アルファロメオ4CはF1参戦で命脈を保つのか、心揺さぶられる大人の事情

アルファロメオ4Cはとてもカッコイイ車です。デザインはカロッツエリアの手を離れアルファロメオのデザインセンターが手掛けます。ただアルファロメオ4Cがカッコイイのはデザイナーのお蔭だけではありません。デザイナーが思う存分腕を揮えたのだってアルファロメオ4Cだからこその事情があるんです。

いよいよ本命登場か スパイダーが発売に

本命ということになるのかアルファロメオ4Cにスパイダーモデルが登場しました。日本でも2015年11月21日に販売開始となっています。
ロールバー状のBピラーを持つ、いわゆるタルガトップで屋根の部分はソフトトップになっています。クーペの4Cとは違いリアウィンドウもなくなっていて、エンジンは左右に大きな開口をもったカバーでおおわれています。
イメージカラーもクーペのアルファレッドではなくプロトタイプイエローを推してきました。ヘッドライト部も形状が変わっています。

アルファロメオ4Cは普通ではありえないような車。ちょっとした孤高のきらめきを放つ、異彩な車です。車の性格と性能を考えるとライバルとなるのはロータスエリーゼだと思いますが、スパイダーになるとますますそんな感じです。見た目は4Cがさすがに洗練されていますし、もちろん細かいラインは全然違いますが、ぱっと見た感じは似ています。まさにシルエットは同じ種類の車だといっている感じです。
軽量コンパクトで思いのままに操れる車が欲しいならばエリーゼはピッタリですが、さすがにあのままで普通に乗るのはちょっと勘弁してほしいという場合なら特に、4Cスパイダーはハマると思います。

どちらも屋根が開いていてもさほど困らない構造の車ですが、アルファロメオ4Cの最大の特徴になっているカーボンファイバー製のパッセンジャーセルはまさにF1そのもの。どうしてここまでやってしまうのかという、あきれるくらいの異彩ぶりです。
アルミ合金を航空機の技術の応用で接着剤で張りつけるエリーゼのほうもよくやるなと感じますが、アルファロメオのカーボンボディはまさしくスポーツカーとして万全の体制。おまけにプリプレグ式の、これまたF1技術を応用した工法です。
アルファロメオ4Cはデザインの美しさも大きな価値ですが、目に見えないところに夢が詰まっていてとてもロマティックな車です。よくこんな車が世の中に出てきたなと感心させられます。安いとはいえない価格なのは承知しますが、それでも随分頑張っていて、なんとか手に届くといっていい車ですよね。タマ数は少ないでしょうが、それこそ中古車となった時にはほんとうに手に入る価格になるはずです。人気が沸騰する車でしょう。
ただ、そこまでやってくれなくてもいいという声もあるでしょうし、ロードスターでいいやとか、ロードスターベースで広島で作られるフィアット124があるじゃあないかといわれれば、至極ごもっとも。
理性ではほんとうにそのとおりだと思う反面、アルファロメオ4Cのロマンティックな性格にはどうしても心を揺さぶられるものがあります。

もしお金があまるほどあるならば、アルファロメオ4Cは是非手に入れたいと渇望する、そんな何かがあると思いませんか。



アルファロメオがF1に参戦!?

グループを率いるマルキオンネが推進?

ところでアルファロメオがF1に参戦する意向があるという報道がありました。それも話はセルジオ・マルキオンネから出たということですから、ちょっとしたニュースとなりました。

多くの人は驚いたことと思います。なにしろ現在のアルファロメオはすでにF1に参戦しているも同然です。つまり今では同じフィアットグループのフェラーリが参戦しているのにどうしてということです。
ちなみにスクーデリア・フェラーリのマシンにはアルファロメオのマークがしっかり書かれています。

