「免許不携帯」を警察から告知された時の対処法【反則金・罰金、減点、紛失、コピーについて】

運転免許統計(出典:警察庁交通局運転免許課)によると、国内の運転免許保有者数は、平成26年に8千2百万人いるそうです。自動車などの運転をする際持っているべき運転免許証ですが、日ごろは運転しないドライバーも、本人確認書類として持っているのではないでしょうか。この記事では、もし忘れたら「免許不携帯」という違反行為になることを説明し、その罰則について解説していきます。

道路交通法から確認する「運転免許証」について

日本の運転免許制度は愛知県からはじまった

日本での運転免許制度は、1903年に愛知県で始まり、その後10年ほどかけて全国に広まったようです。当初は、乗合自動車の乗務員を対象としていたため、その営業許可の証として、行政庁が交付する鑑札(木製免許)が発行されていました。また、自家用車の運転に関しては届出制であり、試験は必要なかったようです。

現在の運転免許制度は、道路交通法により規定され、国家公安委員会の特別機関である警察庁交通局の管理監督を受ける国家資格です。その実務は警視庁および各道府県の警察本部が行っており、運転免許証は各都道府県公安委員会名で交付されています。運転免許証が無ければ、公道を走ることはできません。運転免許証の取得のために、一般的には教習所へ入学し、基準を満たす学科知識と運転技量を得て、運転免許試験を受けることになります。

運転免許の種類、法律上は3区分

運転免許は、第一種免許・第二種免許・仮免許があります。上位免許は下位免許車両を運転することができます。

●第一種免許
大型免許、中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型二輪免許、普通二輪免許、小型特殊免許、原付免許、けん引免許
●第二種免許
大型第二種免許、中型第二種免許、普通第二種免許、大型特殊第二種免許、けん引第二種免許
●仮免許
大型仮免、中型仮免、普通仮免

(参照:道路交通法第84条第1項)

免許証から本籍情報は必要なくなった?いえ、磁気記録されてます!

免許証には、記載事項が定められています。また、人の知覚により認識することができない電磁的方法にて記録することも定められており、IC運転免許証と呼ばれています。

1.免許証の番号、2.免許の年月日並びに免許証の交付年月日及び有効期間の末日、3.免許の種類、4.免許を受けた者の本籍・住所・氏名及び生年月日、5.優良運転者である場合にはその旨、6.免許の条件、7.交付公安委員会の名称、8.顔画像

(参照:道路交通法第93条、道路交通法施行規則第19条)

個人情報が記載されており、大きな交通違反がなければ5年に1度更新されることから、本人確認書類として、様々な手続きに利用されています。あくまでも、運転できる資格を持っていることの証明になるだけなので本人を保証するものではないですが、紛失すると偽装・悪用されることがあります。被害を防ぐためにも、免許証の管理はしっかりと行いましょう。

道路交通法で定められた免許証の携帯及び提示義務とは

運転免許証は、携帯及び提示義務があり、違反すると罰則が定められています。

道路交通法第95条第1項「免許を受けた者は、自動車等を運転するときは、当該自動車等に係る免許証を携帯していなければならない。」 

道路交通法第95条第2項「免許を受けた者は、自動車等を運転している場合において、警察官から第67条第1項又は第2項の規定による免許証の提示を求められたときは、これを提示しなければならない。」

警察官は、交通事故を防止するための広報啓発活動と、交通環境整備、交通指導取締りを行っています。その目的は、道路における危険を防止し、交通の安全と円滑を図り、道路交通法に規定された交通秩序を確立するためです。

では、警察官から免許証の提示を求められる場面について、考えてみましょう。交通違反を犯していると認められるときや危険防止のために、警察官は車両を停止させ、違反内容の確認とともに運転免許証の提示を求めます。具体的には、携帯使用、信号無視、一時停止違反などの反則行為や、酒気帯び運転、過労、薬物の影響その他の理由により正常な運転ができないおそれがある場合、積載物の転落や飛散を防ぐため必要な措置がとられていない場合などです。

車両ドライバーは、警察官から運転免許証の提示を求められれば、これを提示しなければなりません。



「免許不携帯」とは?

