電機のカット図です。横文字なのでわかりにくいかもしれませんが、今まで話してきたダイナモとは違うところがあります。今までの話の中では、コイルの中で回転するのは磁石(この場合永久磁石)でした。ですが、ファラデーの法則の中では磁界とコイルの関係性が問題でしたから“磁界を発するもの”であればなんでも良かったのです。
そこで、中で回転させる磁石を永久磁石ではなく電磁石にする方法を試みました。一番の理由は発電力を上げるためです。磁界が強いほど発電力が上がることに気づいたので、永久磁石よりも強い地場を作り出せる電磁石を使うことを考えたのです。
でも、回転する者にどうやって電気を送り込むかが大きな問題でした。そして考案されたのが“ブラシ”と“スプリットリング(スリップリングとも呼びます)”です。真ん中にある回転軸の一番右端に“Split rings”という表記が見えますね。さらにその上にある緑色の箱。これが“ブラシホルダー(ブラシの格納箱)”です。ブラシとは棒状の金属端子のことで、ブラシホルダーの奥にあるスプリングの力で、軸と一緒に回転するスプリットリングに押しつけられています。これで、回転するローター(図中の“Rotor”)に電気を送って電磁石にすることが可能になりました。
このブラシとスプリットリングの発明は、回転物に電気を送る技術としてあらゆる分野で活用されるようになりました。と同時に、発電機にとってはその回転数以外でも発電能力の調整ができるようになったのです。一定の回転数のままでも、ローターに流す電流量を調節すれば発電能力が変更できるようになりました。

もうひとつ大きな進歩は整流器です。これまでのダイナモでは、コイルごとに接点式の断続器が付いていて逆向きの要らない電気をカットしていましたが、“レクティファイア(Rectifier)”と呼ばれる整流器が開発されました。これにより、下半分を切り捨てるのではなく、交流発電した電気を直流に変換できるようになりました。

ダイナモとオルタネーター

こうして直流電源をつくる機械として進化してきたダイナモですが、電気を消費する側から見ると交流の方が利便性が高いことが判明し、交流発電機が主に使われるようになりました。現代のご家庭に送られてくる電気も交流電源です。
次第に“ダイナモ”という名前は直流発電機を表すようになり、交流発電機は“オルタネーター”と呼ばれるようになります。ただ、車やオートバイの電気回路は直流電源で動くように設計されていますので、ダイオードを使った整流器で直流電源に変換されています。整流器まで含めると直流電源を取り出しているので“ダイナモ”と呼ぶべきですが、発電機としての構造は交流発電機なので“オルタネーター”と呼んでいます。

こぼればなし

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%8B%95%E6%A9%9F
実は、モーターが生まれたのはダイナモのおかげなんです。先ほどの、3系統コイルによって格段に発電力を高められることに着目したのはゼノブ・グラムという人です。グラムはさらなる発電力強化に向けて2個のダイナモをつないでみました。2つを同時に回すと見事に2倍の電気を取り出すことができました。でも、その実験の最中に新たな発見をしたのです。
間違って片方だけを回して(発電する)しまったら、もう片方が回転を始めたのです。回転させると発電するダイナモは、電気を流すと回転するのです。これがモーターの発見でした。以降、技術の発達により進化していますが、今でもモーターが回転する原理はこの“ダイナモの裏返し”なんですね。



ダイナモのいろいろ

オルタネーターの普及に伴いダイナモの用途は低電力、特に低電圧の直流電源が欲しいときに限られています。最新のオルタネーターも含めて身の回りのダイナモを見てみましょう。

自動車で使われるオルタネーター

出典: http://auto.howstuffworks.com/alternator1.htm
自動車に搭載されるオルタネーターは、エンジンの回転を動力源として主に電装部品の電源を発電しています。古くはエンジンの出力軸回転を直接オルタネーターの回転に使っていましたが、ベルトとプーリーを介して伝達されるのが一般的です。発電した交流電力はレクティファイアで直流に変換されて、バッテリーやコンデンサに蓄えられます。
バッテリーが完全充電されるまでオルタネーターで発電を行うのが一般的でしたが、それではオルタネーターを駆動する負荷がエンジンにかかり続けて非効率なので、近年のエコ思考の自動車ではバッテリー電圧が必要な電圧を下回らない範囲にオルタネーターの発電量を抑えたり発電を停止させたりする制御を行う車種が多くあります。
発電作業は減速時に集中的に行うように制御して、定速走行時や加速時にはエンジン負荷を低減して燃費を向上させる“回生ブレーキ”の仕組みです。回生ブレーキによって発生する電力を、より効率的に充電するために、従来のバッテリーとは別にリチウムイオン電池を追加(スズキ エネチャージ)したり、キャパシタを追加(マツダ i-ELOOP)して、可変電圧式のオルタネーターを採用している車種もあります。
オルタネーターは電圧を与えればモーターとして駆動させることができるので、発電意外にもスターターとして利用していたり、マイルドハイブリッドと呼ばれる方式を採用する車種ではエンジンをアシストするハイブリッドモーターとして利用している例もあります。ハイブリッドモーターとして利用される場合は36Vや48Vなどで発電して、バッテリー充電や電装品への供給は12Vに降圧して供給されます。
オルタネーターは自動車には当たり前に搭載される装置でしたが、ハイブリッド車では搭載されていない例も少なくありません。ハイブリッドモーターで発電を行って高電圧大容量の駆動バッテリーへ蓄電し、電装品やバッテリーへの供給はDC-DCコンバーターを介して12Vにしてから電力供給しています。