多くの人は2015年のシーズンが始まる前にルカ・ディ・モンテゼモーロがマルキオンネに追い出されるようにしてスクーデリアを去ったのをしっかり覚えているハズです。

ちょっと意地の悪い人ならば気づくかもしれないですが、ジュリアの販売延期といいアルファロメオは迷走しているのではないかと勘繰りたくなるようなニュースです。
恐らくフェラーリのニューヨーク市場への上場やジュリアがまるで今のマセラーティのような車になって発表されたのはマルキオンネのリーダーシップなのではないのだろうかと予想がつきます。
なにしろ、マルキオンネは市販車のフェラーリをもっとたくさん売るために値段を下げようとしていると噂されているくらいです。
現実主義者でグローバル経済の申し子のようなマルキオンネらしい話ですが、確かにクライスラーとの統合の成功など今や自動車業界でゴーンかマルキオンネかと思える勢い、フィアットグループに多大な貢献のあったモンテゼーモロを差し置いて、アニエッリ家の新帝王エルカーンの心もがっちりつかんでいるようです。

実際にはバッチをつけたいだけ?

何しろアルファロメオはF1で負けを知らないコンストラクターです。1950年に始まったF1世界選手権の初年度はF1に組込まれてオーバルで行われたインディ500こそ参加していませんが、残りのすべてを優勝、翌年もファン・マヌエル・ファンジオが8戦中4勝でチャンピオンを取っています。
戦時中にムッソリーニの意向で国営企業となり軍需産業にも関わっていたアルファロメオには国の経済再建の役目がのしかかって、高級スポーツカーに傾倒することもままなりません。
最初の2年間、選手権を制覇するとそのまま撤退ということになりましたが、F1の最初を飾ったのはアルファロメオ。この事実は燦然と輝いています。
だからアルファロメオがF1に復帰するんだということ、そのものは何も不思議ではありません。

ただ何とも動機が読めないというか、フェラーリのF1活動といえばモンテゼーモロ。2度に渡ってスクーデリアを立て直して栄冠に導いたのです。特にミハエル・シューマッハとの黄金時代は栄光に満ちあふれています。
そしてアルファロメオ4Cというピュア過ぎるほど純粋なスポーツカーもモンテゼーモロが立て直したアルファロメオのプロジェクトの終着点のように思える車です。

復活が発表されたものの延期が発表されたジュリアには同じプラットフォームのSUVもあるとされています。どちらも北米のマーケットでのヒットを狙ったものなのは明らかで、フェラーリの値段を下げて台数を稼ぎたいなどと考えるマルキオンネの意向が強く反映されているのも明確です。
モンテゼーモロがアルファロメオに担わせようとしていたものは若干違うように思いますし、カロッツエリアのデザインから脱却してきたMITOやジュリエッタに続き、継続感のあるデザインの4Cとはどこか違う感じ、言い過ぎかもしれませんが薄っぺらな思想を感じないでもないです。
ジュリアがとてもゴージャスで超高性能な車にも関わらずです。そしてこれもまたモンテゼーモロがマセラーティに与えてきたものと同じような狙いを、なぜまたアルファロメオでも表現しようとするのかかなりな疑問を感じるところでした。

こんな背景があるからこそ、マルキオンネがF1に執着? という思いもしたニュースでしたが、どうやらとりあえずはルノーと揉めたレッドブルがフェラーリエンジンを求めて来たときにアルファロメオのバッチをつけたらどうかという話が発端のようでワークスチームを作るという話でも、エンジンを別に開発するという話でもなかったようです。
ただ、アルファロメオがF1にいるべきだという考えは変わらないようです。結局流れたものの話がレッドブルだったからよかったのですが、力のないチームにただ名称だけを与えることは意味がないですし、どのような考えなのか、ひょっとすると4Cの先行きにも関わるような話なのじゃあないかなとも思います。

なにしろ4Cはマルキオンネの本来の考えからするとまるで感性の合わない車のように思います。スパイダーの登場はこの溝をなんとか埋める方向のものだとは思いますが。

アルファロメオ4Cは確かにF1イメージにピッタリ

F1と同じ考え方で作るコアボディ

逆に4CのピュアなキャラクターはF1のイメージにはピッタリです。走りのために徹底的に追求されるテクノロジーという面では共通点があります。そもそも4CのボディはまるでF1マシンなのですから。
バスタブのような形で二人の乗員を包むパッセンジャーセルのプリプレグ式の工法には材料の保存に専用冷蔵庫と成型に窯が必要で、一般的な車を作るのには使わないものです。
成型する前のカーボンモノコックの材料のプリプレグはメーカーからの出荷時にはシート状になっています。溶解させた樹脂が乾ききらないままカーボンファイバーにまぶしてあって半硬化状態で空気中で3日ほどで完全硬化となります。
プリプレグを重ねて加熱成形してできあがるのですが、ユニディレクショナルと呼ぶ炭素繊維の方向がひとつに揃うようにして最大限の硬度を引き出しているのです。

