【三菱ギャラン】最速セダンの「ランエボ」に続くポテンシャルはギャランでの功績

「VR-4」「AMG」モデルなどでモータースポーツ活躍し「国産スポーツカー」と対等に走るメカニズムを装備していた「三菱 ギャラン」のポテンシャルに迫ってみたいと思います。

「ギャラン(GALANT)」

「ギャラン(GALANT)」は、三菱自動車工業が生産していた乗用車です。
一時期、モータースポーツでも活躍した「VR-4」モデルが存在し、スポーツセダンの先駆モデルとなりました。



1thモデルは、「コルト・ギャラン」

「ギャラン」は、1969年12月に「コルト・ギャラン」の名でデビューしています。
「コルト・ギャラン」は、4ドアセダンのボディタイプです。
エクステリアデザインは、「ジョルジェット・ジウジアーロ氏」がデザインし、社内チームによって仕上げられました。
「ダイナウェッジライン」を採用したスタイルで「大ヒット作」となりました。
フロントマスクは、角型2灯スタイルを採用しています。
エンジンは、「1.3L SOHC(4G30型)」を積んだ「AI」シリーズ、「1.5L SOHC(4G31型)」の「AII」シリーズの2タイプを設定していました。
またスペシャルティーカーの「ギャラン GTO」が1970年に発表されました。
1970年5月には、2ドアハードトップを追加し、1971年3月にマイナーチェンジを行ない、丸型4灯ライトへ変更となっています。
1972年9月に「16L GS-5(5速MT)」「14L GL」モデルが追加され、1973年1月には、ハードトップGSは「17L(4G35型エンジン)へ変更さています。

2thモデル(1973年-1975年)

1973年6月に2thモデルが登場しました。
車名も「コルトギャラン」から「ギャラン」となりました。
デザインは、曲面を多用し、ボディサイズは大幅に拡大したために居住性が向上し、後方視界の向上も図られています。
ボディは、4ドアセダン、2ドアハードトップ、5ドアライトバンの3タイプの設定でした。
エンジンは、「1,600ccサターン(4G32型)」「1,850ccアストロン(4G51型)」「2,000ccのアストロン(4G52型)」を搭載しました。
1975年には「1600SL-5」をベースに丸目2灯ヘッドランプとサイドストライプを採用した「1600GT・SL-5」モデルを追加しています。



3thモデル(1976年-1979年)

3thモデルは、1976年5月に「ギャラン Σ(シグマ)」の名称で発売されました。
ボディデザインは、ヨーロピアン調でスタイリッシュな4ドアセダンとなりました。
エンジンは「1.6Lサターン(4G32型SOHC)」「1.85Lアストロン80(4G51型SOHC・サイレントシャフト付)」「2.0Lアストロン80(4G52型SOHC・サイレントシャフト付)」の3タイプを設定しています。
1977年2月には、1.6Lモデルのエンジンが「G32型 サイレントシャフト付・タイミングゴムベルト駆動・MCA-JETシステム装備」エンジンに変更されました。
「2000シリーズ」の「2000スーパーサルーン」「2000GSR」のブレーキが4輪ディスクブレーキ化されホイールが14インチに大型化されました。
1978年10月にマイナーチェンジが施され、全モデルにSAE規格の角形4灯式ヘッドランプが採用され、リアコンビネーションランプも大型化されました。
フロントノーズがセミスラント化され「1600SLスーパー」および「2000GSL」以上の2000シリーズには衝撃吸収式の大型ウレタンバンパーが採用されました。

4thモデル(1980年-1982年)/ 5thモデル(1983年-1986年)

1980年5月に4thモデルが登場します。
先代モデルの直線基調スタイリングデザインで、空力性能を向上したスラントノーズが特徴です。

4thモデル(1980年-1982年)

フォグランプ内蔵のヘッドライト、スラントノーズと一体化されたチンスポイラーなど空力性能の向上が図られています。
エンジンは「1.6L サターン80(G32B型)86PS」「1.85L シリウス80(G62B型)100PS」「2.0L シリウス80(G63B型)110PS」「2.3L アストロンディーゼル(4D55型)75PS」「2.3L アストロンディーゼルターボ(4D55型)95PS」を搭載しています。
「VELNAS(ベルナス)」と呼ばれるドライブコンピュータ(ストップウォッチ・平均速度・燃費・燃料消費量を表示)」「後席パワーリクライニングシート」を備えた最上級グレードの「2000ロイヤル」モデルも存在しました。
1980年11月には、「2.0L」モデルにガソリンターボ車が追加され、電子制御噴射装置の組み合わせで145PSまでパワーアップしています。
1981年11月にマイナーチェンジが施され、バンパーガードを装着しリヤバンパーの中央にナンバープレートを移動しています。

