【スバルプレオ】性能はリッターカー以上!ロングセラーモデルのポテンシャルとは

「スバル」ならでは、パワートレインが投入されトールワゴンでありながらハイパフォーマンスに仕上がっていた「プレオ」は、11年も生産されたヒットモデルです。リッターカー以上の軽自動車「プレオ」の魅力に迫ってみたいと思います。

「プレオ(PLEO)」

「プレオ(PLEO)」は、スバルブランドを展開する富士重工業が販売している軽自動車です。本来、「スバル・360」に引き継ぐモデルでした。しかし初代モデルは、「ヴィヴィオ」の後継モデルとして1998年10月の軽規格改定時に併せて発売されました。2007年以降は商用グレードのみとなり、2010年1月に一旦消滅しましたが、2010年4月に軽セダンとしてフルモデルチェンジされ、2年以上経って、再び乗用モデルも再設定されることになりました。しかし、2thモデルは、自社開発ではなくダイハツ社モデルの「ミラ」のOEM車となりました。



1thモデル「RA/RV系型」(1998年-2002年)

1998年10月9日に「プレオ」の1thモデルが発売されました。登場にあたって1990年代後半は、軽自動車の主流がセダンタイプからトールワゴンタイプに移行しつつありました。そのためにスバルでも「ヴィヴィオ」の後継モデルとして開発がすすめられて登場したのが「プレオ」です。「プレオ」が発売された1998年には、すでに各メーカーの主力モデルの軽トールワゴンが出そろい、スバルは最後発となっていました。開発を指揮したのは、富士重工業の社長になる「竹中恭二」氏でした。「ヴィヴィオ」などと同様にコンセプトは「ドライバーズカー」として開発されました。そのためにスバル伝統のメカニズムが採用されてトールワゴンながら走りの面でパフォーマンスが高いモデルとなりました。また独立したボンネットをもつボディフォルムと「レガシィツーリングワゴン」に似た6ライトのウインドウグラフィックが特徴でした。全高は一般的な軽トールワゴンより低めの1,575mm(ルーフレール装着車は1,625mm)でした。スポーティーグレードから商用モデルまで幅広いグレードがラインナップされており、スバルの軽撤退発表後まで生産される11年を超える長寿モデルとしてスバルを代表する名車となりました。1999年度「RJCカー・オブ・ザ・イヤー」特別賞を受賞しています。

バリエーション

「F」「L」「LM」「RM」「RS」バン「A」の6グレードを設定していました。月間販売目標は8000台でしたが、発売から10日間で達成しヒット作となりました。2001年10月9日に全グレードでフロントグリルのエンブレムを「プレオ」の「P」からスバルのCIである六連星(むつらぼし)に変更しています。

パワートレイン

エンジンは全て排気量「660cc 直列4気筒(EN07型)」エンジンを採用しています。「SOHC自然吸気エンジン」、低圧過給型スーパーチャージャーを搭載し、リッターカー並の動力性能を有する「SOHCマイルドチャージエンジン」、高圧過給型スーパーチャージャーを搭載したスポーツタイプの「SOHCスーパーチャージャーエンジン」、ハイパフォーマンスモデルの「DOHCスーパーチャージャーエンジン」の4タイプが設定されていました。トランスミッションは、5速MTと「CVT」が設定されていました。スバルは「ECVT」を実用化していたこともあって、この時期までの軽バンに「CVT」を採用していたのはスバルのみで、2009年当時もプレオが唯一でした。また、クラス唯一の4輪独立懸架を採用し、全グレードのフロントブレーキにベンチレーテッドディスクブレーキを、「RS」モデルにはリヤディスクブレーキを採用していました。特に注目できるのは「RM」と「RS」は、世界初の仕様となるCVTに「7速スポーツシフト」を採用していました。

「エルキャパ」

1995年11月の東京モーターショーにコンセプトカーとして登場したのが「エルキャパ」です。この「エルキャパ」のデザインが、「プレオ」のデザインのもとになっています。