ダウンサイジングターボを生かす軽量化が効いています

このカーボンファイバー製のパッセンジャーセルにはアルミニウム合金製のサブフレームを組んでフロントとリアに配置。
せっかくのリアミッドシップに余計なオーバーハングによる影響を与えないように最大限の配慮が図られています。
同様にエンジンマウントもアルミニウム合金。高張力鋼と組み合わせた前後のサスペンションと軽量素材のオンパレードです。
エンジンにもアルファロメオの伝統のアルミ製シリンダーブロックを使用していて、さらに4気筒1,750リットルエンジンのダウンサイジングによる軽量化効果を最大限に発揮できるようにターボと相性のよい超高圧式直噴インジェクターを装備して最高出力240馬力を6,000rpmで叩きだす、充分なパワーを確保しています。
問題となりがちな、ターボラグをできるだけ感じさせないために吸気、排気側に備える連続可変バルブタイミング機構とスカベンジング(掃気)テクノロジーを利用、排気ガスの掃気を促して過給効率を高める高度な制御をこなしています。
軽量化とよく仕上がったターボエンジンが達成した時速0~100キロメールの発進加速は4.5秒となっています。スーパークラスの車に肩を並べようかという数値には驚かされます。
この加速性能を誰もが堪能できる仕組みがアルファTCT。やはりF1マシンに搭載されているパドルシフトを使うオートマチックトランスミッションです。
指先ひとつでシフトが可能で必要なことはクラッチ操作含めてアルファTCTが行ってくれます。
バドルシフトがついた車の多くはなんちゃってで形だけのことが多いのですが、アルファTCTはフェラーリがセミオートマを開発した頃からパドルシフト搭載してきたアルファロメオが完成させた、まさしくF1技術のフィードバックの集大成です。
仕組みはデュアルクラッチとなっていて、通常の配置と違い奇数列と偶数列に分かれた隣接する各段のギアはそれぞれ常時組み合わされて回転しています。どちらを使うかは奇数列、偶数列おのおののシャフトについているクラッチ機構のどちらを繋ぐかによってきます。このふたつのクラッチを持っているトランスミッションをデュアルクラッチと呼んでいます。
この仕組みでは人間の操作するマニュアルミッションを越える迅速な変速が可能です。アルファロメオ4Cの超絶高性能は選ばれた人だけが発揮できるようなものではなくなっています。

ボディの外板となるのはSMCと呼ばれるガラス繊維強化樹脂、扱いにくく量産に適さないながら軽量でアルミニウムなどより耐久性に優れているようです。

感性にまで忠実な性能を引き出すアルファTCT

誰にでも容易に性能が発揮できるのは結構なことだけれども、自分の技術が生かせない電子制御まかせの運転ではアルファロメオ4Cのような車の意味がないではないかと考えることもありえます。
もちろんそのことは考えられていてアルファTCTはAlfa Romeo D.N.A.システムで制御されます。
ドライバーのテクニックを発揮するべきシチュエーション、特にサーキットなどで生かせるモードとして他の車種の3つの制御に加わる4C独自のものが追加されていて、それが「Alfa race」モードです。
基本となる3つを順番にご紹介するとまず、「Dynamic」モード。シフトチェンジの時間を最大で
「Natural」モードから25パーセント短縮して、エンジン制御プログラムはアクセルレスポンス重視に切り替わります。ある程度までのドリフトを許容して、操作したステアリングホイールの角度とドリフトによるスリップが危険な領域だと判断しない限りESC(エレクトリックスタビリティコントロール=横滑り防止装置)を介入させません。