免許不携帯とは、「免許証を携帯しないで運転していること」です。前段落で述べているように、免許証は、車を運転する資格の種類と、有資格者の個人情報が記載されています。運転免許証は、車両運転中は常に携帯していなければならないのです。これは、道路交通法第95条にて規定されたことなのです。

免許不携帯、発覚後はどうなるの?

軽微な違反であっても違法行為なのですが、交通反則通告制度により、該当者が自ら選択して処分を受けた場合、刑事手続を受けなくてすむという制度があります。

●告知
警察官は、違反者に対し、交通反則告知書で告知をおこないます。同時に、反則金仮納付書が渡されます。

運転免許証がないのに、どのようにして本人確認を行うのでしょうか。多くの場合は、住所・氏名及び生年月日を警察官に伝え、警察官は無線にて担当と連絡をとりあい、システム照合しているようです。また、同様に、車両番号も照合されることがあるようです。

●仮納付
違反者は、その日を含めて8日以内(末日が祝祭日の場合はその翌日まで)に、反則金を納付すれば、手続きはすべて完結します。

これらの手続きが滞りなく済めば、その違反行為について刑事処分を受けることはありません。しかし、反則金を納めた後では、行政訴訟で争うことができなくなります。異議申し立てがあり、争う場合は、反則金を納付してはいけません。

●通告
告知書にある出頭の期日及び場所に違反者が出向き、反則行為の通告を受けます。仮納付が済んでいる場合には、公示にて略的に行われるため、出向く必要はありません。仮納付も通告も受けなかった場合には、仮納付書の納付期限より約1ヶ月後に、通告書と、送実費が加算された反則金の本納付書が、配達証明郵便で送られます。

●送致
本納付書で納付しないと刑事手続きが進みます。警察が行った取調べと実地検分の書類は、検察庁に送られます。

この後は、刑事手続きにより処分が決まります。

最新データで見る、交通違反取締りの状況について

平成26年の免許不携帯件数について

出典: http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/62/nfm/n62_2_1_3_1_2.html
平成27年版 犯罪白書|法務省 免許不携帯は、年間にどれぐらいの件数がおきているのでしょうか。早速、最新の統計データをみてみましょう。

道路交通法違反の件数と違反別構成率は、1-3-1-4図(参照元:平成27年版 犯罪白書|法務省)のとおりです。免許不携帯の発生件数は,反則金の仮納付で手続きが完結する告知事件は、約60,461件・構成率0.9%です(円グラフ左)。刑事手続きとなる送致事件は、約9,260件・構成率2.8%です(円グラフ右)。免許不携帯全体で約69,901件となっており、総違反件数に対する構成率は1%程度です。

1年間の免許不携帯が約69,901件という違反件数を、多いと感じますか? 少ないと感じますか? 車両を運転するときには、運転免許証を携帯しなければならないということは、みなさんが知るところです。何かしらの理由で、携帯することをついつい忘れてしまった、また、持っているつもりだった、ということがあるようですね。運転する前に、しっかりと運転免許証の携行有無を確認するようにしましょう。



免許不携帯による罰則、反則金はいくら?点数は何点?

さて、ここで、免許不携帯による罰則をみてみましょう。

「免許不携帯発覚後の手続き」の項目で、反則金を支払うと述べました。罰金と反則金の言葉の違いは、あるのでしょうか。実は、金額の支払いという点で同じであっても、その意味するところは大きく違うのです。反則金は、軽微な違反について適用されます。一方、罰金は重い罰則について適用され、無免許運転や酒気帯び運転などが該当します。反則金は行政処分であり、罰金は刑事処分になるのです。

免許不携帯では、交通反則通告制度により、警察官は違反者に交通反則告知書で告知をおこない、反則金仮納付書を渡します。違反者は、期日までに反則金を支払います。その額は3,000円です。どのような種別の車両であっても変わりません。反則金を仮納付で支払わなかった場合、通告を重ねて無視した場合、その罰則は、道路交通法第121条により、2万円以下の罰金又は科料となっています。

自動車運転免許の交通違反に関する点数制度は、違反ごとに点数が加算される累積方式をとっています。交通違反や交通事故に一定の点数を付けて、過去3年間の累積点数等に応じて免許の停止や取消等の処分を行う制度です。それでは、免許不携帯で点数が加算されるのでしょうか。多くの方が気にしているところかと思います。実は、免許不携帯では、点数は加算されません。

この点数制度では、「点数がひかれる」という表現が見受けられますが、正しくありません。加点方式であり、過去3年間の累積点数等に応じて処分がなされる制度です。

ゴールド免許の場合、次回更新はどうなる?