前期型モデル「1998年2002年」

長寿モデルの「プレオ」ですが、大まかに前期型モデルと後期型モデルに区別することができます。各モデルには、追加モデルや装備が異なっています。

ベースモデル「F」

ベースモデルである「F」は、2000年10月6日にはオフセット衝突に対する安全性能を高め、エンジンと排出ガス浄化システムの改良により、「良-低排出ガス」認定を取得しています。また2002年1月30日に特別仕様モデルの「Fスペシャル」を発表され「FII」をベースにパワーウィンドウ、集中ドアロック(リアゲート連動)、キー一体型キーレスエントリー、リアワイパー&ウォッシャー、電動リモコンドアミラー、ホイールキャップを装備し、機能を充実しながらも価格を抑えた仕様でした。2002年5月7日には、スバル4WD発売30周年記念特別仕様車として「F Limited」が追加されています。「FII」と仕様・装備内容を同一としながら価格を引き下げたモデルで、3カラーの新色のボディカラーが追加されました。

「L」

女性向けモデルの「L」タイプですが、2001年1月31日に特別仕様車を発表しました。「L」をベースに、CDプレーヤー、AM/FMチューナー、フォグランプ、リア濃色ガラス、運転席バニティミラー、お買物フックを追加し、装備を充実させたのが「Lプラスパッケージ」でした。ボディカラーはオプションカラーのグロスホワイトパールを含む6色から選ぶことができました。また2002年1月30日には「LスペシャルパッケージII」が登場しています。2001年1月の「Lスペシャルパッケージ」のバージョンアップモデルで、車高を低くし、新たにシートリフター、カラードドアハンドル、カラードドアミラーを追加装備していました。

「LS」

「LS」は「L」グレードのスポーツバージョンです。フロントアンダースポイラー付スポーティバンパー、サイド&ルーフスポイラー、13インチアルミホイール、マルチリフレクターフォグランプを装備しスポーティなエクステリアデザインに、インダッシュ3連奏CDチェンジャー&4スピーカーを装備して機能も充実しながらも価格を抑えたグレードでした。また2000年5月8日には「LS」の「i-CVT」モデルにサンルーフ付モデルが追加されています。そして2000年10月には、「良-低排出ガス」認定を取得しエクステリアデザインを一新しました。さらに、装備内容の充実を図ったモデルが2002年5月に登場しています。このモデルは、スバル4WDモデルの発売30周年記念の特別仕様モデルで「LS Limited」として発売されました。

「RM」

ラインナップの中で最上級のグレードでした。高圧縮のスーパーチャージャーを搭載したDOHCヘッドのエンジンを搭載していました。

「RS」

スポーツモデルの「RS」は、DOHCエンジンに高圧縮タイプのスーパーチャージャーを搭載し、7ATが組み合わされ、サスペンションシステムも強化されたセッティングで4輪ディスクブレーキが搭載されていました。1999年10月には、4WDモデルが追加されました。また2001年5月に「RS」をベースに専用の大型カラードスポイラー(フロントアンダー・サイド・ルーフ)、2WDモデルには専用14インチアルミホイール、MDプレーヤー&3連奏CDチェンジャー、メッキリング付合皮シフトブーツ、本革巻ステアリングホイール、アルミ製スポーツペダルなどを装備し、装備内容を最上級グレードの「RM」とほぼ同等にした特別仕様車「RS-Limited」が登場しました。また2001年の10月には、エクステリアデザインを一新し、「RS」はエンジン、排気系や足回りも「SHOWA」製のショックアブソーバーがセットされるなどリセッティングされています。これによりコーナリング性能やトラクション性能が向上しました。また新たに専用設計とした5MTモデルが追加されています。さらに、2002年5月には、スバルの4WDモデルの発売30周年を記念する特別仕様モデルの「RS Limited II」が発売されました。このモデルは、2001年5月に発売した「RS-Limited」のバージョンアップ仕様で、ルーフスポイラーにハイマウントストップランプを内蔵し、アルミホイールはブラックに変更、アンサーバック機能付電波式リモコンドアロック(ハザードランプ連動)を新たに装備していました。