「Natural」モードはアルファロメオが考える普通に街中を走るためのモード、標準として提供するセッティングになります。快適でスムーズなことがなによりで無理はしません。Alfa TCTはセミオートマとしてパドルシフトでギアを指定しながら走れますが、その場合でもアシストは怠りません。回転数がレッドゾーンに近づけばシフトアップはしますし、毎分1,000回転以下になればシフトダウンします。デフロックはアルファTCTが制御する電子式です。こちらも標準的に片輪の空転が起こった時に作動します。

「All weather」モードは悪天候、悪路の走りを意識したセッティングになります。ドライバーがしっかり対応できなくても、問題のあるアク セル操作には制御をかけて挙動が破たんしないようになります。ASR(アンチスリップレギュレーション=トラクションコントロールのこと、駆動力の適切電子制御)の機能を基本に忠実に発揮させます。制御はエンジン出力のコントロールとブレーキを使って行います。ドリフト状態にならない方向で安定性も確保します。

4Cに独自に追加された「Alfa Race」モードは出来る限りの電子制御を排除したセッティングです。未熟なドライバーには危険を伴うモードなため「Dynamic」モードから、さらにスイッチを数秒間押し続けなければこのモードには遷移しません。ドライバーの意思を最大限尊重できて、なおかつどうしても危険な状態、ABSが作動するような緊急回避時などにはESCが作動してくれます。サーキット走行などでコーナーを攻め切った時、外荷重によって片輪の空転が起こった場合でも、電子制御式ディファレンシャルがロックしてトラクションを損なわないようにするのも「Alfa Race」モードの重要な役割です。



なんといってもデザインが魅力

こんな風に走りのことを何よりも優先した純粋でロマティックなスポーツカー、だからこその魅力に溢れるアルファロメオ4Cですがデザインは、車の性格を見事に表した官能的なものです。

走りの気持ちよさなら、ロードスターでもよいのではないかとか、ラグジュアリーにツーリングもできるポルシェと値段が変わらないではないかとか、まったくごもっともな意見なのですが、デザインを考えたならば、アルファロメオ4Cの魅力は際立ってきます。

正直言ってアルファロメオ4Cを手に入れるほんとうの価値はここにあるのではないかと思えます。それにお金を払えない人ならば、4Cは買わないでしょう。そんな心意気でなければありえないカーボンファイバー製のボディにだって価値を認めるのは困難なのも分かります。
カーボンセルは要らないから普通にして値段を下げておくれというのも確かな正論になってしまいます。

アルファロメオに限らずイタリアのスポーツカーのデザインが明らかに優れているのには、カロッツエリアの存在も大きかったはずです。
もともとは馬車の時代に車両そのもののシャーシにのることになるボディを作っていた専門業者のカロッツエリアは、その伝統に従ってやはり初期の自動車のボディを作っていました。

次第にカーデザインを提供する会社になっていったカロッツエリアとアルファロメオは関係が深く、特にクーペやスパイダーのラインナップに多く携わって、実に美しい名車を生んできました。ジウジアーロやピニンファリーナなどは皆アルファロメオを作ってきたのです。

この流れが変わってきたのはMITOの頃、限定車的な8Cでの習作をへてMITOからアルファロメオのデザインはアルファロメオチェントロスティーレ(デザインセンター)による社内のデザインとなっています。

この流れに先立ってアルファロメオからは続々と今のヨーロッパの自動車デザインを担う人材が輩出されています。ニキ・ラウダとともにスクーデリアを勝利に導いたルカ・ディ・モンテゼーモロはフィアットに抜擢されたのち、大不振に陥っていたアルファロメオをフォードに買われる前に手入れることに成功します。

モンテゼーモロは辣腕を振るい156の成功をもたらします。ヨーロッパ・カーオブザイヤーに輝いた、この車をデザインした責任者がワルター・デ・シルヴァ、現在はフォルクスワーゲングループに移籍しています。アウディの現在の評価はこの人が築いたともっぱらの評判です。