オルタネータ以前の自動車のダイナモ

出典: http://nomesobon.boo.jp/MV_MAGNI900/topics.cgi?pg=40
オルタネーター以前はどんな車にもダイナモが使われていました。そしてエンジンルームのどこかに接点式の整流器とボルテージレギュレータが付いていました。交流発電機に比べると発電量が少ないですから、回転速度が低いとほとんど発電できません。昼間ならまだ良いのですが夜間に信号待ちで停まっている時はヘッドライトも点灯するので電力が足りず、ウィンカーが点滅しなくなるなんてこともありました。
また、古いオートバイやスクーターには“セルダイナモ”が使われていました。初期の軽自動車(360cc)にも採用されていました。これは、先ほどの“ダイナモとモーターは表裏一体”を具現化したものです。エンジン始動時には、バッテリーの電力でモーターとしてはたらき、エンジンが始動するとその力で発電機に転じます。なかなかの働き者です。
上述したとおり、最近(と言っても70年代以降です)の自動車ではオルタネーターが主流ですし、2000年ごろからはオートバイもオルタネーターが使われるようになりました。

自転車のダイナモ

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%A2
“これこれー!”って感じですよね。自転車の発電機としてはもっともポピュラーです。タイヤ(もしくはリム)に押しつけることで駆動しますので、リムダイナモと呼ばれています。実に単純な構造で、しかも必要最小限でとても理にかなったつくりです。ただスリップさせないために強烈なちからで押しつけているので、使ったとたんに漕ぐのが大変になってしまって、ついつい無灯火でムニャムニャ… 出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%A2
こちらはハブダイナモと呼ばれるタイプです。車輪の中央部分、ハブと呼ばれる部品の中に組み込まれていますのでそう呼びます。比較的大きなコイルを使用できるので発電効率が高く、ペダルの重さに影響が少ないので、漕ぐ方も楽でいいですね。

手動式のダイナモ

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%A2
災害時などの非常用の懐中電灯・ラジオ・携帯電話に使われています。ほとんどのものが本体に接続されているレバーを手で回すことによって発電しますが、握ることで内部で弾み車が回転するものもあります。

ダイナモが壊れるとどうなる? 故障と症状

ここからは自動車のダイナモについて話をしましょう。ダイナモが壊れるとどんなことがおきるのでしょうか。オルタネーターもダイナモの仲間ですから同様に扱います。

発電しなくなる

ダイナモは発電機ですから発電しなくなります。ではダイナモが発電しなくなるとどうなるでしょう。すべての電気が消えてとたんに車がストップ…とはなりません。バッテリーが壊滅状態の場合はその可能性もゼロではありませんが、普通はそうはなりません。
バッテリーに充電されている電気を使いながら、それまでと同様に走行可能です。一通り電装品は動きますし、ライト類も光るはずです。ただ、バッテリーに蓄えた電気を消費してしまうと、その先はまさに“お先真っ暗”とうことになりますので、早めに整備工場へ向かいましょう。
発電しなくなると警告等が点灯します。メーターパネルの中にあるバッテリーの画の赤色のランプ(チャージランプ)が光ります。これは、発電機からの電力がなくなった合図ですから、ダイナモが壊れたかダイナモを回しているベルトが切れた、外れたなどの可能性が高いです。 出典: http://www.drbmw.jp/?p=3618

時々発電しない?