「A」

簡素な使用モデルでバンタイプが「F」グレードです。2001年11月に特別仕様モデルの「バンAスペシャル」を発表しています。「バンA」をベースにルーフ形状の変更とサスペンションの見直しで車高を25mm低くしたモデルです。

「スバル トランスケア」

福祉車両のモデルで「ウイングシート リフトタイプ」を初期モデルの全グレードに追加できる設定でした。このモデルは、レバー操作でシートが90度回転し、リモコン操作で乗降ができる電動リフター付助手席を装備していました。しかも、被介護者の疲労軽減を目的に助手席シートもリクライニング機能を備えており、ヒンジを変更して助手席ドアの開度も広めに設定するなど、福祉モデルとして考慮されたモデルでした。

「ネスタ」

クラシックモデルが「ネスタ」です。1999年6月に登場し、クロームメッキの専用フロントグリルや丸型4灯ヘッドランプ等を装備し、ヨーロピアンテイストのクラシカルなデザインに仕上げたモデルです。「ネスタ」モデルは、自然吸気エンジン(5MT)かマイルドチャージエンジン(i-CVT)を搭載するタイプ「G」と、スーパーチャージャーエンジン+スポーツシフトi-CVTを搭載するタイプ「RG」の2グレードを設定していました。

「ネスタG・スペシャル」

2000年5月には、特別仕様モデル「ネスタG・スペシャル」を発売しています。このモデルは、エアコン、AM/FMカセットステレオ、キーレスエントリー、パワーウィンドウ、運転席SRSエアバッグ等を装備し機能を充実しながらも価格を抑えたモデルでした。

「Le(エル・イー)」

「Le(エル・イー)」は、1999年12月に登場したモデルで特別仕様でした。エアコン、AM/FMカセットステレオ+2スピーカー、キーレスエントリー、パワーウィンドウ、運転席SRSエアバッグなどを装備したモデルで93万円からの価格設定でした。

「ニコット」

2000年12月に可愛らしい女性向けのデザインの専用フロントマスクを採用し、第33回東京モーターショーに「CNG」エンジン搭載車として参考出品された「ニコット」を市販化しました。市販モデルでは、エンジンをマイルドチャージエンジンに置換し、i-CVTを搭載していました。インテリアもブルーを基調とした専用仕様、フロントフェンダーはネスタ系と共通モデルとしていました。

後期型モデル「2002年-2010年」

2002年10月8日にグレード体系が整理され、「F」「F-S」「L」「LS」「RS」「ネスタE」「ネスタG-S」「バンA」の8グレードとなりました。エクステリアデザインでは「L」に大幅な変更が施され、バンパー(フロント・リア)、リア、ホイールキャップのデザイン、特別仕様モデルに採用されていたルーフなどを採用し車高を低くしています。「LS」「RS」は、リアまわりデザイン変更を、「ネスタE」は車高ダウンをそれぞれ行いました。また、インテリアでは「F」「F-S」「L」はカラフルなデザインのシートになり、「RS」はダークグレー基調のシートを採用し、「バンA」はトリコットに変更しました。2007年6月に「F」が生産終了となり、バン「A」のみのグレード展開となりました。2010年1月にオーダーストップとなり、「プレオ」は生産終了しました。これにより、約11年間続いた「プレオ」におけるスバルでの自社開発、生産もこの初代モデル限りで終了し、4月19日に名実共に初代モデルの販売が終了しました。