この後、ジウジアーロのアルファロメオ・ブレラなどの、いかにもそれらしいカッコイイ車が登場しながらデザインチームもどんどん力をつけていきます。
アルファロメオチェントロスティーレではヴォルフガング・ヨーゼフ・エッガーがアルファロメオ・8Cコンペティツィオーネに辿り着きます。
わずか500台のコンセプトモデル的なこの車のデザインはMITOで結実して、ジュリエッタ、4Cと続く今のアルファロメオのデザインコンセプトになります。

ヴォルフガング・ヨーゼフ・エッガーは8Cのあと、やはりフォルクスワーゲングループに引き抜かれてワルター・デ・シルヴァの後任としてアウディに関わっています。

この流れはまさしくヨーロッパカーデザインの現在を物語っているのです。そしてこの間のフィアットを率いたのは名だたる伊達男ルカ・ディ・モンテゼーモロ、貴族の娘の私生児でアニエッリの隠し子ともいわれるイタリア社交界のスターです。

フィアットの先代帝王ジャンニ・アニエッリが亡くなった2003年頃フィアットには現在のトップ、セルジオ・マルキオンネがやってきました。メルセデスベンツが投げ出したクライスラー統合を見事に成功させた敏腕ビジネスマンです。フィアットはジャンニ・アニエッリの弟にゆだねられましたが何と翌年に急死。ジャンニ・アニエッリの娘の子供、30歳半ばのジョン・エルカーンが継承者となりました。

事実として今のフィアットはモンテゼーモロを放逐してマルキオンネ=エルカーン体制となっています。モンテゼーモロの華麗な生き方が投影されたようなアルファロメオの車にも変化が訪れようとしています。

ここまで続いてきた4Cに反映されるデザインですが、アルファロメオがこだわった官能的な時代はもう終わりかもしれません。デザイン面の話というよりも、効率やラグジュアリーな志向だけでなく、たまらなく愛おしくなるような純粋な魅力を放つ車は、とりあえず最後のものになるのかもしれません。

ただF1に参戦しようということならば、4Cのような車がなくてどうするのでしょう。最後になるのかもしれませんが、まだまだ愛することはできるのかもしれません。

現行ラインナップをみてみます

4Cスパイダーの発売によってクーペモデルとの2本立てになりました。

Alfa Romeo 4C

インテリアの志向はドライビングへの集中がテーマ。素材そのままにパッセンジャーセルはカーボンがむき出しになっていて、余計なものには気を取られないシンプルさながら、特別な素材で形作られたアルファロメオ4Cの価値を思い知らせます。
2座席の車内はふたりのためというよりもドライバーオリエンティッド、インパネに配置されるものはドライバーに向けて配置されます。シンプルな見かけですが、質感は高く、熱間成型製(ホットスタンプ)のシェルとなっています。熱間成型は高張力鋼板を冷間でプレスするよりも手間はかかりますが、たわみなく精度と強度をより強くできます。欧州では高級車で採用されている方法です。
視線の集中するメーター類は進化した「アルファ ロメオD.N.A.システム」に連動して表示を変えるTFT液晶式のマルチディスプレイを搭載。デジタル表示の速度計に対してタコメーターは丸いディスプレイ全体を囲むようにしてアナログで示されます。
特にスポーティな車で見られるようになった速度をデジタル、回転計をアナログにするというアイディアはとても合理的。ドライバーへのインフォメーションとして人間の生理にあった感覚だといえます。それぞれに必要な情報をひと目で把握するために行きついた形です。
マルチインフォメーションの周囲となっているタコメーター付近にはオドメーター、トリップメーター、燃料計、水温計、時計、外気温計が並んでいます。
マルチインフォメーションディスプレイ内には常時現在のギアと速度が表示されて、下半分は「Dynamic」「Natural」「All Weather」そして、アルファロメオ4Cで新しく加わった「Alfa Race」モードそれぞれに必要な情報を表示します。ブースト圧、油温などに加えて「Alfa Race」モードでは前後左右の加速度を示す加速度計が現れます。
車に意思を伝えるデバイスとなるステアリングはレーシングカーを思い起こす下部がフラットな形状で無意味な干渉で操作感を損なわないようになっています。
ペダルやフットレストはアルミ軽合金製で軽量化にこだわった4Cに相応しい素材と演出がなされます。
そっけないほどシンプルなカーボン基調の車室空間の中で、変わらず機能重視のシートはフレームこそ強化型複合材に軽量パッドを組み合わせたものですが、レザー、ファブリック、アルカンターラを選択できます。人の接する部分では充分な感性からの満足を得られるようにしてあります。
ドライブの喜びを至上とするスポーツカー、アルファロメオ4Cならではのチョイスといえるでしょう。 カタログで発表されている諸元
サイズ:3,990×1,870×1,185ミリメートル(全長×全幅×全高)
ホイールベース:2,380ミリメートル
前/後トレッド: 1,640/1,605ミリメートル(スポーツパッケージ装着車は1,640/1,595)
車両重量:1,050キログラム
エンジン:直列4気筒DOHC1.75リッターインタークーラー付直噴ターボ
搭載位置:リアミッドシップ
駆動方式:後輪駆動
最高出力:177キロワット(240馬力)/6,000rpm
最大トルク:350キロワット(35.7キログラム)/2,100-4,000rpm
燃料:無鉛プレミアムガソリン指定
燃料供給:直接噴射式電子制御燃料噴射
燃費:JC08燃費12.1km/L
トランスミッション:6速乾式デュアルクラッチオートマチック「アルファ TCT」
サスペンション形式:フロントはダブルウィッシュボーン、リアはマクファーソンストラット
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:205/45 R17/ 235/40 R18
(スポーツパッケージ装着車は205/40 R18/ 235/35 R19)
ステアリング位置:左右どちらでも対応
希望小売価格:8,067,600円(税込み)