初期症状としてはこちらの方が多いと思います。チャージランプが点いたり消えたりするんです。つまり、働きづめのダイナモが時々休憩をするんですね。ほんとによく働きますから、できればたまには休憩させてあげたいのですが、ダイナモを休ませるとバッテリーに蓄えた電力を消費してしまいますからいつか車が停まってしまうかもしれません。
この症状は壊れる前触れ(というかすでに壊れています)で、そのうち警告灯は点きっぱなしになります。

チャージランプが点きっぱなし、もしくは時々点くという場合、ほとんどがブラシの消耗が原因です。ダイナモの仕組みのところでお話ししたブラシが磨り減って、スプリットリングに当たらなくなってしまっています。偏摩耗が理由で当たったり当たらなかったりすると、チャージランプが点いたり消えたりするわけです。完全に当たらなくなるとチャージランプは点きっぱなしになります。

メーターの照明が明るくなった?

メーターの照明に限らず、ヘッドライトやルームランプでも同じ事がおきます。電気が明るくなる、ワイパーが速く動くなどの症状が出ることがあります。これは、発電しすぎの症状です。具体的には、“ボルテージレギュレータ”という部品が壊れている可能性が高いです。ダイナモは構造上、回転数が変わると発電量が変化します。でもエンジンで駆動していますから、回転数が一定のはずはありませんよね。アイドリングくらいの低回転からしっかり発電させようと思うと、5,000回転ころには発電量が多すぎてしまいます。多すぎて困ることはないように思いますが、バッテリーに過度の電力を押しつけると最悪の場合は爆発しますのでとても危険です。そのため、ダイナモには発生する電圧を一定に抑える機能が備わっています。それがボルテージレギュレータの仕事です。
ですから、この症状のときはボルテージレギュレータが疑わしいということです。

発電しているのにバッテリーがあがる?

なんだか始動時のセルモーターの回り方が元気がないとか、セルモーターが回らないなど、バッテリー上がりの症状が出ているのに、点検すると発電しているしバッテリーも充電機能は大丈夫、と言うケースです。しっかり点検すると、発電はしているものの発電量が少ないことがあります。走行中に消費する電力が発電量を上回ると、バッテリーに貯めていた電気を使いますから、ダイナモの発電量が減るとバッテリーの蓄えが減ってしまいます。例えばヘッドライトを消し忘れてバッテリーがあがってしまうと電装品はなにも動かないほど消費しますが、発電量がわずかに足りない状況だとルームランプは点くのに、オーディオもしっかり鳴るのに、セルモーターが回らないという状況になります。
発電はしているけど発電量が少ないという場合は、レクティファイアが壊れている可能性が高いです。これも仕組みの中でお話ししましたが、整流装置のことです。たくさんのダイオードの組み合わせて構成されていますので、そのうちのひとつかふたつのダイオードが壊れると発電量が少なくなります。

異音が聞こえる

ダイナモ内部の回転部分をささえるためにベアリングを使っています。長く使っているとベアリングも寿命を迎えます。すると“ゴー”という音が出始めます。音が出ていても発電はしますが、ベアリングが焼き付いたり壊れたりすると色々と危険なことも考えられます。
ベアリングが壊れてダイナモが回らなくなると、ダイナモを回しているベルトの行き場がなくなって、外れるか切れるかのどちらかがおこります。私は切れたダイナモのベルトがクランクプーリーに巻き付き、タイミングベルトを押してしまってシリンダヘッドが壊れた車を見たことがあります。症状には必ず原因があります。普段とは違う症状に気づいたら、速やかに専門医に相談して下さい。人の身体と同じです。“早期発見早期治療”が被害を拡大しない一番の手立てです。



ダイナモの修理とその費用

では、ダイナモが壊れてしまったらどんな修理が必要なのでしょう。また費用はどの程度なのでしょうか。

オーバーホール?

対象のダイナモが分解できて、中の部品が手に入ることが大前提です。例えば最初のケースでしたらブラシが消耗しているだけですからブラシを交換すれば直ります。部品代は数千円で済みますから、工賃を合わせても2万円程度ではないでしょうか。次のケースだとボルテージレギュレータですね。これも部品台だけなら1万円もしないハズです。レクティファイアは結構値が張るのですが、それでも2万円以下で手に入ります。
ただ、せっかくブラシ交換をしてもすぐにボルテージレギュレータが壊れるかもしれませんし、レクティファイアが断線するかもしれません。修理してもまたすぐに修理が必要になるかもしれませんよ。そうならないように、せっかくオーバーホールするなら消耗品はすべて交換しましょう。
全部換えると、工賃を合わせると5万円くらいでしょうか。

ダイナモ交換!