「L」

「L」は特別仕様モデルの「LプラスパッケージII」の特別装備に加え、ライトインライトヘッドライト、電動格納式リモコンカラードドアミラー、アンサーバック機能付電波式リモコンドアロックも標準装備し、充実したモデルとなりました。また特別仕様車「L ナビスタイル」「L MDスタイル」は「L」をベースに13インチアルミホイール、濃色ガラス、メタリック色のセンターパネルを装備し、「L ナビスタイル」にはCD-ROMタイプのインダッシュ式ナビゲーションシステムを、「L MDスタイル」にはプレオADDZEST製のサウンドシステムを装備していました。2003年6月には特別仕様モデル「L SPECIAL COLOR SELECTION」「L SPECIAL COLOR SELECTION」が登場しています。このモデルは、「L SPECIAL」をベースにクリアタイプのフロントターンランプ、カスタードイエロー塗装の専用センターパネル、専用カスタードイエローシート表皮&ドアトリムを装備し、ボディカラーは専用色のミントグリーン・メタリックとエアリーブルー・メタリックでした。また「L」をベースにルーフスポイラー、13インチアルミホイール、タコメーターなどを装備し、スポーティ仕様とした「LタイプS」も存在していました。

「F」

2004年6月にSTDモデルの「F」をベースにスポーティタイプのカラードバンパーやルーフスポイラーなどを採用しスポーティなエクステリアとし濃色ガラス、電動リモコンドアミラー、カラードドアハンドル、フルホイールキャップなどを装備し、使い勝手を高めた特別仕様の「FタイプS」が発表されました。2005年1月には、「F Limited」が登場し、パワーウィンドウ、赤外線式リモコンドアロック&集中ドアロック、電動リモコンカラードドアミラー、レバー式運転席シートリフターなど快適性能を高めた特別仕様モデルとなっていました。

「LS」

「LS」は特別仕様車「LS Limited」の特別装備全てが標準装備となりました。2003年6月に登場した「LS Limited」は、2002年5月に発売した特別仕様車のリファインモデルでブルーリフレクターヘッドライト、フォグランプ、メタリックシルバー塗装のメーターパネル、パワーウィンドウスイッチパネル、アルミパッド付スポーツペダル、専用ダークブルーシート表皮、ドアトリム を装備し、さらにハイマウントストップランプ内蔵大型ルーフスポイラー、ブラック塗装の13インチアルミホイール、本革巻ステアリングホイールが装備されていました。

「RS」

「RS」は特別仕様車「RS Limited II」の特別装備の一部(ハイマウントストップランプ内蔵大型ルーフスポイラー、アンサーバック機能付電波式リモコンドアロック、本革巻きステアリング)を標準装備となりました。本革巻ステアリングホイールに加え、「RS Limited」はゴールド塗装の14インチアルミホイールを装備していました。

2thモデル「L275/285系型」(2010年-)

2thモデルは、2008年4月に発表されたトヨタ自動車・ダイハツ工業との業務提携強化の一環として、「ダイハツ・ミラ」をベースにOEM供給を受けたモデルとして登場しました。「ミラベース」に変わったことで全高が1,530mmと低くなりました。商用車の「プレオバン」は「CVT」から4AT、5MTに変更となっています。

ラインナップ

ラインナップは「プレオ」「プレオカスタム」「プレオバン」の3タイプでSTDモデルが「プレオ」、「プレオカスタム」はスポーティモデルでした。グレードは、「プレオ」が「F」「L」「L Limited」の3グレードで、「プレオカスタム」が「R」と「RS」の2グレードの設定です。

標準装備となっているのは

装備は全グレードでチルトステアリング、運転席シートリフター、フロントシートベルト・ショルダーアジャスターが標準となっています。

ベースと違うエクステリアデザイン

エクステリアデザインは「スバル」の六連星(むつらぼし)のCIマークやモデル名のエンブレムの変更程度で、ベースモデルとなっている「ミラ」からの大きな変更は行っていません。

まとめ

「スバル・プレオ」の1thモデルは、11年にも及ぶロングセラーモデルで幅広いバリエーションを展開し、軽自動車初採用の7ATを搭載し、DOHCスーパーチャージャー、4輪独立サスペンションシステムや4輪ディスクブレーキなどポテンシャルの高いモデルでした。2thモデルとなり他社OEMとなりましたが、再び「スバル」自社の軽自動車として復活してほしいものです。