Alfa Romeo 4C Launch Edition

4Cの発売記念に全世界で1,000台のみ企画された特別仕様車がローンチエディションです。カラーは「カラーラホワイト」、「アルファレッド」の2色のみになりますが、随所に専用色が用意されるものです。
専用色で塗られるのは、ブレーキキャリパーの色、エアクリーナー、ショックアブソーバー、リヤのアンチロールバーになります。
他にはリアスポイラー、ドアミラーカバーをカーボン仕様とし、リヤディフューザーはダークフィニッシュとされ、ヘッドライトにもダークカラーの縁取りを行います。
外観では追加されるフロントエアインテークがローンチエディションの特徴となり、ホイールはフロント18インチ、リヤ19インチを標準として精悍なたたずまいを見せます。
カーボンで作られたバッヂに固有のシリアルナンバーが刻印されるところが特別仕様限定車の証となります。

限定1,000台はすぐに売れるとの見込みを立てましたが、標準モデルに対して、約85万円高くなっています。性能面では変わりませんし、ホイールを変えたければオプションで対応できます。わずかな仕様が専用だという対価には、なかなか見合わないと判断されたのかいまだに注文できる状態です。

価格は希望小売価格が8,910,000円(税込み)となっています。

Alfa Romeo 4C Spider

アルファロメオ4Cスパイダーはオープントップとなったことに加えてパッセンジャー後方にロールバー的な構造を残したためハッチバック的にリアミッドシップのエンジンを見せびらかすことを止めました。ガラスエリアが高い重心位置からなくなることは好ましいことです。
加えてここにはエンジンカバーとなるテールゲートが新しく造形されています。ここにふたつの口を開けているエアアウトレットは力強い盛り上がりでたくましくデザインされていてスパイダーのシルエットを引き立てています。 諸元
全高:1,190ミリメートルと5ミリメートル高くなり、車両重量は10キログラム重くなりますが、ほかはクーペとまったく同じです。
希望小売価格:8,618,400円(税込み)

とても純度の高いスポーツカー

アルファロメオ4Cはレーシングスピリッツが溢れ出るスポーツカーです。スポーツカーは高価になりがちなのでラグジュアリーを目指すことも多いのですが、4Cはとても純度が高いです。
走り以外はすべて捨て去ったサーキット走行用のモデルとも違います。こんな位置づけのスポーツカーは意外に珍しいものです。最近の様子を見ているとアルファロメオからだってもう出てこないかもしれないです。

この機会を逃さずにゲットできる人がうらやましい限りです。