5thモデル(1983年-1986年)

5thモデルは、1983年8月に登場しました。駆動方式がFF(前輪駆動)に変更されました。 エンジンは「G63B型(T/C付)」「G63B型」「G62B型(T/C付)」「G37B型」の4タイプでした。
「G63B型」には、世界で初めてオートラッシュアジャスタを採用しています。
1984年6月には、「2000 スーパーエクシード」追加しています。
可変バルブ機構付「G63B型 シリウスDASH3×2 SOHC 4気筒 12バルブ インタークーラーターボ」エンジンを搭載し、最高出力は200PSでした。
テストデータでは、5速MTで0-400m加速16.0秒、0-1000m加速は29.3秒、最高速度は207.7km/hで、当時の「日産 スカイライン」「日産 フェアレディZ」と直線スピードは、ほぼ互角でした。
1984年10月に4ドアハードトップが追加され、1990年まで製造され、後の「ディアマンテ/シグマ」へと繋がることになりました。
1986年10月には、「サイクロン V型6気筒 2.0L(6G71型)」を搭載しています。
1990年5月には、「ディアマンテ」の登場でハードトップモデルは販売終了し、10月には「2.0L V型6気筒」モデルを含む個人向けセダン販売が終了しています。
1999年12月には、タクシー車市場撤退に伴い、「デボネア」とともにタクシー仕様モデルの生産中止しています。これによって「ギャランΣ(シグマ)」は、23年7か月の幕を閉じました。

6thモデル(1987年-1991年)

6thモデルは1987年に登場し、「E30系」は「Σ(シグマ)」のサブネームが取れ、2thモデル以来「ギャラン」の車名にまりました。
三菱の「スリーダイヤ」のエンブレムも復活しています。
デザインは、オーガニックフォルムと呼ばれるS字状のサイドビューと三菱伝統の逆スラントノーズのボディデザインで三菱らしさが目立つのが特徴です。
「VR-4」以外のラインアップは、「2.0L DOHC 16バルブ(4G63型/140PS)」「1.8L SOHC(4G37型/ECI仕様94PSとエレクトロ キャブレタ仕様85PS)」「1.8Lディーゼルターボ(4D65T型)」「1.6L SOHC(4G32型/79PS)」でした。
1987年12月に、ラリー専用モデルとして「2.0 DOHC TURBO VR-4 R」を100台限定で発売しています。

6thモデルのMC

1989年10月にMCを実施し、バンパー組み込みフォグランプ付き大型バンパーが採用されていました。
「VR-4」にATモデルを追加しています。
「VR-4」のMTモデルは220PSに、「2.0 DOHC(4G63型NAエンジン)」は145PSにパワーアップしています。
「4G63」のNA仕様に「AMG」によるチューニング、専用トランスミッション、専用内外装の「2.0 DOHC AMG」モデルを追加しています。
1990年1月には、「2.0 DOHC TURBO SUPER VR-4」を発売しています。
1989年WRC RACラリー総合優勝を記念したモデルで、本革スポーツシート、シースルーヘッドレスト等を装備して、専用ボディーカラー(オニキスブラック)でした。
1990年10月に「VR-4」の5MTモデルは240PSにパワーアップしていますが、タービンの変更、インタークーラーの大型化、ボンネットへのエアアウトレット装備等、変更されています。
「2.0 DOHCモデル(4G63型NAエンジン)」はハイオク仕様となり160PSにパワーアップしました。
そして特別モデル「2.0 DOHC TURBO VR-4 モンテカルロ」を発売しています。
ビスカスLSD、サンルーフ、専用デカール等を装備し、専用ボディカラー(オニキスブラック)でした。
1991年1月には、「2.0 DOHC AMGタイプII」を発表していますが、エクステリアを「VR-4」と同じものとして値段を下げたモデルです。また「VR-4 Armed By RALLIART」も同時に発売されました。
4WS付きの「E39A VR-4RS」をベースに、「AMG」と同じ「シュロスシルバー」カラーに塗られ、パワーウインドウやオートエアコン、電動リアスポイラーを装備していました。

「VR-4」モデル

最上級グレードの「VR-4」は、三菱の看板車モデルであり、競技ベースモデルとして世界ラリー選手権 (WRC) グループAに参戦させることを前提として開発されました。
当時のハイテク装備(4VALVE、4WD、4WS、4IS、4ABS)を「ACTIVE FOUR」と呼称して装備していました。
エンジンは、直列4気筒エンジン史上最強の205PSを発生させる名機「4G63型」にターボとインタークーラーを装備したスポーツセダンでした。
初期型は、205PSでしたが中期型で220PS、後期型は、240PSとマイナーチェンジ毎にパワーアップが図られました。
またマイナーチェンジで追加されたATモデルは、小径「T/C」など異なるチューニングで、最高出力は210PSに抑えられていました。
そして、「4G63型ターボエンジン」と「4WDシステム」は、ランサーエボリューションに受け継がれることになりました。