ゴールド免許(優良運転者)かどうかの判定は、免許証を取得して3回目以降の更新時に、5年間無事故・無違反だった場合です。免許不携帯は、点数による処分はありません。したがって、ほかに点数が加算されるような違反がなかった場合、ゴールド免許は維持されますのでご安心ください。

免許証のコピーでも大丈夫?

運転免許証のコピーは、免許証と同等の役割を果たすのでしょうか? 残念ながら、コピーは認められず、免許不携帯と判断されますので、どうぞご留意ください。また、紛失届をだすなどして、同一人物が複数の免許証を保持することは認められておりません。

運転免許の携帯を忘れない工夫

お財布に入れる

日ごろは運転しないペーパードライバーも、本人確認書類として使える運転免許証を、財布の中にいれておくという人が多いのではないでしょうか。所持品を最小限にまとめたいというニーズは満たせます。しかしながら、保険証もあわせて財布にいれると、落とした場合のリスクが大きいように感じます。また、財布に運転免許証をいれておくと、汚れやすいという声もあります。

専用カードケースに入れる

専用ケースを自宅に保管し、運転時に携帯する人もいます。運転免許証、JAF会員証、給油所のカード、保険会社・カーショップなどの名刺をまとめて一緒にして、カードホルダーや名刺入れにいれておきます。日ごろ運転しない人は、こういったものを持ち歩く必要はありません。また、日常的に運転する人ほど、持ち歩きたいカードが多数になる傾向があるので、専用ケースが必要になるようです。

キーケースに入れる

小銭入れやカード入れが付属した車のキーケースに収納する人もいます。自家用車しか運転しない人は、この方法でも良いでしょう。ただし、住居の鍵まで一緒にするのは危険です。運転免許証には住所が記載されているため、万が一紛失した場合には、2次被害にあう可能性があります。

車に保管する

車のダッシュボードに保管するという人がいるかもしれません。人の目にふれず車上あらしにあい、気が付くのが遅れると、免許証が偽装・悪用されたりといった2次被害にあう可能性があります。保管するならご自宅に、乗車のつど携帯するのがよいのではないでしょうか。

まとめ

免許不携帯とは

免許証には、1.免許証の番号、2.免許の年月日並びに免許証の交付年月日及び有効期間の末日、3.免許の種類、4.免許を受けた者の本籍・住所・氏名及び生年月日、5.優良運転者である場合にはその旨、6.免許の条件、7.交付公安委員会の名称、8.顔画像、の記載が定められています。自動車等を運転するときは、当該自動車等に係る免許証を携帯しなければなりません。

警察官に求められたときに免許不携帯だと、道路交通法違反として告知されます。運転免許証のコピーは、認められません。

免許不携帯による罰則

免許不携帯では、その反則金は3,000円です。反則金を仮納付で支払わなかった場合、通告を重ねて無視した場合、その罰則は、道路交通法第121条により、2万円以下の罰金又は科料となっています。

自動車運転免許の交通違反に関する点数制度において、免許不携帯は点数加算されません。よって、該当者がゴールド免許であった場合、次回までに違反がなければ、ゴールド免許が維持されます。

運転するなら忘れるな!

通勤定期がICカード化され電子マネーが使えるようになってくると、外出時にスマートフォンのみ持って出かけ、現金がなくてもこまらない環境がふえてきました。このような状況では、ついうっかり財布にいれた運転免許証を携帯するのを忘れてしまうことが増えてくるかもしれません。

免許不携帯は、道路交通法違反です。不用意に反則金を支払うことにならないよう、運転するなら忘れずに免許証をおもちください。 【人生が台無しに…】「無免許運転」が引き起こす悲劇【実はこれも無免に該当!厳しい罰則と処分!幇助行為もダメ!】|GOIN[ゴーイン]
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