私がメカニックだった頃は、ほとんどのダイナモが分解できる構造で、ボルテージレギュレータやレクティファイアの交換が可能でした。ものによってはベアリングの交換も可能でしたから、ダイナモのオーバーホールは当たり前の作業でした。
時代が変わったのですね。最近ではダイナモのオーバーホールなんてしないんですね。お値打ちなリビルド製品が用意されていますし、新品を購入しても10万円以下で手に入ります。私がメカニックだった頃は新品だと15万円以上、20万円を超えるものもありました。
ダイナモの中身で消耗品は、ベアリング、ボルテージレギュレータ、レクティファイア、ブラシですから、すべて交換しても工賃とあわせて5万円くらいかかります。新品が15万円以上した時代は、使えるものは使ってオーバーホールが当たり前でしたが、いまとなってはリビルド品に交換する方が賢い選択なわけですね。

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交換工賃はまちまち

ダイナモは分解修理するよりも、もはや交換した方が安上がりということは理解できました。整備士の端くれとしては使える者は直して使いたいのですが、その方が高額になってしまうのではなかなか受け入れてもらえない話ですよね。
では、そのダイナモ交換作業はどうなんでしょう。これは車種によってまちまちなんです。一昔前の車ってエンジンルームがスカスカで、ボンネットを開ければダイナモが“ここにいるよ”って言っているくらいわかりやすいところにいました。当然、交換作業も楽々でした。
でも最近のエンジンルームは、様々な装備品で覆われていてダイナモを探すのはなかなか大変な仕事です。さらに衝突時の安全性なども考慮して、エンジンルームのほとんどがカバーされていることが多いですから、ダイナモの交換作業は苦労しそうですよ。
私がメカニック時代に付き合っていたイタリア車やフランス車の場合は、もっと大変だった記憶があります。上から見ても姿が見えず、下から見てもよく見えず…。足回りの一部を脱着しなければダイナモに手が届かないとか、排気管の一部を外さなければダイナモが出てくる隙間がないとか、そんな車種がいっぱいでした。

中にはエンジンを降ろさなければならないことも

これはごくまれなケースですが、ダイナモを外すために一旦車からエンジンを降ろさなければならない車種もあります。タイミングベルトの交換をするにもエンジンを降ろさなければできない車種がありますが、メンテナンス性なんて一切考えていないのでしょうね。
まぁ、言い換えればその手の車はエンジンの脱着が容易にできるように設計されているのですが、それにしても冷却系統やケーブル、ハーネス類を一旦すべて外さなければなりませんから、なかなかの手間なんです。頻繁にやりたい作業ではありませんね。

USBダイナモって?

スマートフォンが普及したおかげで、面白いものが登場しているんですね。たしかにカーアクセサリーとしてもシガライターに差し込んでつかう充電器は以前からありましたから、オートバイ用や自転車用があってもおかしくないですね。

まずはオートバイ用から

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これは納得の商品ですね。ハンドル回りに固定して電源ケーブルをバッテリーに接続すれば、USB給電ができちゃいます。オートバイの場合はスマートフォンのナビゲーションアプリを利用する人が多いですから、これで給電しながら使えれば抜群に使い勝手が良いですよね。シガライターとセットになっていますから、スマートフォン以外にもあんなものやこんなものも充電・給電できますね。

続いて自転車用

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こちらは自転車用のUSB給電ができる発電機です。まさにあのリムダイナモの原理で発電して、安定装置で電圧を安定させてUSBポートへ給電しているようです。ただ、物理的にはある程度の回転速度がなければ必要電圧に届きませんので、“充電したいのならがんばって漕げ!”ということのようですね。
このほかにも、後輪に押しつけるタイプや、チェーンで駆動するタイプもありました。自転車でもスマートフォンが充電できたら便利ですが、ながら運転は危険ですからやめてくださいね。

災害時やアウトドアに

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本体についているハンドルを回せば発電できて、LEDランプの懐中電灯として使える優れものです。さらにUSBポートが付いていて、携帯&スマートフォンが充電できてしまいます。さらにさらにラジオも聴けますから、まさに災害時に心強い仕様ですね。

最後にまとめ

いかがでしたか。初めからちょっと難しい話が出てきましたので心折れてしまった方がいるかもしれませんね。すみません。でも、原理というか理屈がわかるといろいろとたのしくなってきませんか? わたしはメカニック時代から、不具合の状況とどのようにして直すか、またどうやって再発を防ぐかを理解して貰うことに注力してきました。意味もわからずに高額な修理代金を支払うよりも、内容を理解して支払う方が気分がよくありませんか? どうして壊れたのかも、どうやって直したのかもわからないよりも、理解していたほうが安心して乗れますよね。
電気って目に見えませんから理解しにくいと思います。ですから、身の回りの何かにたとえたりすると理解度が深まります。いまひとつ踏み込めていない方は、怖がらずにチャレンジしてみてください。