【フォルクスワーゲンカラベル】ってあの車のことなの?

フォルクスワーゲンの“カラベル”という名前は愛称(ペットネーム)で、本名ではありません。カラベルとは、“小さな帆船”のことなのですが、そんな愛称が付けられると言うことはだいたい想像がつきますよね。ペットネームが付けられる理由は様々です。車名が変わらずにモデルチェンジを続けると、世代を呼び分けるのに苦労しますよね。日本では“○代目”と呼ぶのが定番ですが、ペットネームで呼び分けることもあります。

カラベルと呼ばれる車

出典: https://fi.wikipedia.org/wiki/Volkswagen_Transporter
フォルクスワーゲンの正式なリリースに“カラベル”と言う名前の車はありません。さきほども言ったとおり、カラベルは愛称だからです。では、本名はなんでしょうね。その答えは“タイプ2”と言います。書いて字のごとく“2型”という意味です。これはフォルクスワーゲン社での形式名称で、ちなみにドイツ語では“テュープ・ツヴァイ(Typ2)”です。
この呼び方は、1960年代にアメリカで始まったようで、ドイツや周辺諸国では“Bulli・ブリ(ブルドッグ)”が一般的な愛称です。愛称ってことは本名じゃないですよね? どうなってるの? ってなりますが、カタログの表記では次のようになっています。
●貨物仕様で前席のみ:VW Transporter(トランスポルター)
●貨物仕様で2列席:VW Delivery Van(デリバリーバン)
●多人数乗用仕様:VW kleinbus(クラインブス:小型バス、英語ではマイクロバス)
●乗用・貨物兼用:Kombi(コンビ:コンビネーション、米国でのステーションワゴンに準ずる呼称)
●後部が荷台仕様:VW Pick-up(ピックアップ)
全部を総括する総称として“タイプ2”と呼ばれています。日本では“ワーゲンバス”とか“デリバリーバン”と呼ばれることが多いようです。



ワーゲンバスと言えば

出典: http://www.dasautoblog.com/2009/10/12/vw-bulli-fanseite-4-millionen-klicks-erreicht/
“ワーゲンバス”と言えばこれですよね。カラベルをさかのぼると、祖先はこいつなんです。フォルクスワーゲンでは、世代順にT1からT6までを連続したシリーズとして扱っていて、その総称には“Transporter”が使用されています。T3(3世代目)の発表時に、フォルクスワーゲン社自身が過去にさかのぼって世代区分を行いました。これにより、“Transporter(独トランスポルター、英トランスポーター)”の第1世代、第2世代、第3世代、略してT1、T2、T3と各世代に対してネーミングを行うようになりました。2015年に登場したT6でも引き続き使用されています。

カラベルの愛称は3代目から

出典: http://crankshaft.exblog.jp/16101043/
皆さんがよくご存じのワーゲンバスは初代モデルなんです。もともとは、フレームの一番後ろに水平対向エンジンが搭載されているタイプ1(ビートルですね)のシャシを見て、キャブオーバー型(前輪の上に座るタイプの総称)のボディを乗せればスペースが有効活用できるかもしれないという着想から生まれた車です。
“カラベル”の愛称が付いた3代目は、1979年に登場しました。発売以前にFF化の噂がありましたが、労働組合の抵抗によってRR方式が存続されたといわれています。先ほど、正式名称が“トランスポーター”だと言いましたが、これでは少々勝手が悪くなりました。トランスポーターとは、運搬する人や運搬する道具を指す言葉です。確かに人や物を運ぶ車ではありますが、もう少し乗用車的な名前の方が売りやすいということになったのです。
そんないきさつから、このモデルになって初めて乗用仕様車に“カラベル”と愛称がつけられたのでした。今でも欧州では“Caravelle”の名前で通用します。ところが北米ではこの名前が使えなかったのか、“ヴァナゴン”という名前で売られていました。“Van”と“Wagon”をくっつけた合成語です。
このT3(3代目)は、日本でもヤナセが“カラベル”の名前で販売していましたが、1990年にフォルクスワーゲン・アウディ日本が設立され、北米での名称である“ヴァナゴン(Vanagon)”の名前で販売を開始しました。ヤナセがフォルクスワーゲンの販売から撤退するまで両者は競合していました。



現在のカラベル

出典: http://www.autosworldblog.com/2015-6th-generation-vw-transporter-t6-specs/
これが現行モデルのカラベルです。2014年に登場しました。ちなみにアメリカでは“ユーロバン”と呼ばれています。最近のフォルクスワーゲンのトレンドにならって角張ったデザインになっていますね。実は4代目から構造を一新して、横置きのFF方式になりました。型式も“70”となって“2型”ではなくなってしまいましたが、欧州では引き続き同じシリーズとして扱われています。サイズも2回りくらい大きくなっています。4種類のディーゼルエンジンと2種類のガソリンエンジンが用意されているようです。残念ながら日本へ正規導入はありませんので、並行輸入に頼るしかなさそうです。

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最後にまとめ

日本でも輸入車の中には本国で呼ばれている名前と違う車がありますし、輸出されている日本車でも日本名とは違う名前で売られている車もたくさんあります。トヨタの“ヴィッツ”が英語圏では使えないのは有名な話ですよね。日本以外では“ヤリス”と名乗っています。このように様々な事情で呼び名が変わることがよくありますが、カラベルがみなさんがよくご存じのあの車の後継車だったことは、余り知られていないことなのかも知れませんね。

T1~T6までをまとめた記事がありますので、こちらもぜひご一読下さい。 今回は、ちょっと変わり種なフォルクスワーゲンのお話です。“ヴァナゴン”という名前なんですが、これは本名じゃないんです。輸出先で様々な事情でニックネームをつけられることがあるのですが、この“ヴァナゴン”という名前もそのひとつです。これは、アメリカで付けられた名前なのですが、日本でも使われるようになりました。そんな名前のいきさつも含めて、ヴァナゴンの素性や魅力を覗いてみましょう。