モータースポーツ

1988年 ニュージーランドラリーに篠塚建次郎氏によりデビューしています。
11月の「RACラリー」で、三菱にとっては83年以来となるWRC復帰を果たしました。
1988年 APRC(アジア・パシフィックラリー選手権)に参戦し篠塚建次郎氏は、チャンピオンを獲得しています。
1989年 「アクロポリスラリー(総合4位)」でWRCポイントを初獲得しました。
「1000湖ラリー(WRC優勝)」「RACラリー(優勝)」、この年、「ランチア」に次ぐ2勝を記録しました。
1990年 2位入賞2回でマニュファクチャラーズ・ランキングで3位に入っています。
1989年、1990年 「APRC」参戦で「R・ダンカートン氏」が2年連続でランキング2位の好成績を残しています。

「AMG」モデル

マイナーチェンジ時に追加された「AMG」には、「4G63型NAエンジン」をベースに、高速型中空カムシャフト、冷鍛製チタン合金リテーナ、ステム細軸化、ポート径拡大、ピストン変更、触媒排気抵抗低減、プレミアムガソリン仕様化などのチューニングが施されていました。
また排気系のチューニングも施され、「AMG」専用エンジンは、NAという事もあってスペック上は「VR-4」に搭載された「T/C インタークーラ付仕様」に及ばないものの、エンジンフィーリングは高く評価されています。
また、このエンジンの各種パーツは、「フォーミュラ・ミラージュ」においても使用されることになりました。

7thモデル(1992年-1996年)

1992年5月に7thモデルの「E5,E6,E7,E8系」として登場しました。
エクステリアデザインは、「E30系」から一転して丸みを帯びた3ナンバーボディになり、搭載ユニットは、「6A系型」のV型6気筒エンジンでした。
「VR-4」は、「2L 6A12型 ツインターボ」のV型6気筒エンジンでMTモデルが240PS、ATモデルは215PSでした。
1993年10月には、トランクリッド左側のロゴが「MMC」から「MITSUBISHI」となりました。1994年9月には、RV風5ドアハッチバックの「ギャラン スポーツ」が登場しました。
輸出用ギャラン5ドアにRV風の外装を施したモデルでGTの走りとRVの遊び心を併せ持つモデルとして販売されました。エンジンは「6A12型」でターボ付きの「スポーツ GT(MT240PS/AT215PS)」「NA スポーツ(SOHC145PS)」が用意されました。ルーフレールと大型トランクスポイラーが特徴でした。
「GT」には大型のバンパーガードも装備されています。
1995年5月には限定生産の「25周年記念特別仕様車 ヴィエントツーリング」が追加されました。

8thモデル(1996年-2005年)

8thモデルは、1996年8月「EA/EC」系として登場しました。
世界で初めて量産車にガソリン直噴エンジンの「GDI」を搭載した「VR-G/Viento」モデル系の1.8Lとスポーツセダングレードの「VR-4」が設定されました。
「VR-4」は280PS(ATは260PS)を発揮する「2.5L V型6気筒 ツインターボ(6A13型)を搭載していました。また「AYC」「ASC」などの技術が投入されています。
エクステリアデザインは、「E30系」のフロントコーナーを斜めに切り落としたような「ダイアモンドノーズカット」を採用されました。
また警察の捜査車両向けにスチールホイールや黒色ドアノブ、ミラーなど装備の質を落とした「VE」モデル(受注生産)も存在しています。このモデルは当初は警察専用だったものの市販されることになりました。
1998年8月にMCが施され、フロントグリル、パンパー、ボンネット、テールランプの変更がされています。
「2.4L DOHC GDI」モデルの「24 Viento」追加されています。また「VR-4」のATモデルを280PSにパワーアップされました。
2002年9月に「VR-4」が廃止され「2L DOHC」に一本化されます。
そして、2005年6月に日本国内販売を終了しました。
日本国内市場では36年の歴史に一旦幕を降ろすことになりましたが、2007年8月に「ギャラン フォルティス(7th ランサーの日本名)」として、復活しましたが2015年に販売終了となり、国内市場での「ギャラン」は延べ46年の歴史に幕を下ろすこととなりました。

まとめ

「ギャラン」は、三菱の先端技術が惜しげもなく投入され、海外チューニングメーカーからスペシャルモデルが製作されるほどポテンシャルの高い魅力的なモデルでした。モータースポーツで残した功績と共に三菱の名車といえるモデルです。